【フェアトレードの課題や批判を解決する】ブロックチェーンのメリットとは？

発展途上国のコーヒー農家やカカオ農家は、児童労働や長時間労働、危険を伴う労働の温床とされています。なぜなら、1日2ドル未満、つまり約220円以下で暮らす農家が多いと言われているからです。

その解決法としてフェアトレードという仕組みがあります。

フェアトレードによって生産者の生活向上を持続的に支援することができます。消費者も自分たちの欲しいと思ったもの、気に入ったものを購入することで発展途上国の支援につながることから、身近な国際協力として欧米を中心に積極的に行われています。

一方、日本においてはフェアトレードの認知度が低く、その取り組みも積極的とは言えません。言葉だけが一人歩きしている状態と言えます。

フェアトレードそのものは素晴らしい取り組みですが、解決すべき課題があります。そのため、フェアトレードを支援する人たちから批判を受けるケースも存在しているのです。

フェアトレードが抱える課題や支援者からの批判

このフェアトレードは国際協力の一つとしてポジティブなイメージを持たれますが、現状抱えている課題や、支援者からの批判も多くあります。以下はその一例です。

フェアトレードとして扱われていた商品が、実はフェアトレードではなかったというケースも存在します。

また、生産者に十分な賃金が支払われておらず、仲介者がお金を吸い上げていたケースなども。

フェアトレード商品は他の一般的商品と比べて割高な場合が多く、フェアトレード商品の安全性担保なども求められています。

ブロックチェーンを使ってフェアトレードの課題解決を目指す企業事例

フェアトレードが抱える課題を解決するために、ブロックチェーン技術を導入しフェアトレードを支援するベンチャー企業があります。

アフリカ最大のコーヒー生産国であるウガンダのコーヒー会社、CaricoCaféConnoisseur社がコーヒーのフェアトレードにブロックチェーン技術を導入しました。

消費者はコーヒー製造の農園、所在地、豆の品種までをブロックチェーン上で記録された情報として確認することができ、信頼できる農家や販売所から購入することができます。

ブロックチェーンによって記録された情報は改ざんができません。これにより取引を透明化し、不正を防止することができます。

また、デンバーのBext Holdings.inc社も農家側の問題を解決するためにブロックチェーン技術を導入しています。

コーヒー豆の取引価格や取引先を記録したブロックチェーンを用い、農家がコーヒー豆の適正価格を瞬時に確認できるシステムを構築しました。そしてモバイル決済を通じてリアルタイムに対価が支払われ、農家にも賃金が支払われます。

これにより仲介業者の搾取や、取引価格の不正操作などもなく、農家は安定した収益として報酬を得ることができます。

ブロックチェーンによって情報が透明化され、耐改ざん性も増すことによって、フェアトレードの実現に大きく貢献しています。

まとめ　ブロックチェーンがフェアトレードを実現する

今回は、フェアトレードの課題を解決するブロックチェーンの活用事例を紹介しました。

世界ではフェアトレードがSDGsやESG投資の観点からも注目を集めています。しかし、真の意味でのフェアトレードの実現には、取引情報を安全に公開したり、不正を防止したりする必要があります。

なぜなら、発展途上国の農業生産者は、児童労働や長時間労働、危険を伴う労働により低賃金で働かされる危険性があり、不正の温床とされるケースが存在するからです。フェアトレードのために割高な商品を購入する支援者も、納得して安心できる仕組みを求めています。

ブロックチェーンなら、生産者・消費者が納得した取引ができるシステムの構築が可能です。情報を安全に公開して共有したり、生産者のもとに確実に賃金を送金することができるからです。

日本においては、まだまだフェアトレードという言葉の認知度自体が低く、馴染みがないかもしれません。しかし、フェアトレードはブロックチェーンとともに、今後の大きなトレンドとしてあらゆるビジネスに影響を与えていくことでしょう。