【2024年版】生成AIを活用してDX化を進める最新事例7選

人手不足の解消や業務効率の向上のために、生成AIを活用したDX化を進める事例が増えています。

しかし、生成AIを自社ビジネスに活用したいと思っていても、実際にどうすれば良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、生成AIを活用した最新のDX化事例を7つピックアップしました。

この記事を読めば、生成AIを活用することでどんな課題がどのように解決されるのかがイメージできるようになります。

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目次

内勤職の業務量30%削減が目標!日本生命の生成AI活用事例

https://www.nissay.co.jp/

日本生命は、2024年度に生成AIを活用した業務効率化の実証実験を10件実施し、年度末にも本格導入を目指しています。

高齢化や人口減少で労働力の確保が難しくなる一方で、同社では介護やヘルスケアなどの保険領域以外にも業容を拡大しています。少ない人数で幅広い業務をこなせるよう、生成AIを用いた業務補助ツールの導入を推進し、1人当たりの生産性を高める必要があります。

内勤職300人を対象に行っている実証実験では、米マイクロソフトの生成AIツール「Copilot」を活用しています。例えば、会議の音声を自動で文書化したり、パワーポイントの資料を読み込ませて要点をワードにまとめたりすることで、会議の議事録や提案書を作成する時間を大幅に削減しています。また、保険事業に関わる法律の条文をAIに大量に読み込ませることで法的な確認が容易になったり、作成した帳票の間違いをAIが指摘することでミスを減らせたりしています。

https://newswitch.jp/p/42916

その結果、1日平均18分の業務時間の削減を確認できています。300人の社員が月20日勤務し、1日あたり18分を削減できた場合、トータルの削減時間は108,000分(300人×20日×18分)となります。1人の月間労働時間が160時間だとすると、毎月11.25人分の労働時間を他の業務に振り替えることができる計算です。

日本生命では、生成AIを活用することで内勤職の業務量を2029年度までに最大30%削減し、その余力は顧客体験価値の向上や新規事業の創出に充て、さらなる収益向上を目指しています。

参考:https://newswitch.jp/p/42916

NTTPCによる生成AIを活用したソフトウェア開発の業務効率化の取り組み

https://www.nttpc.co.jp/

NTTPCのサービスクリエーション担当では、GitHub CopilotやChatGPTを活用したソフトウェア開発の業務効率化の取り組みを行っています。組織やチームをリードできる上級エンジニアが不足し、全体的なスキルアップや上級エンジニアの増員が喫緊の課題となっているからです。

ソフトウェアの実装工程に対してGitHub CopilotやChatGPTを導入することで、以下の効果を確認することができました。

  • ソフトウェア開発スピードの向上
  • 開発者体験の改善
  • 若手エンジニアの育成支援

例えば、ChatGPT-4oを使うことで、UIデザインからテストケースを生成できます。できたテストケースを使い、GitHub Copilot Chatを使ってテストコードを生成します。

https://www.nttpc.co.jp/technology/streamlining-sw-devops.html

次に、テストコードをもとにプロダクトコードを生成します。生成AIを使えば、UIデザインからプログラミングする上で必要な仕様や条件を瞬時にまとめてくれます。今度はその仕様に基づいたおおまかなコードを生成してもらえます。さらにテストコードをパスできるプロダクトコードまで作ることができます。仕様を考えたり、テストコードを作成したりするスピードが劇的に向上し、プロダクトコードに至るまでの時間が大幅に短縮できます。

ただし、生成AIですべてが完璧に出来上がるわけではありません。また、本番に実装するためには、手作業で細かなコード修正や動作確認は必要です。しかし、仕様検討やコーディング作業に費やしていた時間が節約できれば、少ない開発人員でも製品を効率よく開発することが可能になります。また、生成AIを活用することでバグの早期発見などにもつながるため、製品の品質向上も期待できます。

NTTPCのサービスクリエーション担当では、プロンプトの改善やUIデザインも生成AIで作成することなど、さらなる開発効率向上を検討しています。

参考:https://www.nttpc.co.jp/technology/streamlining-sw-devops.html

パナソニック コネクトの生成AI導入1年の実績と今後の活用構想を発表

https://news.panasonic.com/jp/press/jn240625-1

パナソニック コネクト株式会社では、OpenAIの大規模言語モデルをベースに開発した自社向けのAIアシスタントサービス「ConnectAI」を活用することで、1年で全社員18.6万時間の労働時間の削減に成功しました。

これにより、戦略策定や商品企画などの生産性向上につながる業務が効率化され、国内全社員約12,400人のAIスキルが向上。情報漏洩、著作権侵害などの問題も発生せず、大規模かつスピーディな生成AI導入が実現しています。

2024年6月17日からは、社員がConnectAIに的確なプロンプトを入力できるよう、AIプロンプト添削機能を追加しました。AIに質問する際のプロンプトはより具体的に入力した方が素早く的確な回答を得やすいため、AIがプロンプトを添削して修正し、AIからのより具体的な回答を導き出す工夫をしています。

https://news.panasonic.com/jp/press/jn240625-1

また、自社の公開情報や社外秘情報をAIに読み込ませることで、自社製品の設計や性能に関する疑問を回答できる仕組みも開発しました。これにより、自社のノウハウを全社員が素早く共有でき、業務効率の飛躍的な向上が期待できます。

https://news.panasonic.com/jp/press/jn240625-1

回答の精度向上には改善の余地もあるとのことですが、今後の改良でより短時間で精度の高いものづくりができ、人手不足を補う効果も期待できます。パナソニック コネクトでは、熟練社員の定年退職による知識やノウハウの伝承問題、情報の検索や精査に費やす時間の課題を解決し、知識や経験の永続化と民主化を実現することで、多様な人々が幸せに暮らせる持続可能な社会を実現していくことを目指しています。

https://news.panasonic.com/jp/press/jn240625-1

クリエイターの広告制作量が約4.5倍増加!サイバーエージェントの生成AI活用事例

https://www.cyberagent.co.jp/

従来、サイバーエージェントでは、広告クリエイターが顧客とミーティングをしたり、撮影をしにいったりして、さまざまな作業をしながら広告を作成していました。そのため、製作できる広告の量に限りがあり、業務効率の向上が課題となっていました。

そこでサイバーエージェントでは、AIを使って広告の製作量を向上させる取り組みを始めました。例えば、ペットボトルのドリンクの広告を作成する際、従来はさまざまな場所に行き、時間帯を考慮して撮影を行っていました。昼と夜では商品の見え方が異なったり、背景の風景や手に持つ人物などによっても見栄えが変わるからです。

https://logmi.jp/tech/articles/330700

こうした業務を効率化するために、商品画像をAIに学習させ、時間帯や背景、人物の有無といった条件にあわせて商品画像を自動生成する仕組みを作りました。これにより、ロケに行かなくても背景画像などに最適な商品画像が生成できるので、広告製作の効率が4.5倍に増加しました。

また、広告のキャッチコピーを生成AIに作成してもらったり、モデルのデータから3Dで動く映像や本人から収録せずとも音声を生成したりすることができるような取り組みも行っています。

https://logmi.jp/tech/articles/330700

生成AIを活用して病院DXを推進!HITO病院(愛媛県四国中央市)の事例

http://hitomedical.co-site.jp/about/overview/

愛媛県四国中央市にあるHITO病院では、AIの積極的な活用によって「病院DX」に取り組んでいます。全職員にiPhoneを配布して業務用チャットツールやCopilotアプリを利用できる環境を整え、電子カルテのデータとAzureのクラウドネットワークを連携させるアーキテクチャも構築しました。

https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2407/26/news136.html

これにより、業務知識をフォローできる現場スタッフ向けのQ&Aチャットbotでは、病院の糖尿病治療チームが作成したレシピや情報をナレッジソースとすることで、「野菜が食べられない糖尿病患者の食事療法は?」といった質問にAIがアドバイスできるようになっています。

また、あいさつや一般的な会話しかできない外国人介護人材であっても、Copilotのチャットによる翻訳機能を活用することで、会話の細かいニュアンスが理解できるようになり、単独勤務が可能となりました。これにより、日本人看護師の夜勤負担が大幅に減らせています。

その他にも会議の議事録をAIが自動作成することで大幅に効率化できたり、看護スタッフの勤務データを生成AIが分析して可視化し、負担軽減につながるような働き方改善に取り組んだりしています。

HITO病院では、今後の地域医療や介護を支えていくためには、生成AIの活用が必要不可欠になるものと考えています。さまざまなシーンでAIを積極的に活用して、持続可能な病院運営を目指していく予定です。

https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2407/26/news136.html

次世代デジタル人材を育成!生成AIを活用した中高生向け地域課題解型学習プログラム「Z-SCHOOL」を開始

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000281.000019771.html

2024年8月、次世代デジタル人材育成を手がけるライフイズテック株式会社は、生成AIを活用した中高生向け地域課題解型学習プログラム「Z-SCHOOL」を開始しました。第一期は、港区・敦賀市・裾野市の3自治体と文部科学省が推進する高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に指定されている北海道大空高等学校、クラーク記念国際高等学校、FC今治高校里山校、昭和学院秀英高等学校の4校が参画。合計で105名の中高生が参加しています。

「Z-SCHOOL」では、各自治体が直面する地域課題を探究し、生成AIを活用した課題解決型のオリジナルWebサービスを8カ月間で制作します。実際に手を動かしながらデジタルスキルや課題解決に向けた思考力や創造力を身につけることができるので、Society5.0時代に求められる課題解決型デジタル人材の育成を目指せます。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000281.000019771.html

「Z-SCHOOL」では、以下の3STEPでAIの基礎や効果的な活用方法を習得できます。

  • STEP1「知る」:AI概要講座で生成AIの可能性やリスクを学ぶ
  • STEP2「使う」:画像・文章・映像やWebコーディングの生成方法を学ぶ
  • STEP3「活用する」:地域課題解決型のオリジナルWebサイトを実装し、成果発表する

2024年8月〜2025年3月の日曜日(17:00〜19:00:全31コマ)にオンラインで実施し、社会に新たな価値を創出していく次世代人材の育成を目指していきます。また、今後は第二期のプロジェクトも行っていく予定です。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000281.000019771.html

AIで作ったデジタルクローンが働く会社で本人に給与が支給される

生成AI技術を手がけるスタートアップ企業オルツでは、デジタルクローンを使った業務の効率化に取り組んでいます。AIで作成したデジタルクローンに繁雑な業務やルーチンワークを任せることで、労働生産性の向上が期待できます。

本人のプロフィールや日常のメール、チャットのやりとりなどをAIと共有することで、本人に近いデジタルクローンを生成できます。これにより、社内の業務連絡や書類のやりとりなどの単純作業をデジタルクローンに任せることができます。また、同社の社長に代わって講演会に出演したり、投資会社に向けて事業説明を行うことも可能になっています。さらに、採用面接の1次面接では、社長のクローンが面接官を行っています。

オルツでは、手間や時間のかかる仕事をデジタルクローンが行った場合、その本人に給与が支払われる仕組みも導入しています。そのため、本人はより付加価値の高い仕事に集中しつつ、デジタルクローンも働くことで手当が出るので、会社の売上向上とともに本人の収入アップにもつながる仕組みになっています。

物事を決める最終的な決定権さえ人間がしっかりと持っていれば、AIは人間の最良のパートナーになれると同社では考えています。

参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240304/k10014376651000.html

参考:https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/articles/2024_0305.html

まとめ 生成AI活用事例7選について

今回は、生成AIの活用事例として7つの取り組みをピックアップしました。

各業界ではこれまでに多くの時間や労力がかかっていた業務を、生成AIを活用することで省力化したり、短時間でこなせるようにしたりする取り組みを進めています。

単純作業やルーチンワークなどを生成AIで効率化できれば、人間はより高度な仕事や重要な意思決定に多くの時間を費やすことができ、ビジネスの付加価値を高めることができます。一方で、より付加価値の高い仕事を人間ができるようにならなければ、単純な仕事はAIに奪われ続けるのかもしれません。

今後も本メディアでは、最新の生成AIの活用事例を定期的にお伝えしますので、今後のビジネスの参考にしていただけたら幸いです。

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