3Dプリンターとは、あるデータをもとに樹脂や金属などの物質を一層一層積み重ねながら、立体物として印刷(作成)するものです。
従来のプリンターと呼ばれているものは、あくまで紙やCDの表面などにインクを出し、文字などを印刷(2D)するものでした。しかし3Dプリンターは、さまざまな方式で材料を積み重ねることで立体化(3D)させることができます。
現在では3Dプリンターの技術を使って、生きた細胞を使い小さな組織を作ることも、24時間以内に家を丸ごと作ることも可能になり、その技術は世界各国で注目されています。
3Dプリンターとブロックチェーンでジャストインタイム生産を実現
3Dプリンターの革新的な技術をブロックチェーンでつなぎ、ジャストインタイム生産が可能な分散型製造工場を作ろうとしているのが、イタリア トリノ工科大学からスピンオフしたスタートアップ企業「ポリトロニカ」です。
このジャストインタイムとは「必要なものを、必要なときに、必要な数だけつくる」という発想のシステムです。ポリトロニカ社が展開する「ネットワーク ロボット ワークフォース」というネットワークは、ブロックチェーン技術を用いたプラットフォームです。
『3Dプリンター×ブロックチェーン』は、従来の製造業における納期や生産コストを改善するものとして期待されています。
3Dプリンターの印刷は、設計から素材選定、スキャン、印刷まで何段階ものプロセスが存在し、それぞれが複雑に関係しています。このプロセスをブロックチェーン技術によって管理することができます。ブロックチェーンで管理することで、生産状況をリアルタイムに確認、管理することができ、人的コストの削減が見込めます。また、設計や製造に関する機密情報もブロックチェーンによって安全に保護することができます。さらに3Dプリンターによって、生産スピードも向上できます。
このポリトロニカ社はそれに加えて、100台の3Dプリンターのネットワークを管理し、ブロックチェーン上に部品や製品情報を記録し、共有・転送・追跡を容易にしています。
3Dプリンター業界とブロックチェーン技術の将来性
ポリトロニカ社が開発した『3Dプリンター×ブロックチェーン』の仕組みは、製造業の成長やコスト削減に貢献しています。
3Dプリンターにブロックチェーン技術を導入することへの関心は高まり、米海軍でさえデータ転送にブロックチェーン技術の採用を検討しているとされています。ポリトロニカ社はイタリアでビジネスモデルを確立し、将来は世界に向けてビジネスを広げたいと考えています。
3Dプリンターとブロックチェーンを組み合わせることで、ジャストインタイムのスピーディーな生産ができ、管理や生産にまつわるコストを削減、設計や生産に関する情報を安全に保護することができます。
3Dプリンターは目覚ましい発達をしていて、より高精度でスピーディーな生産(印刷)が可能になっています。ブロックチェーンを活用すれば、不正や改ざんを防止しながら、製造業の生産効率をさらに高めることができるでしょう。
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