アート作品やアパレル商材などの偽造品・模倣品が作られ、本物と偽り販売されることは多々あります。
今回はブロックチェーンの真贋証明技術を活用した色紙絵についてご紹介します。
偽造品・模倣品の現状
正規品のロゴを真似たもの、類似したデザインを用いたもの、パロディーとして作られたものなど、様々な偽造品・模倣品が出回っております。消費者が騙されるケースだけでなく、偽物だと分かっていて購入されてしまうケースもあり、企業損失が発生しています。
また、模倣品が多く生産される中国では、模倣品のパーツをそれぞれ別の場所で製造し、販売直前に合体させる事で、摘発時の押収を最小限に抑えるなど、手口が巧妙になってきております。
(参考:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000038.pdf)
法律と課題について
模倣品の対策としては、税関での輸入差し止めや裁判、警察への申告などがあり、法律面では、商標権侵害,意匠権侵害,不正競争防止法違反,著作権侵害などが想定されます。
しかし、商標権などの権利侵害は事業性のある行為ではなく、個人での使用目的となると税関での没収対象となりません。
時代と共に規制は強化されていますが、大手企業ではなく中小企業が被害を受けた場合、法律、模倣品等に詳しい人材やノウハウが十分に備わっていない為に、対応が困難な場合があります。偽物が出回ってしまうことで、本物の価値が損なわれてしまう為、「本物の補償」が求められています。
(参考:https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2019/6479d51d5704f481/20191205.pdf)
(参考:https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/proceedings_customs/material/20211105/kana20211105siryo2-1.pdf)
ブロックチェーンに対応した西元祐貴氏の色紙絵について
墨絵アーティスト西元祐貴氏は自身の作品である色紙絵の複製転売被害にあっていました。ブランド低下を問題視し、2022年1月出荷分より色紙絵に真贋証明ができるQRコードを付し、販売を開始しました。購入者は、色紙裏に貼り付けられたQRコードを読み取る事で「本物」であることを確認できます。
また、QRコードを読み取ると、真贋証明だけでなく、これまでの西元氏の動画がご覧いただけるようです。偽造品の手口がエスカレートしているので、このように法律だけでなく各自での対策が必要となっていくのではないでしょうか。
(参考:https://lineblog.me/yuki_works/archives/13295304.html)
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【まとめ】
転売サイトで偽物や複製した商品が出回ることで、商品やアート作品の価値低下が問題視されています。他方で、今回の事例では、現物とQRコードの一対一対応をどこまで厳密に行えるかが肝になりそうです。ブロックチェーンによる真贋証明によって、ホンモノの商品価値提供が期待されています。
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