遠隔ゴミ分別ゲーム『Eco Catcher Battle』実証実験の成果発表会を開催

※左から順に「Rita Technology株式会社 上野 光陽氏」「株式会社IKUSA 赤坂 大樹氏」「株式会社OGIX 小木曾 裕介氏」「DEA 山田 耕三氏」

2024年12月16日、シンガポールを拠点にグローバルで課題解決型ゲームプラットフォーム事業を展開するDigital Entertainment Asset Pte.Ltd.(以下「DEA」)は、Rita Technology株式会社株式会社IKUSA株式会社OGIXの3社とともに、遠隔ゴミ分別ゲーム『Eco Catcher Battle』を活用したeスポーツイベントの成果発表会を東京都千代田区で開催しました。

この発表会では、参加者同士がスコアを競い合う様子や、主催者や協力企業による次のステップへの取り組みが紹介されました。

目次

未来をつなぐEco eスポーツ

遠隔ゴミ分別ゲーム『Eco Catcher Battle』を活用したイベントは、2024年11月23日に新潟県新潟市で開催され、老若男女、国籍問わず地元の企業関係者をはじめ、様々な方が参加されました。

遠隔ゴミ分別ゲーム『Eco Catcher Battle』とは

『Eco Catcher Battle』は、廃棄物処理における労働力不足の解消や、一般市民のゴミ分別意識の向上、地域活性化を目指したゲームです。

本ゲームは、AI搭載の自動選別ロボット「URANOS(ウラノス)」の機能を活用しており、ゲーム内の操作に連動して遠隔地の棄物処理工場に設置されたロボットが動き、実際のゴミを分別する仕組みとなっています。

遠隔ゴミ分別ゲーム『Eco Catcher Battle』は、JETRO(⽇本貿易振興機構)の「対内直接投資促進事業費補助⾦」製造分野にて採択されています。

e スポーツイベントの概要

本イベントは、『Eco Catcher Battle』の事業化に向けた実証実験であり、ゲームによる新たな社会貢献の実現を目指して開催されました。

<ルール>

  • 5⼈1組のチーム(⼦ども、⾼齢者、障がい者含む)で、新潟、⻑野、フィリピンの3チーム が代表として参加
  • 1⼈ずつ順番にタブレットでプレイし、コンベア上を流れるゴミをスワイプして正しい分別 BOXにいれる
  • 処理できたゴミの数で得点を競い、間違った分別は後で減点される
  • 各チームのプレイ時間は10〜15分、1⼈あたり2〜3分を想定

OGIXの小木曾氏によると、新潟と長野,フィリピンを通信回線でつなぐにあたり,オンラインゲームなどで使われる技術を応用して実現をしているとのことです。

参加者の反応

イベントに参加した方々は、ゲームを楽しむだけでなく、遠隔操作でゴミ分別ができるという点についても高く評価していました。

この技術は、現地に行けない状況でも作業を可能にする点で、多くの共感を得ていました。

イベント開催の背景

このイベント開催には以下の目的がありました。

1.労働力不足の解消につながる実証

高齢化や労働人口の減少、過酷な作業環境により、廃棄物処理現場では深刻な人手不足が続いています。

そこで今回の実証実験で、ゴミ分別を遠隔で行う『Eco Catcher Battle』を活用し、廃棄物処理現場における労働力の代替案としての可能性が探られました。

今回の実証実験では、『Eco Catcher Battle』を活用し、遠隔操作による分別作業の可能性が確認されました。 これにより、現場の安全性向上も期待されています。

2.一般の皆さまへの啓蒙、知識・意識の向上

ゴミの不適切な分別は、重大なリスクを伴います。

例えば、リチウムイオン電池が分別されずに捨てられた場合、外部からの衝撃を加えられたときに発火する恐れがあります。

ゲームを通じて分別知識を深めることで、こうした問題の回避が期待されます。

3.地域を盛り上げる新しいイベントの創出

今回のイベントで『Eco Catcher Battle』は、年齢や障がいに関係なく誰でも楽しめる点も高く評価されました。

この体験を広めるために、累計3,000社・20万人以上に体験型イベントや研修を提供してきたと株式会社IKUSAと提携し、IKUSAが展開する100種類以上のサービスメニューの一つとして、日本全国の自治体や商業施設でのeスポーツイベントやレクリエーションコンテンツとして展開されます。

今後の展望

今後の『Eco Catcher Battle』の展開として以下のことが示されました。

① 実際の工場での就労ツールとしての活用

現在URANOSを導入している国内3か所の廃棄処理上にて、『Eco Catcher Battle』の機能を応用したアプリを障がい者就労用のツールとして活用することが発表されました。

この取り組みについて、Rita Technologyの上野氏は、「危険を伴う廃棄物処理作業を,安全な自宅から可能にすることで喜んでいただけている。この取り組みを,順次広げていきたい」と意気込みを語っています。

② 全国の自治体、商業施設等で実施されるイベント展開

IKUSAと提携し、自治体や商業施設で『Eco Catcher Battle』を展開することで、家族連れなどにもアピールし、多くの方に体験をしてもらうことを示されています。

IKUSAの赤坂氏によると、「サステナビリティを扱うイベントは、興味のある方がチラッと見て去っていくイベントになりがち」とのこと。そこに対してワークショップ型のイベントやチームビルディング型のイベントにすることで、遊びながら知識をインプットできるものにし、自治体、協力会社それぞれにメリットがある形で広げられるとのことです。

③ 社会貢献型eスポーツ カテゴリの立ち上げ

DEAは、社会課題解決を目的としたゲームを集約する新たなカテゴリ「Social Impact eSports(ソーシャル・インパクト・イースポーツ)」の設立構想を進めています。

現在、『Eco Catcher Battle』以外にも世界中で様々な社会貢献につながる可能性のあるゲームが誕生しています。

その中で、既存のeスポーツと併設される形式とした社会貢献型eスポーツカテゴリ「Social Impact eSports」を立ちあげ、社会課題解決を目指すゲーム開発者や自治体、企業と連携し、このカテゴリを通じて持続可能な未来の実現に貢献したいと考えています。

④ AI自動分別を実現するアノテーションプラットフォームとしての活用

DEAは、「Eco Catcher Battle」などを通じて,AIが何かを選別するときに必要な教師データの作成をするプラットフォームとして活用する構想を進めています。

Rita Technologyの上野氏によると、ゴミの汚れや破損具合は、回収したものごとに異なることや、ゴミ処理のレーンに流れてくるものが多岐に渡るため、ゴミ分別を全てロボットで行うことは現状では難しいとのことです。

このような「人間による選別データ」を提供することは廃棄物に限らず様々な領域 でAIによる自動化が進む中で必要とされます。

そこで、ゲーム『Eco Catcher Battle』は「アノテーション・モード」から選別データを提供すること で、報酬が得られるPlay to Earnゲームとして展開していく予定です。廃棄物の他、水産業における魚の選別に活用できないかという検討が始まっています。

まとめ

今回の発表会では、遠隔ゴミ分別ゲーム『Eco Catcher Battle』を活用したeスポーツイベントの成果が示されました。

この取り組みは廃棄物処理分野にとどまらず、さまざまな業界への応用が期待されており、今後の展開が注目されています。

Rita Technology株式会社

「最新テクノロジーを駆使し、お客様に利をもたらす(利他)製品を開発する」を企業理念に、現在は産廃処理業界向けのシステムを多数展開しています。

代表者上野光陽
所在地東京都新宿区上落合3丁目8-25 FLAMP 1302
設立2018年3月20日
事業内容システム開発、コンサルティング
会社HPhttps://ritatechnology.com

株式会社IKUSA

あそびで社会課題の解決を支援するイベント・研修会社です。チームビルディングや地域活性化など、企業や自治体・商業施設・学校の課題を解決する100種類以上のサービスを展開。年間1,000件以上のイベント・研修実績、累計導入社数3,000社、のべ560,000人が体験。

代表者赤坂大樹
所在地東京都豊島区東池袋3-20-21 広宣ビル 4F
設立2012年5月29日
事業内容イベント事業、研修事業、ビジネスパーティー事業、デジタルマーケティング事業、施設管理事業
会社HPhttps://ikusa.co.jp/

株式会社OGIX

  • Mission (使命・存在意義)
    • エンターテインメントで自分も周りの人も豊かにし続ける
  • Vision(構想・未来像)
    • エンターテインメントの力で多様な社会課題を解決する為のあらゆる架け橋になる
  • Value(価値観)
    • 科学的に創る
    • 立体的に視る
    • 戦略的に研く
    • 主体的に愉しむ

上記理念を掲げ、ゲーム制作のプロとして、社会の様々な問題にアプローチを行っております。

代表者小木曾 裕介
所在地東京本社:〒101-0032 東京都千代田区岩本町3-9-17 スリーセブンビル 6F
新潟事業所:〒950-0911 新潟県新潟市中央区笹口1-2 プラーカ2 1F NINNO+
設立2017年5月1日
事業内容ゲーミフィケーション事業、ゲーム開発・運営事業、DX推進事業、プラットフォーム事業、アプリ・Webサイトシステム開発・運営事業
会社HPhttps://ogix.co.jp/

Digital Entertainment Asset Pte. Ltd.

2018年8月に設立されたシンガポールを拠点とするグローバルなweb3エンターテインメント企業です。DEAはPlay to Earnゲームの開発会社であり、課題解決ゲームプラットフォーム「PlayMining」、NFTマーケットプレイス PlayMining NFT」、自社発行の暗号資産「DEAPcoin(DEP)」、電柱撮影ゲーム「PicTrée(ピクトレ)」を始めとする社会課題解決ゲームの運営を行っています。

3社のIPOを含むスタートアップ企業の設立、ヒットゲームの制作、ウェブテレビ番組の制作、NFTゲームに対する深い理解など、数十年にわたる経験に基づいて、吉田直人と山田耕三の2人の共同CEOがチーム全体を牽引しています。

代表者吉田直人 山田耕三
所在地20 ANSON ROAD #11-01 TWENTY ANSON SINGAPORE 079912
設立2018年8月
事業内容課題解決ゲームプラットフォーム
会社HPhttps://dea.sg/jp/
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