宝石の入手経路の不透明性
宝石やジュエリーを購入する際に、その宝石がどこから来たのか気になる方がほとんどですが、実際にどこの鉱山でどのようにして、採掘されたなどの情報を私たちが確認することは容易ではありません。
世界中の消費者の66%が、オンラインや仲介業者からではなく、より安心安全なブランドで商品を購入しているというデータも存在するほど、宝石の消費者はそのものの価値や信憑性を気にしています。
そこで金やダイヤモンド業界ではIBMと提携しブロックチェーンネットワークの構築を目指しています。
これにより宝石の原料を追跡するシステムが開発されます。
「トラストチェイン・イニシアティブ」は貴金属精錬や宝飾品販売、宝飾品製造、認証サービスを提供する企業などが参加しているブロックチェーンネットワークです。
宝石業界のサプライチェーン全体の透明性向上を目指しています。
具体的にはIBMが開発したブロックチェーンプラットフォームとHyperledgerをベースにし、宝石の原産地から小売店舗までの追跡と認証を行うというものです。
この技術を導入することで、宝石そのものの信憑性とプロセスの検証、鑑定士などによる第三者の監視などがブロックチェーン上で行えます。
さらにプロセスのデジタル化、ブロックチェーンネットワーク内でのトランザクション共有、改ざん不可能な記録、リアルタイムでのデータへのアクセスなど、ブロックチェーンを用いることで金、宝石に関わる様々な処理や手続きがスムーズに、そして効率的になります。
宝石の原石を採掘する労働者の労働環境もブロックチェーン上に記録することで、紛争地や過酷な違法労働環境のもとで採掘されたものではないことをチェックし、環境改善につなげることもできます。
大手企業がブロックチェーン技術を導入することで、今後宝石やジュエリー業界でブロックチェーン技術が導入されたサービスが普及され、広まっていくでしょう。
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