メタバースは企業ではビジネスに活用され、自治体では地方創生に活用されるなど注目を集めています。
そんなメタバースはビジネスにどう生かせるのでしょうか?次々と新しいワードが登場すると、時代の早さに取り残されないかと不安になりますよね。
そこで今回は、メタバースのメリットやメタバースがビジネスにどう活用されるのかを解説していきます。
この記事を読めばビジネスにメタバースを生かすためのヒントが掴めます。
株式会社リッカ
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メタバースとは?
メタバースとは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間のことです。
ユーザーはメタバース内で他者との交流や商品の購入、デジタル資産の所有や交換などができます。また、視覚だけでなくリアルとバーチャルが融合し、味や匂い、触感まで楽しめるメタバースも開発が進められています。
メタバースの国内市場は2025年には約4兆円、2030年には約24兆円まで拡大すると期待されています。メタバースが普及するには情報処理や情報通信などのインフラが整備されている必要があります。そのため、2030年代中ごろから後半以後にメタバース経済圏が大きく発展すると言われています。
参考:メタバースの国内市場は2030年に約24兆円規模へ、三菱総研が調査
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/14193/
メタバースのビジネス活用事例7選
メタバースは、すでにビジネスでの実証実験や社会実装が進んでいます。ここでは国内の事例として以下の7つを紹介していきます。
- Oasis TOKYO
- docomo「XR City」/「XR World」
- バーチャル渋谷
- 仮想伊勢丹新宿店
- ANA GranWhale
- LiveStyle PARTNER
- バーチャルマーケット
それぞれを解説します。
Oasis TOKYO
「Oasis TOKYO」は、ユーザー主導のゲームプラットフォームである『The Sandbox』上において、コインチェックが保有する土地(LAND)に作られた、”2035年の近未来都市”をコンセプトにしたメタバース×NFTのコミュニティ拠点です。
「Oasis TOKYO」では、日本を連想させる街並みの中に、商店街や美術館、ライブハウス、スタジアムなどの施設が建設されています。ユーザーはそれらの施設を利用したり様々な分野のアーティストとファンの交流や、企業のコミュニティの育成の場となったりすることを目指しています。
「Oasis TOKYO」は現在開発が進められていて、他にも『Decentraland』上に「OASIS KYOTO」、及び『Otherside』上に「OASIS MARS」も開発中です。
NTTdocomo「XR World」/「XR City」
NTTdocomoが提供する「XR World」とは、ユーザーがアバターを通じてコミュニケーションを取ることができるバーチャル空間です。「XR World」では、エンタメ、スポーツ、教育、観光などの幅広い分野でのコンテンツ提供を目指しています。
「XR City」とは見慣れた街にスマホをかざすことでXRコンテンツが現れ毎日がもっと「楽しく」、「便利」で、「お得」な体験ができるサービスです。「XR City」のコンセプトは新しいエコシステムを作ることであり、街に魅力が生まれ、人が集まり、新しい事業の活性化を目指す街づくりです。
バーチャル渋谷
「バーチャル渋谷」とは渋谷区公認の配信プラットフォームであり、デジタル空間上に作られる「もう一つの渋谷区」です。渋谷区がauと共同で現実とデジタルの渋谷区を繋げ、新たな渋谷区を発信するためにデジタル都市構想を立ち上げました。
バーチャル渋谷へはスマートフォン、PC、VRゴーグルの「cluster」アプリから利用が可能です。これまでのバーチャル渋谷では、クリスマスやハロウイン、フェス、トークショー、スポーツ観戦などの様々なイベントが開催されています。
仮想伊勢丹新宿店
「仮想伊勢丹新宿店」とは三越伊勢丹ホールディングスが運営するVRプラットフォーム「REV WORLDS」の仮想新宿のメタバース空間で営業をしている仮想商業施設です。
「仮想伊勢丹新宿店」には、リアル店舗と同じようにファッションやコスメなどのショップが出店したり、デパ地下があります。仮想店舗で販売されている商品は実際に購入することも可能です。「仮想伊勢丹新宿店」には、いつでもどこからでもショッピングが可能であり、アバターは自分好みにファッションやヘアスタイルを変え、コーディネートを楽しむこともできます。
ANA GranWhale
「ANA GranWhale」は、スマートフォンなどの各端末からアクセスができる旅のプラットフォームです。ANAホールディングスが提供しています。
ユーザーはアバターを使用してバーチャル空間上で世界中の旅行を一人や複数人で体験したり、ショッピングセンターでの買い物やイベントへの参加も楽しんだりすることができます。さらにはバーチャルにおけるスマートシティーの実現を目指し、医療・教育・行政などのサービス展開が予定されています。
LiveStyle PARTNER
「LiveStyle PARTNER」とはWebサイトから家づくりのイメージを手伝う大和ハウス工業株式会社のWebサービスです。家づくりタイプ診断を行った上でたくさんの住宅情報から利用者の理想の生活シーンに合わせた情報を提供してくれます。
また、「LiveStyle PARTNER」の登録者は「メタバース住宅展示場」を見学することが可能で、これはスマートフォンなど各種端末から仮想空間上でアバターを用いて展示場を自由に楽しむことができます。SNSの普及や新型コロナウイルスの影響で、オンラインを活用した新しい住宅販売です。
下記より「メタバース住宅展示場:skye」を体験いただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001768.000002296.html
外観:https://studio55-production-1.shapespark.com/daiwahouse_nanba/
1階:https://studio55-production-1.shapespark.com/daiwahouse_nanba_1floor/
2階:https://studio55-production-1.shapespark.com/daiwahouse_nanba_2floor/
3階:https://studio55-production-1.shapespark.com/daiwahouse_nanba_3floor/
4階・5階:https://studio55-production-1.shapespark.com/daiwahouse_nanba_4-5floor/
構造:https://studio55-production-1.shapespark.com/daiwahouse_kouzou/
バーチャルマーケット
「バーチャルマーケット」とは仮想空間上で展示された3Dアバターや3Dモデルなどの商品の試着、鑑賞、売買が可能であり、さらには洋服や食べ物などリアルな商品も売買できる世界最大のVRイベントです。
ユーザーは仮想空間上でのキャンペーンやイベントに参加したり、Vtuberや芸能人の公式配信を楽しめたりすることができます。バーチャルマーケットは「バーチャル空間を発展させ、豊かにする」ことをコンセプトとし、現実世界だけでなく仮想空間でも生きる選択肢を与えることを目指しています。
メタバースのプラットフォーム5選
メタバースをビジネスに活用するなら、プラットフォームを利用して構築すると効率的です。メタバースを構築するためのプラットフォームとして、ここでは以下の5つを紹介します。
- VRChat(VRチャット)
- Cluster(クラスター)
- ovice(オヴィス)
- Decentraland(ディセントラランド)
- The Sandbox (ザ・サンドボックス)
それぞれを解説します。
VRChat(VRチャット)
「VRChat」は、仮想空間にアバターとしてログインし、世界中の多くの人々とコミュニケーションが取れるメタバースプラットフォームです。
今では25.000以上のコミュニティが形成されたワールドが提供され、成長を続けています。Unity SDK を使用して独自のアバターや世界の作成ができるため、アバターは人間だけでなく動物や宇宙人など自由に自身を表現でき仮想世界でのアイデンティティを試せます。
自分のワールドへ世界中の人々を招待したり、他の世界を探検したりできる、世界中の人々と交流するプラットフォームです。
Cluster(クラスター)
「Cluster(クラスター)」は日本のクラスター株式会社が開発したメタバースのプラットフォームで、スマートフォンやPC、デバイスから仮想空間入ることができ誰でも手軽に始められます。
イベントが頻繁に行われており、この記事でも紹介したバーチャル渋谷もClusterの中に作られています。また企業の要望に応じてオリジナルの会場、アバター、演出、企画~配信スタジオのオペレーションなどの請負をしてくれるため、初めての企業でもメタバースに参入しやすい取り組みとなっています。
ovice(オヴィス)
「ovice(オヴィス)」はバーチャルオフィスとしての利用に特化したメタバースのサービスです。「人々の生活から物理的制約をなくす」ことをコンセプトとし、メンバーを働く場所の制約から解放し、活発な交流を促すバーチャル空間を提供しています。
2020年から始まったサービスですが、既に利用企業数は約4.000社になり日本企業や大学など様々な組織で導入され、バーチャルオフィスを検討するには候補に入れても良いのではないでしょうか。
Decentraland(ディセントラランド)
「Decentraland(ディセントラランド)」はユーザーが所有する史上初の仮想世界で、ユーザーは仮想世界を創造、探検、取引が行えるメタバースのプラットフォームです。
ユーザーが所有する宇宙空間や中世の時代、コミュニティーメンバーで作られた村などを探検し、土地やアバターの服などを売買できます。Decentralandで創造するデジタルデータやソーシャルゲームはSDK(Software Development Kitの略で、ソフトウェア開発キットの意)を用いることでゲーム開発の経験がなくとも簡単に作成できます。
The Sandbox (ザ・サンドボックス)
「The Sandbox (ザ・サンドボックス)」は正方形のブロックがベースで作られたメタバースのプラットフォームです。マインクラフトに似た世界観の中で土地「LAND」を保有し、自身が作成したNFTを売却したり、イベントを開催したりすることで収益化もできます。
イーサリアムベースのNFTゲームであり、独自トークン「SAND」を発行しています。「SAND」で「LAND」の購入やステーキングも行えます。この記事で紹介したOasis TOKYOはThe Sandbox上の「LAND」に作成されています。日本語にも対応しているため使いやすそうです。
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企業がメタバースを活用するメリット
企業がビジネスにメタバースを活用する主なメリットは以下の3つです。
- 場所や天気、感染症などを問わずに活動できる
- 新たな集客や売上が期待できる
- 先進的な取り組みにより企業イメージがアップする
それぞれを解説します。
場所や天気、感染症などを問わずに活動できる
デジタル上の空間なので、リアルでありがちな制約を受けません。場所にとらわれないため、日本全国だけでなく世界中から自社のサービスを知ってもらうことができます。イベントを屋外でやる場合、天気によって来場者数は左右されてしまいますが、デジタル上であればその心配がありません。
また仮想空間上では直接人と人が会わないため、昨今私たちも影響を受けていた新型コロナウイルスのような感染症がまた流行ってしまったとしても問題なく活動することが可能です。
新たな集客や売上が期待できる
現実世界だけでなく仮想空間上での新しい経済圏ができ、リアルな物質だけでなく仮想空間に存在する3Dデータにも価値が生まれるため新たな売り上げが期待できます。さらに仮想空間上での新しい消費者との出会いや企業同士の出会いによって新しいビジネスも生まれるでしょう。
またメタバースの活動やPRに成功すれば仮想空間上だけではなく、現実世界でも新たな集客や売上が期待できます。
先進的な取り組みにより企業イメージがアップする
メタバースに参入する企業は増えていますが、まだまだメタバースをビジネスに取り入れていない企業が多いです。そのため、競合他社に先駆けてメタバースへ参入することで先進的な新しい取り組みが話題になり、企業イメージのアップが期待できます。
先進的なイメージによって、新たな顧客や優秀な人材の獲得にもつながる可能性があります。
企業がメタバースを活用する際の注意点
企業がメタバースを活用する際の主な注意点は以下の3つです。
- メタバースを活用する目的を明確にする
- 集客や販売のPDCAを回し続ける
- 持続可能な予算や計画を立てておく
それぞれを解説します。
メタバースを活用する目的を明確にする
企業がメタバースを活用する際の注意点として、まずメタバースのメリット・デメリットを理解し、目的を達成するためにメタバースが必要なのか確認しましょう。
目的もなく新しいことに挑戦しても失敗してしまいます。メタバースを活用することで何を達成したいのかを決めておかないと本質から外れた挑戦になってしまうため、メタバースを進めるメンバー間で目的の認識を合わせるようにしましょう。
集客や販売のPDCAを回し続ける
企業がメタバースを活用する際の注意点の二つ目は、集客や販売のPDCAを回し続けることです。新しいことへの挑戦はもちろん大切ですが、挑戦しただけで終ることがないように注意が必要です。
多くの集客や販売につなげるためには、Plan「計画を作成し問題発見や目標設定する」、Do「計画を実行する」、Check「計画から実行が効果的だったかの評価・分析をする」、Action「改善を行い次へつなげる」が必要になります。仮想空間でのビジネスはデータをもとに改善を考えられるため、現実世界のビジネスよりもPDCAを回しやすいでしょう。
データをもとにした根拠ある改善案を立て、仮説検証を繰り返していきましょう。
持続可能な予算や計画を立てておく
企業がメタバースを活用する際の最後の注意点は、持続可能な予算や計画を立てておくことです。メタバースに限ったことではありませんが、新しい挑戦はすぐに結果が出ない場合も多いです。
結果がすぐに出なくても長い目で見て挑戦が継続できるような計画や予算を組んでおきましょう。短期的な結果ばかりを求めていると、本質的な挑戦ができずに挫折する可能性が高まるからです。
挑戦を繰り返すことでメタバースを知り尽くし、使いこなすことができるようになるでしょう。
ブロックチェーン開発を行うには?
メタバースを支えている技術であるブロックチェーン開発には、専門的な技術と豊富な開発経験が必要になります。このサイトを運営しているトレードログ株式会社と株式会社リッカはブロックチェーンの開発実績が豊富にあります。
トレードログ株式会社は非金融領域のブロックチェーンコンサルタント、株式会社リッカはインフラ周りからシステム開発まで対応可能なシステム開発会社です。ブロックチェーンに関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。
株式会社リッカ
まとめ メタバースのビジネス活用について
今回は、メタバースのビジネス活用について、事例やメリット、プラットフォームなどを解説しました。
メタバースは個人のエンタメとしてはもちろん、企業や自治体などが活用しはじめています。メタバースを活用すれば、リアル世界のような制約がなく自由に表現や活動を行ったり、出会うことのなかった人たちとの交流が楽しむことができます。ビジネスにおいても、これまでになかった新たな可能性が拡がります。
個人の新しいアイデンティティーの発見や企業の新しいビジネスのチャンスがあるメタバース。メリットや活用事例を参考にして、競合他社よりも一歩先にメタバースへの参入を考えてみてはいかがでしょうか?
将来性が期待されるブロックチェーンですが、ブロックチェーン開発には独特のノウハウや注意点があります。ブロックチェーンやスマートコントラクトを活用したシステム開発は、株式会社リッカにご相談ください。
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