ペットを守るブロックチェーン技術の活用
最近では子どもを産まない代わりにペットを飼う家庭があると言われるほど、私たちの生活にとってペットの存在は身近になりました。
犬や猫など種類を問わずペットを飼う人の数が増えています。
しかしペット業界では長い間、「いのち」について議論されています。
議論の対象はペットの殺処分やペットの保健所送り、遺棄などです。
この諸問題の解決策としてマイクロチップをペットに埋め込むことで、そのペットの情報や飼い主の情報を管理できるようになり、追跡することが可能になりました。
さらに迷子のペットに関しても、位置情報やペットの特徴などをすぐに確認することができるため即座に捜索、発見につながります。
位置情報の確認などが正確でペットにも飼い主にも安全なサービスを開発しているのが、スイスのスタートアップ企業である「CogniPet」です。
この企業は犬や猫などの情報をブロックチェーンに記録することで、ペット業界における諸問題を解決することを目指しています。
「CogniPet」が開発したアプリはAIをベースとして画像認証とブロックチェーンの分散台帳の特徴によって、ペットの表情を正確に識別できるようにしました。
このシステムの具体的なメリットは以下です。
- SNSなどでの写真共有
- 血統
- 逃走、盗難のペットの捜索
写真共有することでコミュニティが構築され、システム利用の促進をすることができます。
血統に関してもブロックチェーン上に血統情報を記録すれば、飼い主は自分のペットかどうか迷ったときに、判断材料の一つとして用いることができます。
さらにペットの顔を認証していることから、逃走や盗難に関しても顔データをもとにした信憑性の高いデータを利用することで、捜索がスムーズになります。
メリットを受けるのは飼い主だけではありません。ブリーダーのための機能もあります。
- デジタル証明書
- 血統
- 所有権
ペットの情報を暗号化された状態で安全に保護し、情報の偽造を防止します。
ペットの血統情報はブロックチェーン技術で情報の偽造を防ぐ
血統情報も含めて正確に記録することによって、ブリーダーがすぐに情報を確認することができます。
そしてブリーダー自身の飼育記録もブロックチェーン上に記録することで、一部の悪質なブリーダーや販売業者による売れない犬や猫への最悪な事態を防ぐことができます。
ペットショップなどは、ペットの生年月日だけでなく死亡日なども管理することが可能となります。
さらにブリーダーや販売業者への評価もブロックチェーンの記録をもとにされることで、正しく評価される環境が構築されることも期待できます。
ブラックボックスになりがちなペットショップの飼育方法や管理体制も、ブロックチェーンを用いることで透明性が担保できます。
マイクロチップの導入でペットに関する情報管理は効率的になってきてはいますが、記録できる情報量や安全性に関しては課題が多く残っています。
その解決にブロックチェーンが重要な役割を果たし、ペット業界を支えていくかもしれません。