物流、サプライチェーンマネジメントにおけるブロックチェーンの可能性
いま、業界を問わずブロックチェーン技術が注目されています。
それは物流やサプライチェーンマネジメントの分野においても同じです。
ブロックチェーンは分散型台帳であり、記録が永久的に残るという特徴があります。
分散型台帳というのは、これまでの政府や銀行といった中央集権的な管理者がおらず、世界中のパソコンで同じデータを共有し合うということです。
さらに分散型台帳はリアルタイムで情報の管理、更新ができます。
これにより、誰かが情報の不正や改ざんを行わないかを互いにチェックし合え、高い安全性と公平性を担保することが可能です。個々のユーザーを直接つなぐダイレクトコミュニケーションもできます。
また、記録が永久的に残るので、紙媒体と違い、紛失、消滅といったリスクも防ぐことができます。
物流、サプライチェーンマネジメントにおける2つの問題
まず複雑な行程のために支払われるコスト増加です。
物流は生産者から消費者に商品が渡るまでの間、多くの、そして複雑な工程を経ています。
生産、既存のシステムではその工程ごとにデータが管理されており、何かエラーが起きた際も、どこで、どのようなエラーが発生したのか、原因究明にかなりの労力を必要とします。
また、このフローを管理会社が管理するとなると莫大なコストがかかります。
結果的に商品の値上げにつながるので、消費者が不利益を被ることになります。
次に信用問題です。
生産者、輸入者、輸出者、ドライバー、すべての信用情報を取得するとなるとかなりの時間がかかります。
ドライバーにおいては、輸送記録や安全管理などの記録がブラックボックスになりやすく、正しく配送されたかどうかも含めて曖昧です。
この2つの問題において先述したようなブロックチェーンの特徴が有用です。
既存のシステムでは管理しきれない物流工程に関して、ブロックチェーン上に記録してしまえば、有事の際に確認するのはブロックチェーンだけで済みます。
情報や状況、商品情報等をブロックチェーンで記録、管理することができ、確認できる複数ユーザーでチェックし合うことで、機械的、人的エラーを防ぐことができます。
万が一、エラーが起きたとしても、ブロックチェーン上で効率的に原因調査をすることができるので、不必要なコストは発生しません。
チェックに人的コストをかけなくてすむということは、企業にとっては大きなコスト削減につながります。
そしてそれに携わる人、企業の情報も組み込むことによって、責任所在や取引実績なども見える化され、より公正な取引が可能になります。
物流業界において、ブロックチェーン技術が導入されれば、既存の物流システムは大きく変わり、消費者にとって安全な商品が手に入ることになります。
物流産業はITやテクノロジー、ブロックチェーンと相性がよく、システム構築ができれば爆発的な利益が見込めます。
各企業が物流システムにブロックチェーン技術を取り入れることに熱い視線を注いでいます。
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