富士フイルムがカメラ部品の調達にブロックチェーンを活用する理由とは?
富士フイルムホールディングスはデジタルカメラ部品の調達管理にブロックチェーンを活用した共通プラットフォームを2023年度に導入します。
昨今の製造業では、模倣部品が流通したり部品需給が逼迫したりしてサプライチェーンの見直しが求められています。
富士フイルムはブロックチェーンを活用した共通プラットフォームを導入する事により、安定した生産・供給状態が維持できる体制の構築を目指します。
カメラ業界が抱える課題
カメラ業界では「模倣半導体」の流通が急増しています。世界的に半導体が不足しているからです。模倣半導体が紛れ込んでしまうと、不良製品を販売するリスクにさらされます。
「模倣半導体」が流通しているのは、カメラ業界だけではありません。自動車や通信機など半導体の用途は拡大しています。また、半導体メーカーは自社ブランドの毀損などの影響を受けています。
自然災害や国際情勢などの影響によるサプライチェーンの混乱によって、材料の調達不足が納期直前で判明するなどの課題もあります。
模倣半導体の流通を防ぎ、状況に応じて適切な在庫量が確保できるような体制がカメラ業界では必要になっています。
「模倣半導体」や部品供給不足を解決方法
半導体不足によって「模倣半導体」が増えているため、カメラ業界では模倣半導体が混入されないようなサプライチェーンの構築が必要になります。
また、生産・流通に関わる計画や履歴をリアルタイムで管理し、情報共有の遅れを防ぐことで、課題である情報共有の遅れによる在庫不足・在庫過剰の発生を抑えます。
この課題を解決するために、富士フイルムはブロックチェーンを活用した共通プラットフォームを導入することにしました。
なぜブロックチェーンが必要なのか
ブロックチェーンはデータの不正な書き換えが難しいため、取引情報の信頼性を担保することができます。製造の履歴を追うことができるため、模倣半導体が混入するリスクを減らすことができます。
また、データの改ざんが難しいことから、発注企業に合わせた専用ソフトの導入やライセンスなどが不要で、取引先の負担軽減につながります。
ブロックチェーンを使えば、「模倣半導体」の混入を防ぎつつ、適切な部品在庫の管理ができるようになります。
まとめ
富士フイルムはブロックチェーンを活用した共通プラットフォームを本格運用した後、対象製品を拡大することを視野に入れています。
ブロックチェーンを活用することで模倣品の混入を防ぎつつ、適切な部品在庫の管理ができるようになります。
製造業界では今後、さらにブロックチェーン技術が導入されていくでしょう。
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