ブロックチェーンを使いマットレスのリサイクルにおけるライフサイクルを明らかにする

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ブロックチェーンを使いマットレスのリサイクルにおけるライフサイクルを明らかにする

マットレスイメージ画像

Ledger Insightsは、2021年4月30日に化学メーカーのDowのポリウレタン事業がChemChainブロックチェーンを使いマットレスのリサイクルを明らかするパイロットテストを発表しました。

 

Dowの持続可能性を実現するための目的

Dowは、中長期経営計画方針で挙げた2025年の持続可能性目標を達成するためのプロジェクトの1つとして「RENUVA™ プログラム」に取り組んでいます。

RENUVA™ プログラムは、資源の利用と再利用を最適化することで、最終的に埋め立てや焼却される廃棄物の量を最小限に抑えることを目的としています。
この目的を達成するためにRenuvaマットレスのリサイクルプログラムによる循環型経済を実現しようとしています。

循環型経済の実現

RENUVA™ プログラムで取り組まれている、RENUVA™マットレスリサイクルプログラムでは、使用済みのマットレスからポリウレタンフォームを取り出し、リサイクルを行い新しいマットレスや断熱材等の様々な商品の原材料として再利用します。
2020年には、有機製剤等を扱う化学品開発会社OrrionChemicals Orgaformと共同で、使用済みのマットレスをリサイクルするための施設の開設を発表しています。

今回の発表では、ブロックチェーンプラットフォームを提供するChemChainがパイロットテストで協力することが明らかになりました。
ChemChainは、サプライチェーンに従って化学物質に関する情報を追跡することができるブロックチェーンプラットフォームを提供しており、ブロックチェーンを用いているため耐改ざん性に優れています。

さらに、ブロックチェーンのエンドツーエンド暗号化メカニズムを用いることで企業が他社には明かしたくない企業秘密を明かさずに必要な情報だけをプラットフォーム上で共有することができます。

最大の特徴として、ChemChainを利用すると、製品のメーカーは、化学物質を構成する元素や化合物などの化学成分が、それぞれどの程度の比率で含まれているかなどの化学組成に関する情報を製品に埋め込み管理することができるようになります。

そのため、リサイクルされた材料がどのくらい製品に含まれているのか等も明らかにすることができます。
さらに、化学組成情報は必要な時に、開示したい対象者へ開示することができるため、製品のコンプライアンスを保証し、消費者の信頼を獲得することができるようになります。

日本における循環経済型のプラットフォームへの取り組み

2021年4月26日には、三井化学株式会社が、日本アイ・ビー・エム株式会社とともにモノマー・ポリマー等の原材料の資源ライフサイクルにおけるトレーサビリティを明らかにするための資材循環プラットフォームの構築に向けた協働を開始したことを明らかにしています。

今回の発表では、IBM Blockchain Platformと、IBM Cloudを利用することが発表されています。

三井化学は、リサイクル原料の製造工程や検査工程、品質等の情報を明らかにすることで円滑な流通の支援を行うことや、ブロックチェーン技術を使うことでサプライチェーン全体の透明化、各ステークホルダーとの中立公平性を維持した監査業務の効率化を視野に入れていいます。

最後に

昨今の持続可能性に対する消費者や企業の関心の強さが、企業を突き動かし、活発化してきていることがパイロットテストや協業の発表から読み取ることができます。

リサイクルを行う上でリサイクル素材がどのように反映されているかを可視化、置籍できるツールとしてブロックチェーンが活用されていますが、三井化学の発表にあったように、ブロックチェーンが中立公平な監査機関として優良であることも日本のみならず世界の企業がブロックチェーンを採用されている一因かも知れません。

今後は今以上に、様々な企業が持続可能性を意識した事業運営を求められる時代になることが予想されます。それらの時流に対応する一つの技術として、ブロックチェーンが注目されています。今後も様々な事例を通して、各社のブロックチェーン採用が増え続けるかもしれません。

 

 

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