漫画や書籍などの海賊版対策を強化する法律「改正著作権法」が2020年6月5日に可決、成立しました。改正著作権法では、インターネット上の海外版対策の強化を目的とし、著作権侵害コンテンツのダウンロード違法化などが対象となりました。
コロナ禍によって自宅で過ごすことが多くなった現代では、テレビやネットで映像を視聴する回数が増えることが予想されます。それに伴い、海賊版の映画や漫画などがさらに増加する可能性が十分に考えられます。
ブロックチェーンは、耐改ざん性や追跡機能などから、海賊版による著作権侵害を防ぐことが期待されています。
ブロックチェーンによる海賊版対策の事例
Custos Media Technologiesはブロックチェーン技術と電子透かし技術を使い、海賊版からの著作権の保護を実現しています。
南アフリカのブロックチェーン開発会社Custos Media Technologiesは、配信システムや暗号通貨(ブロックチェーン)、機械学習(AI)、メディア透かし技術を開発する企業です。
Custos Media Technologiesがブロックチェーン技術によって開発した『Custos』は、特許取得技術のブロックチェーンテクノロジーとフォレンジックウォーターマーキング(電子透かし技術)を組み合わせてオンライン対策とバウンティーハンターの採用によるオフライン対策の双方からアプローチすることで、海賊版の流出を防止し安全な著作権保護を実現しています。
バウンティハンターとは、賞金稼ぎのこと。バウンティハンターは、課せられた目的を達成することで賞金を得ることができます。
電子透かし技術とブロックチェーンを組み合わせることで、情報の改ざんを不可能にするというソリューションを提供します。コンテンツが外部に流出してないかどうかを常に追跡し、ブロックチェーンにその情報を記録することができます。電子透かしは目では見えないので、コンテンツの視聴に支障はない状態で、著作権に違反した者を特定することができます。
Custosのテクノロジーとバウンティハンターの採用
Custos はコンテンツが外部に流出した場合に検出することができます。
Custos は漏洩したコンテンツを見つけ出す手段として『バウンティハンター』を採用しています。バウンティーハンターとは、犯罪者を見つける賞金稼ぎのこと。
コンテンツメディアファイルの電子透かし技術内には、暗号通貨の賞金を埋め込んでいます。そして、海賊版のコンテンツをオンライン上で発見した際には、Custosにアラートが入り、海賊版を通報したバウンティハンターに報酬が支払われ、その一連の流れはブロックチェーン上に記録されます。
さらに、プラットフォーム内でCustosの電子透かし技術が埋め込んであるコンテンツに関しては、誰が流出させたのかまでもブロックチェーンで正確に追跡することが可能となります。
Custosのエンタープライズ向けサービスについて
Custosは、デジタルメディア保護のためのエンタープライズ統合サービスとしてクライアントのビデオ、オーディオ、電子ブック、またはドキュメントの保護をしています。エンタープライズ向けのサービスなため、既存サービスにCustosをAPI連携させることで簡単に統合することができます。
そして既存のワークフローへの影響を最小限に抑えながら、メディアコンテンツの登録、割り当て、および監視を行うことができます。
Custosのブログによると、東京を拠点とするクライアントは、映画の試写会を安全に配信しているそうです。
まとめ ブロックチェーンによる著作権保護について
今回は、ブロックチェーンと電子透かし技術で海賊版コンテンツから著作権を守るCustosの事例を紹介しました。
コロナ禍によって生活環境が大きく変化しています。デジタルコンテンツの普及が加速している今の時代においては、Custosのようにブロックチェーン技術を使って著作権を守るサービスは重要視されると考えられます。
ブロックチェーンは、デジタルコンテンツの著作権保護にも活用されています。
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