生活のあらゆる場面で使用するプラスチックについて、そのリサイクル方法の見直しがされています。
今回の記事は、プラスチックリサイクル領域での新たなビジネスモデルを創りあげることで、世界の持続可能な発展に向けた資源循環型社会の実現を推進するという取り組みのご紹介になります。
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このビジネスモデルを取り入れた資源循環社会は、温室効果ガス(CO2排出量)の削減、SDGsへの貢献・取組強化を実現させます。
詳細は後ほど紹介しますが、この新たなビジネスモデルでは、プラスチックがきちんとリサイクルされているかの証明がカギとなっています。
証明にはリサイクルチェーンの可視化が必要であり、実現に向けて情報を安全に共有しつつ改ざんができないというメリットから、ブロックチェーン技術での実装がされました。
資源循環社会の実現を目指すプロジェクト
旭化成株式会社・株式会社ファミリーマート・伊藤忠商事株式会社・伊藤忠プラスチックス株式会社が、プラスチック資源循環プロジェクト「https://cehub.jp/news/asahi-kasei-ibm-japan-blue-plastic/(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy、ブルー・プラスチックス)」において、 ファミリーマート実店舗におけるPETボトルリサイクルの実証実験を実施することで合意しました。
トレーサビリティシステムのプロトタイプを用いる同実証は、2022年秋以降にファミリーマートの都内23区内の一部店舗で実施する予定です。
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BLUE Plasticsについて
BLUE Plasticsとは、旭化成株式会社が2021年度に発足させた、ブロックチェーン技術を活用したリサイクルチェーンにおけるデータ改ざんを防ぎ、トレーサビリティを担保できるプラットフォームです。
作られた背景
・再生プラスチックを利用した製品のリサイクルチェーンや、回収後の使用済みプラスチックがどのような製品に再生されたかを消費者が知れるようにしたい。
・回収されたプラスチックが同じ用途で再利用される「水平リサイクル」の推進を実現したい。
目標
・「リサイクル社会実装基盤の確立」
・「消費者を巻き込んだ文化醸成」
・「リサイクル素材利用促進」
プロジェクトの実証実験について
実証の目的
使用済みPETボトルのリサイクルチェーンの可視化が消費者の行動変容・再生プラスチックの利活用促進に与える影響を調査し、トレーサビリティの価値を検証すること。
各社の役割
・旭化成株式会社:同実証の企画設計・検証およびトレーサビリティシステム(プロトタイプ)提供
・株式会社ファミリーマート:実店舗を活用した実証実験の内容検討および実施・検証
・伊藤忠商事株式会社・伊藤忠プラスチックス株式会社:トレーサビリティシステムの社会実装に向けた支援・協業
期待されること
・トレーサビリティの価値の再確認
・プラスチック資源循環の推進
・BLUE Plasticsの目標(「リサイクル社会実装基盤の確立」「消費者を巻き込んだ文化醸成」「リサイクル素材利用促進」)の達成。
ブロックチェーン技術がリサイクルチェーンの可視化を実現
仕組み
消費者は、本実証を行うファミリーマートの店頭に設置された回収箱に、使用済みPETボトルを投入します。その際、回収箱に印字された二次元コードをスマートフォンで読み取り、投入したPETボトルの本数をアプリ上で登録します。これにより消費者は、ブロックチェーン技術のトレーサビリティによって、自分が投入したPETボトルが回収後にリサイクルチェーンのどのプロセスにあるのかを確認することができます。
このプラットフォームでは、ブロックチェーン技術を活用することでリサイクルチェーンにおけるデータ改ざんを防ぎ、トレーサビリティを担保することができます。
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まとめ
ブロックチェーン技術で再生プラスチックのリサイクルチェーンの可視化が実現されることで、「資源循環」の解像度が格段に上がることが期待されます。
プラスチックに限らず我々の生活を支えるその他の資源にもいずれ浸透していくことでしょう。
このような従来では実態を可視化・追跡することが困難であったことも、ブロックチェーン技術の発展により可能になったケースは様々な業界で見られてきており、ブロックチェーン技術はまだまだ可能性に満ちています。
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