このブロックチェーンプログラムは、IBMのFood Trustイニシアチブとウォルマートが協力して行っているプログラムです。
また、ウォルマート小規模サプライヤー(原料や部品のほか商品などを供給する業者)が、BAP(水産養殖のベストプラクティス)認証を取得するのを支援しています。
※BAP認証とは、水産養殖所、孵化場、処理工場および飼育工場において顧客を含む産業にかかわる全員に対して海産物が業界最高水準の業務によって飼育され処理されることを確証することを可能にします。
同社は、インドのアンドラプラデシュ州の水産加工業社Sandhya Aquaと一緒に、試験運用を開始しました。
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ウォルマートの支援により運用試験を開始
インドの数十億ドル規模の漁業は、ウォルマートの支援でブロックチェーン化され、インドから供給されたエビの輸送と食品安全のエンドツーエンドのトレーサビリティを提供しています。
さらに、ウォルマートは、インドの南西部にあるアンドラプラデシュ州の小規模サプライヤーがBAP認証のためのトレーニングを受けられよう資金を提供します。
また米国を本拠地とする小売大手サプライヤーStanley Pearlman Enterprisesは、アンドラプラデシュから米国の選ばれたサムズ・クラブ(Sam’s Club)まで、輸入されたエビを追跡するトレーサビリティ の運用試験を発表しました。
※サムズ・クラブ(Sam’s Club)は米ウォルマートが1983年に設立した会員制スーパーマーケットです。
同社は下記のような声明を述べました。
「エビのサプライチェーンにブロックチェーンを導入することで、コンプライアンスの目的や消費者との共有のための製品に関する情報の品質が向上し、エビの出荷からスタートして輸送までのプロセス全体に渡ってトレーサビリティのシステム運用が向上します」
このブロックチェーンの運用試験により、小規模サプライヤーは、ウォルマートの所有する会員制の小売スーパーサムズ・クラブ(Sam’s Club)による食品安全プログラムを通じて輸出が可能となります。
また、水産物のサプライヤーは、国際的に認められた標準的なBAP認証を完了する必要があります
このBAP認証の中には、高品質の水産物を生産する責任ある栽培と持続可能な水産養殖も含まれます。
Sandhya AquaのマネージングディレクターであるChowdary Kunam氏は述べました。
「このエンドツーエンドのブロックチェーン運用試験は、インドで初めてのものであり、アンドラプラデシュ州のエビ養殖コミュニティに長期的な経済的機会をもたらし、新しいスキルのトレーニングと開発を通じてファーマーに直接利益をもたらす可能性があります。」
この運用試験のために、ウォルマートは、アンドラプラデシュに本拠を置くシーフード処理加工のSandhya Aqua、および米国に本拠を置くサプライヤーStanley Pearlman Enterprisesと提携しています。
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今後のトレーサビリティブロックチェーンの運用について
ウォルマートは、2017年以降、IBM Food Trustイニシアチブの下で、ブロックチェーン技術を使用してグローバルな食品トレーサビリティを強化するためにIBMと協力しています。
IBMとウォルマートは、インドのシーフード産業に参入する前に、生鮮食品サプライチェーンの食品安全性を強化するための、いくつかのイニシアチブに既に着手しています。
同社は同じブロックチェーン技術を使用して、サムズ・ストアとウォルマート向けにすべてのグリーン野菜を調達しています。
世界規模で、水産養殖市場は2015年に1,690億ドルと評価され、年平均成長率5.3%で成長し、2022年までに2,242億ドルに達すると予想されています。
世界最大のエビの輸出国であるインドは、米国を最大の市場とみなしており、輸出総額の46%の市場シェアを誇っています。
インドは、昨年24.8万トンを超えるエビを米国に輸出し、輸出総額は21億7000万ドル相当にまでのぼりました。
このブロックチェーン技術により、サプライチェーンの透明性とトレーサビリティが確保され、両国間の取引が強化されます。ウォルマートは、ブロックチェーン技術を使用して、インドを米国のシーフードの最大供給源として位置付けようとしています。
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