海外の小売業とブロックチェーンの導入事例
今回は小売業におけるブロックチェーンの導入事例を見ていきます。
ロシアの小売最適化プラットフォーム「OSA Hybrid Platform」
既存の小売最適化プラットフォーム「OSA Hybrid Platform」というサービスがベースになっているものです。
このプロジェクトとサービスは消費者の購入意欲を満たすと同時に、小売業者の在庫管理の適正化や販売機会ロスを減少させることを目的としています。
実際に店舗の利益が30%上がったという結果も出ている、実用的なものです。
このシステムにブロックチェーン技術が用いられています。
OSA Decentralizeでは、スーパーなどの小売店や、
小売店に商品を卸すメーカーなどが常に抱える在庫量の問題をAIとブロックチェーン技術で解決しました。
小売最適化プラットフォーム「OSA Hybrid Platform」が解決した小売業界が抱える課題
小売最適化プラットフォーム「OSA Hybrid Platform」は、適正な在庫状況を記録させ、その店やメーカーにとって最適な在庫状況を提案してくれます。
これによって、食品などの商品ロスや、在庫切れなどによる販売機会ロスを減少させることができました。
さらにその在庫量の管理に関して、一つひとつ手入力の作業ではなく、商品棚を写真で撮影すれば、最新の画像認識技術によって適切な在庫量を提案してくれます。
労力、時間のコストカットにもつながるので店舗としては利益が残りやすくなります。
これだけでなく適正在庫を持つことによって、賞味期限切れによる廃棄などのロスを防ぐこともできます。
これにより、昨今問題としてあげられるフードロスや環境問題においても対策可能です。
「OSA Hybrid Platform」による消費者側のメリット
小売業者だけでなく、消費者側にもメリットがあります。
消費者にとって、商品情報の透明化はとても重要なものです。
そこでこのシステムをデジタルツールにも対応可能にし、消費者が自分のスマートフォンなどで、ブロックチェーン上に記録された商品の原材料や流通経路などを確認できるようにしました。
小売店やメーカーの利益最大化をサポートしながら、消費者に対して透明性、安全性を担保しつつ消費活動をサポートするシステムとして開発がいまもなお進んでいます。
OAS Decentralizeは小売業大手のコカ・コーラ、ロレアルなどとも提携し、実証実験を兼ねた運用を開始しています。
今後、より多くの企業と提携を組み、活用が進んでいくと見られています。
日本の小売業界とブロックチェーン技術
一方日本の小売業界においては、ユニクロなどが全商品にRFIDタグを導入し、物流から一括徹底管理を行うなど、一部で小売とIT技術との融合が見られるものの、いまだ起爆剤になるようなシステムやプラットフォームは構築されていません。
小売業の長年の課題である過剰在庫や商品廃棄、物流コストの上昇などをブロックチェーン技術を用いてクリアすることにできれば、激しい価格競争が行われている日本のマーケットで優位に立つことができます。
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