福岡県飯塚市ではブロックチェーンを活用した街づくりを推進するため、ブロックチェーンを核とした新産業創出ビジョンを策定し、ブロックチェーン技術の振興を図り、開発支援、企業・プロジェクト誘致、人材育成といったプロジェクトに取り組んでいます。
「飯塚市ブロックチェーン推進宣言」とFBAの設立
2021年11月15日に福岡県で「飯塚市ブロックチェーン推進宣言」の発出と、FBA(Fukuoka Blockchain Alliance/フクオカ・ブロックチェーン・アライアンス)の設立が発表されました。
飯塚市はこれまで九州工業大学情報工学部や近畿大学産業理工学部の大学力を生かした情報産業都市づくりに取り組み、大学生の企業支援やIT企業の誘致など情報産業の集積を行ってきましたが、情報技術に優れた知財が集まる飯塚市の特徴を最大限に生かして「産学官と連携してブロックチェーン技術を活用した街づくりを行う」とのことです。
また、設立されたFBAは飯塚市のブロックチェーン技術を核とした新産業創出ビジョンの策定を目的とした協議会である「飯塚市新産業創出産学官連携協議会」と連携し、令和4年3月までにビジョンを策定し、ブロックチェーンを核とした新産業創出の推進をサポートする組織です。
「ブロックチェーン×行政文書」による利便性、業務効率の向上
福岡県飯塚市と株式会社chaintope、株式会社ハウインターナショナル、株式会社カグヤ、Gcomホールディングス株式会社の4社がブロックチェーンを活用して行政文書に関わる各種証明書等の電子交付について実証事業を再開することを2021年12月13日に発表しました。
これまでも同社らは実証事業を実施していましたが、その際トラストサービスに関わる実証課題と運用に向けた課題の発掘及び発掘した課題の解決を進め、2022年5月に新たに実証実験を実施するとのことです。
実証実験は、飯塚市が発行する所得証明書等の行政文書についてマイナンバーカードの電子証明書を活用し、スマートフォンやタブレットにより電子申請から電子交付までの一連の行政手続きを、行政文書の電子データの真正性を担保したうえで、発行元のなりすましや文書の改ざんを防止などの信頼性を確保した電子データで発行するという内容で行われます。
トラストサービスにより「公が認証し、信頼性が確保された電子データ」の根拠技術となる電子署名やタイムスタンプといった認証技術について市民への理解を図りつつ、将来的な行政文書のデジタル発行基盤となるトラストサービスの検証を進めていくとのことです。
「ブロックチェーン×古民家」による古民家再生
福岡県飯塚市は2019年8月に心豊かな暮らしが体験できる古民家と先端IT技術の融合によるブロックチェーン技術者・企業の集積を目標に「飯塚市ブロックチェーンストリート」構想を立ち上げました。
ブロックチェーンストリート構想は、最先端の技術と日本の文化遺産を軸に世界を対象とする新しい地方創生モデルの確立を目指しており、市内に存在する古民家群を再生させ、それらをコワーキングスペースやシェアオフィス、シェアハウス、コリビング、宿泊施設として国内外のブロックチェーンエンジニアや企業が集い、連携できる環境を整える取り組みとなっています。
飯塚市の市長である片峯市長は「福岡県と力を合わせ、飯塚市のみならず福岡県が、日本そして世界のブロックチェーン技術の研究先進地域になっていくことに協力できることを飯塚市としても誇りにしたい。色々な立場の方々と力を合わせ、”飯塚市といえば”と堂々と言えるものを創っていきたい。」と話していました。
最後に
かつてエネルギーの主役であった石炭は、九州・福岡の筑豊で採掘され、一国の世界を支えた存在でしたが、これからは「世界をブロックチェーンでリードする都市・飯塚」を目指すとのことです。
こちらに記載している取り組み以外にも様々なコンテンツを創造しており、今後もユニークなコンテンツが生まれることを期待します。
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