2019年5月2日、
- マサチューセッツ工科大内の研究所であるMITメディアラボ
- ブロックチェーンを研究する団体Digital Currency Initiative
- マサチューセッツ工科大学のメディア企業が刊行する科学技術雑誌MIT Technology Review
この3団体が主催するイベントBusiness of Blockchainが開催されました。
このイベントは、ブロックチェーンで世界のビジネスをどのように変えることができるか、ということについてテクノロジー、理論、影響力の面から検討する会議です。
Business of Blockchainのイベントにおいて、米国連邦通信委員会の最高権威者であるJessica Rosenworcel氏は、「米国の技術的ライバルである中国との5Gの競争において、人工知能(AI)とブロックチェーン技術が非常に重要である」と述べました。
第5世代移動通信システム(5G)とは?
世界の通信業界は、これからの情報化社会に対応できる新たな第5世代移動通信システム(5G)の研究開発に取り組み続けています。
第5世代移動通信システム(5G)は、以下の通信技術を要求条件とされています。
- 高速・大容量化 …動画、高精細な画像など従来の1000倍の膨大なパケット量に耐えることができること
- 超多数端末接続可能 …IoT(物×物)や遠隔制御、触感通信など様々な通信方法に対応可能であること
- 超低速遅延 …従来の数十ミリ秒程度の遅延を数ミリ秒まで短くすること、無線区画の場合は1ミリ秒以下であること
- 超高信頼性 …信頼性が99.999%であること
- 省電力化・低コスト化 …情報通信技術業界の課題である電力消費増加を抑えることができる省電力化、低コスト化が可能であること
5Gで実現されることは?
現在の無線通信技術は、無線で端末とアクセスポイントをつなぐWi-Fiやワイヤレスイヤホンに使われているBluetooth、インターネットを利用するためにつなぐ携帯電話回線(4G・LTE)が存在し、それぞれ用途ごとに分けられています。
用途を分けることで干渉は避けることができますが、電波を100%効率的に使用することはできていません。
5Gテクノロジーにより、高速で無線通信接続ができるようになります。
5Gは最大20ギガビット/秒の速度が出せるため、データダウンロードの待ち時間が大幅に短縮されます。5Gスマートフォンは高品質のアプリケーションをストレスなく実行したり、映画を数秒でダウンロードしたりすることができるようになります。
また、5Gにより冷蔵庫やテレビなどの電化製品をインターネットに接続するIoT化も本格的に普及すると考えられています。
5Gにおいて米国が中国に勝つには?ブロックチェーンとAIが重要
5Gは、米国、中国を始めとして、他の国々でも多くの関心を集めています。
米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)、米国の通信事業の規制監督を行う連邦通信委員会(Federal Communications Commission)、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)でも、人工知能(AI)やブロックチェーンによる無線通信技術向上の調査が行われています。
NISTの研究者Michael Souryalは、次のように述べています。
「大量のデータを処理し、迅速に意思決定を行う必要があるワイヤレスネットワークの問題は、AIにより解決できる可能性があります。私たちが研究してきた1つの例は、リアルタイムのシグナル検出と分類のためのAIの使用です。」
韓国では5Gに対応したブロックチェーンプラットフォームを発表
2019年4月16日、韓国の大手通信企業であるKT社が第5世代移動通信システムである5Gネットワークに対応したブロックチェーンプラットフォーム[GiGAChain]を発表しました。
[GiGAChain]5Gの利用やIot端末のセキュリティ強化を目的としています。KT社は、今後の5Gの普及に伴って増加するであろう接続されたデバイス(Iot端末)のIPアドレスを見えなくするGiGAステルス技術を開発しました。
GiGAステルス技術によりハッカーはデバイスを認識できなくなり、ハッキングの防止に有効であると考えられています。
まとめ アメリカの5G通信を支えるブロックチェーンとAIの技術活用について
今回は、アメリカの5G通信を支えるブロックチェーンとAIの技術活用について解説しました。
5Gの技術開発のために人工知能(AI)やブロックチェーンの活用が進められています。
これからの5Gの時代に合わせたIoT端末のセキュリティ保護プラットフォームも開発されています。
5Gを支えるテクノロジーとして、ブロックチェーンやAIは欠かせないものになっています。
コメント