漁業におけるブロックチェーンの可能性
今回は漁業におけるブロックチェーン導入事例です。
ブロックチェーンとの融和性が見えにくい分野ではありますが、実は漁業が抱えてる諸問題のいくつかも、ブロックチェーンを使って解決できるかもしれない可能性を秘めています。
あなたは魚屋で販売されている魚を見て、いつ、どこで、誰が、どのようにして、その魚を捕獲、販売したかを知ることができるでしょうか。
もちろん事細かに記載されているものも、あるかもしれませんが、その多くは仕入れされた場所はわかるかもしれませんが、いつ、誰が、どのようにして捕獲したかまでは、知ることは難しいです。
漁業における不透明な部分にブロックチェーンの技術を使うことで、不透明性を解消することができる可能性があり、2018年にはWWF(世界自然保護資金)は米国の漁業会社、インターネットテクノロジー会社と協働し、魚がいつ、どこで、誰が、どのように捕獲したかを確認することができる、ブロックチェーンシステムを開発しました。 これにより、消費者は自分のスマートフォンを利用し、その魚の「餌」から知ることができるようになりました。
ブロックチェーンを用いて漁業の漁獲状況に透明性を持たせることで、密漁されたものであるかどうかも明らかにできる可能性を持っています。
密漁による問題は世界共通です。ブロックチェーンを用いることで業界が持つ課題を柔軟に解決できるかもしれません。
労働環境と環境配慮に透明性を持たせるブロックチェーン
ブロックチェーンは、漁業においての漁獲状況に透明性を持たせるだけではなく、働く人々の労働環境に対しても透明性を持たせることができます。
例えば、ブロックチェーン上にボートや捕獲網に関する情報を登録し、位置情報や個人情報を管理することによって、ボートや捕獲網の有無で誰が漁に出ているか判断することも可能です。
正しい勤務時間の管理や捕獲量なども全員で確認することで、労働環境の改善や正しい労働状況を効率的に把握することができるようになります。
さらにボートの稼働時間や、魚の種類と漁獲量をブロックチェーンで記録管理できるようになると、環境へ配慮した取り組みを行っているかということも見える化することができる可能性を持っています。
環境にやさしく、持続可能性を保ち、労働者も消費者も安心してサービスを提供、享受できるきっかっけ作りとなるブロックチェーンは将来的に様々な分野で導入されていくかもしれません。
コメント