これを知らずして、ブロックチェーン(システム)導入を検討するな!

目次

ブロックチェーン(システム)導入の基本

システム効率化のイメージ画像

概要

私達のこのメディアでは、ブロックチェーンの事例を多く紹介しています。そのため、自社でのブロックチェーンの活用の仕方がわからないといったお話やブロックチェーンに関わらずシステム導入についてのご相談をいただくことがよくあります。そんな悩みをもつ皆さんとディスカッションをしていく中でよくご質問される「システム導入」についての基本的な考え方をを今回は共有します。

この話は、ブロックチェーンに限らず、システムの導入を考えていくための思考法ですので、ITに詳しくない方でも必須の知識です。特に今回は最低限これだけは抑えてほしいポイントをまとめました。

 

システムの基本

システムの基本構成は、インプット → システム → アウトプットという関係で成り立ちます。

図1 システムの前提

仮に足し算のシステムを作るとします。すると足し算部分のシステムを x+y というアルゴリズムで組み開発を行ったとしましょう。

その場合は、

input:x,y → システム:x+y → output:x+yの解

という風にシステムを組むことができます。(下記図参照)

図2 足し算システムの概要図

 

下記の図は、x=5,y=10の場合の例です。

図3 足し算システムの例

実は複雑なシステムも同様に考えることができます。

つまり、システムの中にサブシステムとして、またインプット → システム → アウトプットの構成があるだけなのです。

図4 システムとサブシステムの関係

そのためシステムを考える際には、どんなアウトプットがほしいのか?それにはどんな情報が必要なのかを理解しておく必要があります。ここが明確にわかっていないとシステムを導入することはできません。

エクセルなどの表計算ソフトを例にとると、大きなシステム部分がエクセルというソフトが担い、関数はサブシステムの一部なのです。

このようにイメージしていただくとシステムが難しいものではないと思っていただけるのではないでしょうか?

システムの導入について

さて、システムの基本概念を簡単に理解していただいたところで次はシステムの導入について考えていきます。

システムの導入には、大きく分けて、パッケージかそうではないかの2つに分類されます。

パッケージの場合

パッケージの場合は、アウトプットが決まっている、あるいは一部カスタマイズできるといった仕様が一般的です。そのため、検討すべきポイントとしては、

  1. (パッケージが)期待したいアウトプット要件を満たしているか?
  2. (パッケージが)インプットに必要な項目基準を自社が満たしているか?

を検討すれば良い場合がほとんどです。

そのため、パッケージ商品の場合は検討が容易です。

最近では、SaaS系のプロダクトも世に普及したため、こちらの検討については問題がないかと思います。

パッケージではない場合

次に、パッケージではなく、オーダメイドで作っていく場合についても見ていきましょう。

オーダーメイドの場合は、

  1. 解決したい問題を何か?
  2. 解決できるためのアウトプット要件は何か?
  3. アウトプットに必要なインプット要件は何か?

をあなたが用意しないといけないのです。

なぜなら、オーダーメイドで依頼する場合の依頼先はシステム制作のプロであって、問題解決のプロではない場合が多いからです。そのため、問題解決を実行するシステムにするためには、あなたが問題解決部分を担う必要があります。

図5 パッケージではないシステム導入のあなたの役割

そのため、問題解決をするために必要なシステムを作るために、あなたがアウトプット要件とインプット要件を定義し、システム部分を開発会社に依頼しましょう。

これだけでもグッとシステム導入の失敗が減ります。

問題解決を行う初期手順

上記で紹介したように問題解決を行うのはあなたです。

そのために下記をまず最低限考えてみましょう。

  • 解決したい問題はなにか?(What)
  • なぜ解決する必要があるのか?(Why)
  • どうやって解決するのか?(How to)
     →どんなアウトプットを出すシステム?
     →そのアウトプットをだすために、どんなインプットが必要?
  • 解決するとどんなことが改善されるか?(What if)

180を超えるグローバルなブロックチェーンプロジェクトの監査を担当してきた経験からシステム開発は、開発以前の問題を定義するところで躓いている場合がほとんどです。ここを明確にできているだけであなたは一歩リードしています。

もし、問題解決の方法がわからない場合

システム会社ではない、専門性の高い第三者に助けを求めるのが良いでしょう。

なぜなら、システム会社であれば、自社で作れるシステムの中で解決策を模索するからです。

第三者であれば、問題解決に特化した話し合いを行うことが可能です。さらに似たような事例を知っている場合は、それを自社に転用して活用が可能な場合もあります。そういった問題解決に特化しているという点からも第三者の専門家へ相談することをおすすめします。

ブロックチェーン技術の導入の例

そもそもブロックチェーンとは?

当メディアで取り上げているブロックチェーンを例にあげます。

そもそもブロックチェーンとは、ブロックと呼ばれる箱の中にデータを生成し、鎖のように連結していくことによりデータを保管するデータベースのことを言います。ブロックを鎖のように繋いだ仕組みであることからブロックチェーンと言われるようになりました。

2008年にサトシ・ナカモトという人物が公表した、暗号通貨ビットコインの公開取引台帳の構想は、暗号通貨であるビットコインが信頼できる機関や中央サーバーを持たず価値を維持する仕組みで、かつ、二重取引問題を解決できるソリューションとしたデジタル通貨の仕組みでした。その根幹を支える技術がブロックチェーン技術でした。ブロックチェーン技術が生み出された当初は決済など金融分野での活用(Fintech)が目立っていました。

現在では、金融分野以外での活用が期待され、様々な企業・組織がビジネスへ実装したり、実装する前段階として実証実験(PoC)を展開しています。

例えば、非金融分野についての活動を独立行政法人情報処理推進機構が2019年12月23日に報告書を公開しています。

その他実際にビジネス実装に至った例もあります。

ぜひ、皆様の参考になれば幸いです。

失敗しないための新技術導入

当メディアが得意とするブロックチェーンの事例なども紹介しましたが、システムの基本を理解すれば、導入の失敗を防ぐことができると上述してきました。こういった話をした背景に現在DX化が叫ばれていることが挙げられます。コロナをきっかけにテレワークが普及し、DX化の勢いが加速しました。その勢いは当分とまらないことでしょう。

その中で大切なのは、実は基本を抑え直すことだと私たちは考えています。

今、日本では、デジタル化推進を掲げ、プログラミング学習の義務教育の中で取り扱うようになりました。つまり、上記で紹介したような、システムを作るための思考を当たり前にもった人材ばかりが市場に進出してくるわけです。

これからDX時代においては必ず必要な思考になるので、ぜひみなさんも活用、身につけてみてくださいね。

アイデアがあることはとてもすばらしい

本記事ではシステム概念からあなたが問題解決を図る主役であるとお伝えしましたが、実は問題解決部分まで着手できている人は少なく、アイデアを未だに持っていない方も多くいます。もし、あなたが今アイデアがあるならそれは非常に重要なアドバンテージと言えるでしょう。せっかくアイデアを持っている人は、ぜひそれを問題解決のソリューションまで進化させてください。

もし、アイデアにつまった、あるいは社内にシステムを理解できる人がいないといいう場合は第三者とディスカッションすることが、ブレイクスルーを起こす機会になると思います。

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