アリババがブロックチェーン船荷証券プロジェクトに参加

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アリババがブロックチェーン船荷証券プロジェクトに参加

船舶イメージ画像

2020年6月19日、porttechnologyは、アリババがIsrael Ports Community System(IPCSA)のBlockchain Bill of Lading initiativeに加盟し、同団体の物流を可視化するタスクフォースで新たなブロックチェーンプロジェクトに参加したことを報じました。

 

アリババが参加したブロックチェーン船荷証券プロジェクトは、物流やEコマースにおけるブロックチェーン適用の標準化と概念実証(POC)を目指したものとなっています。

 

IPCSAブロックチェーン船荷証券イニシアチブは、IPCS(Israel Ports Community System)を運営するイスラエル港湾会社が主導しており、2020年までにブロックチェーン技術を利用して、電子船荷証券を転送することを目的として、これまでにパイロット・テストをいくつも成功させています。

 

Alibaba Cainiao Network CTOのGu Xuemei氏は次のように述べています。
「電子船荷証券の転送にブロックチェーンを使用することで、サプライチェーンのすべての参加者に時間とコストの大幅な節約をもたらします。それと同時に、高いレベルでの情報セキュリティが維持され、偽造を防止することが期待されます。
さらに、アリババ・カイニアオネットワークは、業界のパートナーと協力して、物流や電子商取引のためのグローバルな標準ブロックチェーンアプリケーションを構築したいと考えています。」

 

IPCSAの事務局長であるRichard Morton氏は、ブロックチェーンを利用する利点について以下のように述べました。
「ブロックチェーンは資産を譲渡した記録や、積荷をPort Community Systems※1が保持する情報に関連付けることに置いて、大きな価値があります。
これは、船荷証券が貨物の移動中に起きるあらゆる「出来事」の事実とデータ上の情報を一致させることができる可能性があります。たとえば、貨物が船に積み込まれた、港に到着した、荷降ろしされた、税関で通関できた、またはゲートを出た、などです。これらのイベントをIPCSAブロックチェーン船荷証券と照合することにより、非常に速い情報の収集と有事の際の対応ができるなどの柔軟性を提供します。」

(※1Port Community Systems(PCS)は、IPCSAによる港湾、空港の組織で構成、運営されている複数のシステムを接続するための電子ネットプラットフォームです。)

 

IPCSA船荷証券

 

PCSAは、PCSを利用することでこれまでのサプライチェーンプロセスを90%~99%ペーパーレス化するこに成功していましたが、残りの1~10%はペーパーレス化「できていない」状況でした。

 

ペーパーレス化できていない10%の複数機関同士のやり取りを解決する手段としてブロックチェーンが選ばれました。貨物輸送業、銀行、船舶代理店、輸送事業者、港湾、税関、その他の政府機関など複数の機関がブロックチェーンを使うことで、同時にプラットフォームを利用することができる点が注目され、ブロックチェーンを使ったIPCSAプロジェクトが進められています。

 

IPCSA船荷証券は、サプライチェーンに透明性をもたらす

 

IPCSAブロックチェーン船荷証券は、サプライチェーン全体に透明性をもたらすことができます。これまで紙で行っていたものがデジタル上で行えるだけではなく、データにアクセスできるかどうかなどの権限をアクセス者に付与できたり、複数の関係者が同時に同じ台帳を確認できたりします。

また、ブロックチェーン上に記録された情報は改ざんされる可能性がきわめて低く、安全にデータを管理することが可能となります。

 

これまでどうしてもペーパーレス化できなかった部分でも、ブロックチェーンを利用することにより、安全にデータを管理した状態でのペーパーレス化を実現できる可能性があります。今回の事例のように、様々な事業や業種において、可能性が模索されています。

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