ブロックチェーンはあらゆる分野や物事においてその技術を導入することが可能で、私たちの毎日の生活を変える可能性を大いに秘めています。それは金銭、不動産、美術品、チケットなどその種類を問いません。さらには文書や画像、動画などの無形物であってもその取引記録などを永久的に残しておくことができます。
高い透明性や分散型台帳などの特徴があるブロックチェーンは事象や物事の安全性や信頼性を担保することが可能ですが、ブロックチェーンの記録自体は法的証拠として成り立つのでしょうか?
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アメリカでブロックチェーン上の記録を法的証拠とする法案が提出された
アメリカではブロックチェーン上の記録を法的証拠として取り扱えるようにする法案が多数提出されています。さらに、アメリカのフロリダ、バーモンド、アリゾナの3州ではブロックチェーンやスマートコントラクトを法的に認められるような体制を整えるための法案が提出され、議論されています。
ブロックチェーンの改ざんにおける耐久性の高さや、不正が現実的に不可能な仕組みであるということから、ブロックチェーン上の記録が証拠となりうるということです。例えば暗号資産の取引があった場合、誰が誰にいくら渡したのかを法律面でクリアにしていくことにより、暗号資産の取引や暗号資産そのものに価値や信用が生まれます。
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中国でのブロックチェーン技術を活用した法的証拠としての事例
さらに進んだ事例として中国での著作権の例があります。
SNS上に投稿された動画をめぐり、ブロックチェーンに保存された情報が証拠として利用されました。
焦点はデータの正当性や信頼性でした。
そしてこの場合、ブロックチェーン上に記載されたデータを変更することはできず、改ざんすることもできないため、証拠の信憑性や信頼性は担保されると判断されたということになります。裁判所がこの事実を受け入れ、ブロックチェーン上の記録を法的証拠として利用した中国初の事例となりました。
ブロックチェーン上の記録を法的証拠のみならず、さまざまな証明・証拠として取り扱う動きは盛んになっており、記録管理機関が不要になっていくとみられます。
第三者がいなくとも、ブロックチェーン上の記録が証拠になることによって、警察の犯罪捜査も法執行、法的処置もよりスムーズに効率的になることは間違いありません。
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