【NFTの市場規模】今後の予測とNFT活用法について

NFTが世界的に取り上げられてから数年が経ち、市場も非常に大きなものとなりました。一方ではブームは失速しているともささやかれていますが、まだまだ発展しうるものであるとも言われています。

今回は、NFT市場の歴史に焦点を当てつつ、どのような活用方法があるのか紹介をします。

この記事を読むことで、NFTの未来を垣間見ることができ、ビジネスのDX化につなげるヒントとなるかもしれません。

NFT(Non-Fungible-Token)とは:ブロックチェーン技術を利用し、デジタルアセットに普遍性と独自性をもたらすもの。日本語では「非代替性トークン」や「代替不可能なトークン」と呼ばれる。

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目次

NFTの市場規模について

NFTはこれまで様々な分野で活用され、成長してきました。

2019年~2020年まで

2019年から2020年にかけて、NFT市場は以下の通りに急成長しました。

2019年2020年
取引額約2450万ドル約8250万ドル
市場規模約1億4000万ドル約3億3800万ドル

この急成長が起きた要因として、デジタルアセットに対する新しい形の所有や価値表現手段としてNFTが注目されたことが挙げられます。

NFTは、特にアート業界で注目されました。従来のデジタルアートはデータであることから無限に複製を生成できるため、アナログ作品と比較して価値が低いと扱われていました。しかし、NFTの誕生によりデジタルアートにも唯一性を持たせることができ、アナログ作品と同等の唯一性が生まれました。

2021年は熱狂的なブームに

2019年から2020年にかけてNFTが一般の人にも注目され始め、2021年には世界中で熱狂的なブームとなりました。

2020年2021年
取引額約8250万ドル約176.9億ドル
市場規模約3億3800万ドル約442億ドル

最初はアート業界で注目を浴びたNFTですが、その後ゲームや音楽、スポーツなど様々な業界でも注目れるようになりました。

【例】

ゲーム業界
サービス名:My Cripto Heroes
概要:ヒーローと呼ばれるキャラクターやアイテムを全てNFT化しており、ゲーム内通貨で売買等を可能としたサービス
※double jump.tokyo株式会社が開発・提供するゲームで、イーサリアムベースのブロックチェーンゲームとして、取引高・取引量・DAUで世界1位を記録しました。

スポーツ業界
サービス名:NBA Top Shot
概要:NBA選手のスーパープレイをNFT化してトレーディングカードとして取引可能としたサービス。
※NBA Top Shotは2018年にローンチされたサービスですが、2021年からブームが起こり、1年ほどで7億ドルの売り上げを記録しています。

2022年~2027年まで(予測)

調査会社のMarketsandMarkets社によると、2022年から2027年の間に年平均35%のペースで市場が成長されていると予測されています。

特にゲーム業界での活用が注目されており、NFTはオンラインゲームやゲーム内資産購入にあたり、これまでにはなかった価値の創造に繋がるとされています。

【例】

プレイヤーの所有権、証明可能な希少性、不変性の促進
クロスプラットフォームにNFTを利用することで、相互接続されたゲーム間でアイテムやアバターの移動が可能となる

一例としてゲームでの活躍を上げましたが、他の業界でも当然活躍の場は広くあります。

しかし、今後制定される法律によってはこちらの予測から大きく外れるかもしれません。様々な分野で活躍できる可能性があり、世界的に注目されている技術ですが、国内でNFTの利用が制限されないかという点も注意する必要があります。

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NFTの活用法について

ここからはNFTが各分野において、どのような点で注目を浴びているか紹介します。

ゲーム、メタバース

  • 所有権の証明
    ユーザーはゲーム内アイテムやメタバースの土地の独自の所有者となることができます。
  • アイテムの売買
    プレイヤーはNFTとしてゲーム内アイテムを外部市場で交換・売買できます。
  • 異なるプラットフォーム間での使用
    NFTアイテムは複数のゲームやメタバース間で移動・使用が可能です。
  • コレクションとしての価値
    限定アイテムやレアアイテムは収集や投資の対象となります。
  • クリエイターの収益化
    開発者やアーティストはNFTを通じて作品を販売し、収益を得ることができます。
  • プレイ・トゥ・アーン
    ゲーム内の成果に応じてNFT報酬を獲得することができます。

アート、音楽

  • デジタル作品の真正性と希少性の証明
    NFTはアート作品がオリジナルであることと、その所有を証明します。
  • アーティストによる直接販売
    アーティストは仲介者なしで作品を世界中のコレクターに直接販売できます。
  • ロイヤリティの確保
    作品が再販されるたびにアーティストは売上の一部をロイヤリティとして受け取ることができます。
  • デジタルコレクタブルとしての展示
    NFTアートはデジタル空間で展示し、コレクションとしての価値を持たせることができます。

ファッション

  • 限定商品の証明
    デザイナーは限定版の服やアクセサリーをNFTとして発行し、その希少性と真正性を保証できます
  • デジタルウェアラブル
    ユーザーはメタバース内で自分のアバターに着せるデジタル服をNFTとして購入できます。
  • ブランド体験の拡張
    特別なイベントへのアクセスやカスタムメイドの体験をNFTとして提供することができます。
  • 物理的商品との連携
    物理的な商品の購入にNFTを付随させ、デジタル証明書としての役割を果たすことができます。

スポーツ

  • 記念チケット
    試合やイベントの記念チケットをNFTとして発行し、限定的な記念品としての価値を持たせます。
  • 選手のトレーディングカード
    選手の限定トレーディングカードやサイン入りグッズをNFTとして販売し、コレクター向けの市場を作ります。
  • バーチャルグッズ
    スポーツチームや選手のバーチャルグッズをNFTとして提供し、ファンがデジタル空間で所有できるようにします。
  • ファンエンゲージメント
    特別なアクセス権やファン体験をNFTとして提供し、ファンとのエンゲージメントを深めます。

デジタルID

  • 個人認証
    ユーザーの身元を証明するユニークなデジタルIDとして機能し、オンラインでの認証プロセスを強化します。
  • 所有権の証明
    物理的・デジタルの資産の所有者をNFTとして記録し、その所有者を確実に追跡できます。
  • アクセス権管理
    特定のサービスやイベントへのアクセス権をNFTとして発行し、入場許可や会員資格を管理します。

不動産

  • 所有権の証明
    不動産の所有権をデジタル化し、NFTとしてブロックチェーン上に記録します。
  • 売買の簡素化
    不動産の売買プロセスをデジタル化し、中間者を排除して取引を迅速かつ透明に行います。
  • 分割所有
    不動産を複数のNFTに分割し、より小さな単位での共有所有を可能にします。
  • メタバース内不動産
    バーチャル空間内の不動産をNFTとして販売・管理し、メタバースの経済活動に利用します。

トレーサビリティ・真贋証明

  • 製品の追跡
    製品をNFTとして登録し、製造から消費者への全過程をブロックチェーン上で追跡できます。
  • 真正性の保証
    NFTのユニークな情報を利用して、製品が正規のものであることを証明します。
  • 所有権の履歴
    製品の所有権の移転履歴をNFTに記録し、その経路を透明にします。 
  • 偽造防止
    NFTは複製が不可能なため、偽造品の流通を防ぐのに役立ちます。

NFTの注意点

最後に、NFTの注意点について紹介します。新しい価値を生み出すことが期待されているNFTですが、どんな技術でもリスクを考慮したうえで活用する必要があります。

市場の変動性と投資リスク

NFT市場は非常に変動が激しく、価格が急激に上昇または下落することがあります。特定のNFTが将来価値を持つかどうかは予測が難しく、投資として考える際には高いリスクが伴います。

本記事でも紹介しましたが、2021年にNFTはブームを迎えました。しかし、翌年2022年9月にはNFT取引は急減し、年初比で97%まで減少した過去があります。(約170億ドルあった月間取引量が4億5000万ドルに低下)

投資目的でNFTを購入する際は、リスクを理解し、無理なく投資できる範囲で行うことが重要です。また、市場の動向を常にチェックし、情報収集を怠らないようにしましょう。

セキュリティと詐欺のリスク

NFT取引はブロックチェーン上で行われますが、ユーザーのセキュリティ対策が不十分だと、詐欺やハッキングの被害に遭う可能性があります。

また、価値のない偽物のNFTを高額で販売する詐欺も存在します。

セキュリティ対策をしっかりと行い、信頼できるプラットフォームやウォレットを利用しましょう。また、購入前にNFTの真正性や価値をしっかりと調査し、詐欺に注意してください。

知的財産権と著作権の問題

NFTを購入したからといって、それに関連するアートワークやコンテンツの著作権が自動的に移転されるわけではありません。著作権の範囲や利用条件は、クリエイターが設定した契約によって異なります。

NFTを購入する際は、それに関連する知的財産権や著作権の条件をしっかりと確認し、権利の範囲を理解することが重要です。無断での複製や再販売など、権利を侵害する行為を避けましょう。

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まとめ NFTの市場規模について

今回はNFTの市場規模について紹介しました。

現状の予測では今後も伸び続けるものであるとされている技術ですが、本記事でも紹介したように法律によって成長を妨げられる可能性があるものでもあります。しかし、世界的に受け入れられることができれば、NFTは各業界で新しい価値を生み出してくれる技術であるため、今後の各国の対応等に注目をすることで、いち早く再ブームに乗ることができるかもしれません。

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