「Web3.0」時代に乗り遅れまいと、日本でも強い危機感で検討を進めている取り組みがあります。
今後のブロックチェーン活用にどのような影響があるのか注目していきましょう。
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国内最大級のフィンテックカンファレンスにてweb3.0時代へ向けた戦略発表
2022年3月29日から31日にかけて、金融庁と日本経済新聞社が2016年から共催する
国内最大級のフィンテックカンファレンスFIN/SUM 2022:Fintech Summit」が開催されました。
そのうち3月30日に行われたセッション「NFTのルール形成と市場成長 powered by EY Japan」でWEB3.0時代へ向けた戦略案発表がされました。
内容は自民党の平将明氏による講演と、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの荻生泰之氏をモデレーターとしたパネルディスカッションの2部構成です。
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「Web3.0」時代の到来に今の日本では乗り遅れると強い危機感
平氏は冒頭で、デジタル社会推進本部でNFTの特別担当になり、NFTのさまざまな課題をフォローするようになったとも語りました。
NFTだけを見ていても解決策は出ず、暗号資産、ブロックチェーン、DeFi、DAO、メタバースなどを含んだ生態系を俯瞰して見ることで解決策を作っていくという方針を立てたことを明かしました。
米国では暗号資産やブロックチェーンについて大統領令が出されるなど国家が積極的に関与していることを紹介しています。
また、Web2.0におけるGAFAのようにWeb3.0でも日本は乗り遅れるのではないかと危機感を示しました。
ブロックチェーン関連の税制が整備されていないため、日本ではブロックチェーンの起業ができないことも課題として挙げました。
「Web3.0」を成長戦略の柱にするための6つのテーマ
自民党デジタル社会推進本部 NFT政策検討プロジェクトチーム(PT)は、3月30日、「NFTホワイトペーパー(案)~ Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略 ~」を取りまとめました。
ホワイトペーパーの内容は次の6つのテーマに沿った24の論点についての提言を取りまとめたものです。
- Web3.0時代を見据えた国家戦略の策定・推進体制の構築
- NFTビジネス発展に必要な施策
- コンテンツホルダーの権利保護に必要な施策
- 利用者保護に必要な施策
- ブロックチェーンエコシステムの健全な育成に必要な施策
- 社会的法益の保護に必要な施策
平氏は6つのテーマの中でも「NFTビジネスを支えるBC(ビットコイン)エコシステムの健全な育成に必要な施策」を特に解決しないといけないと強調しました。
現時点での課題を整理
日本の税制について
現在の日本の税制は「自社発行の保有トークンに対する時価評価課税の負担が非常に重く、ビジネスの海外流出の要因に」という課題があります。
それについてホワイトペーパーでは「発行した法人が自ら保有するトークンは、期末時価評価の対象から除外し、実際に収益が発生した時点で課税するよう税制改正や取り扱いの見直しを行うべき。」と提言されていました。
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現在の法律について
現行の法律では、「第三者に対して権利侵害が主張できない」「出品されたプラットフォームでしか転売できない場合もある」といった課題があります。
これについてホワイトペーパーでは、「NFT取引を類型化し標準的な取引の内容を分かりやすく示すべき。
また、民間において取引内容を分かりやすく示す仕組みの構築を検討しており、政府としてもこうした取り組みを促すべき」と提言されていました。
この他にも「「ブロックチェーン上にコンテンツデータは保存されておらず、NFTを保有していても、そのNFTが表章するコンテンツデータを喪失するリスクがある」という課題や、著作権保護についての課題への対策が提言されていました。
マーケットプレイスについて
森川氏は、OpenSeaは世界で一番使われているが、出品の99%は買われていないと紹介し、「出せば売れるという時代は終わった」と述べました。
また、プライベートチェーンで日本だけで流通していると評価も日本に閉じてしまうため、しっかりパブリックチェーンで公開することと、そのための流通の仕組みが必要だと主張しました。
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まとめ
Web3.0は技術の発展途上にあり、具体的なサービスとしてに実装はこれからということもあり、概念が十分に浸透していないという見方も多く思えます。
そのため国の施策としては早いタイミングと感じますが、こうしたことを議題に上げることも広く概念を共有する上での重要な活動ともいえるでしょう。
今後もこうした議論が活発に行われれば、早い段階で日本でブロックチェーンを使用したビジネスが発展しやすい環境が整うことでしょう。
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