ブロックチェーンとAIは、それぞれが多くのビジネスで革新的な変化をもたらしています。この2つのテクノロジーは、それぞれがメリットや特徴を備えていますが、これらをかけ合わせることで、さらに多くの可能性が広がります。
今回は、ブロックチェーンとAIを活用するメリットを解説していきます。
この記事を読めば、ブロックチェーンとAIがビジネスにもたらすシナジー効果が理解できます。
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ブロックチェーンとAIについて
ブロックチェーンとAIを活用するメリットやシナジー効果を解説する前に、それぞれのテクノロジーについて解説します。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンとは、分散型のデータベースの一種であり、ハッシュ関数と暗号技術を用いることで、データの耐改ざん性と可用性を高める技術です。
ブロックチェーンでは、取引の履歴とデータが一定の大きさのブロックに記録されます。ブロックがいっぱいになると、新しいブロックが生成され、前のブロックとチェーン状に接続されます。この際、ブロックとブロックの接続にハッシュ関数が用いられ、ブロックの中身のデータを使ってハッシュ値を作ります。
ブロックの中身のデータが変更されるとハッシュ値が変わるため、前のブロックやその後に続くブロックとの整合性が取れなくなります。ブロックのデータを変更した上でブロックチェーンを成立させるためには、変更があったブロック以降の値もすべて変更しなければならないため、事実上データ改ざんが困難となります。
また、ブロックチェーンの取引データはすべて関係者の間で公開と保存がされているため、関係者の承認が得られなければデータを変更することはできません。
このような仕組みでデータを保存することによって、透明性が高い状態で不正な改ざんを困難にしたことが、ブロックチェーンの最大の特徴といえます。
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AI(人工知能)とは?
AIとは、人間の知能の働きを模倣するコンピュータプログラムやシステムのことをいいます。大量のデータをAIに学習させることにより、最適な判断を高速で実行したり、複雑な予測をシミュレーションしたりすることができます。
また、最近では生成AIが登場し、膨大な学習データを活用することで、新しいコンテンツ(文章や画像、音楽、プログラムなど)を作ることも可能になっています。
今後もAIはさらなる発展が期待されていて、自動運転技術や宇宙開発、気候変動予測などの大規模シミュレーションの他、工場や物流のオートメーション化、農業生産の効率向上、事務作業の効率化、家電のスマート化など、さまざまな分野に浸透しつつあります。
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ブロックチェーンとAIを組み合わせるメリットとは?
ブロックチェーンとAIはそれぞれ別のテクノロジーですが、組み合わせることで新たなイノベーションが期待できます。ブロックチェーンの信頼性とネットワークの安全性は、AIを活用する上で大きなメリットを与えます。また、AIで分析されたデータや判断をブロックチェーン上で活用することで、より安全なシステム構築が可能となります。
ブロックチェーンとAIを組み合わせることで、それぞれの特性がシナジー効果を発揮し、これまでにないイノベーションを実現できる可能性を秘めています。
ブロックチェーンとAIを組み合わせることで得られる主なメリットは以下の3つです。
- データの透明性と信頼性が高まる
- 高度なセキュリティで守られる
- 業務の効率化や自動化が実現できる
それぞれを解説します。
データの透明性と信頼性が高まる
ブロックチェーンのデータは改ざんが非常に困難であり、AIが学習や分析に使用するデータの信頼性を向上できます。AIは学習や分析に使うデータが正確であり、信頼性が高いことが求められます。AIが利用するデータに誤りがあると、AIの分析や判断にも誤りが生じる可能性が高まるからです。
ブロックチェーンに改ざん不可能な形で正しいデータを記録すれば、そのデータを活用するAIの信頼性も向上し、データの透明性も高まります。これにより、AIが判断した根拠も明確になり、AIの活用や改善のさらなる進展が期待できます。
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高度なセキュリティで守られる
AIが学習や分析に使用するデータをブロックチェーンに記録することで、データの改ざんが困難な状態になるため、安全にデータを活用できます。データが分散化されたブロックチェーンに記録することで、中央サーバーのような明確な攻撃対象がなくなり、これがサイバーセキュリティ上の有効な対策にもなります。
AIが誤ったデータに基づいて誤った動作や判断をすることも防げるため、ブロックチェーンのデータセキュリティとAIを組み合わせるメリットは非常に大きいです。
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業務の効率化や自動化が実現できる
ブロックチェーンとAIを組み合わせることで、業務の効率化や自動化が実現できるのも大きなメリットです。AIによる高度な判断や業務の省力化によって人手を介する必要がなくなるため、イノベーションが実現しやすくなります。さらにブロックチェーンのスマートコントラクトを活用すれば、一定の条件を満たした支払いや契約を自動実行することができます。
これにより、人手が介する余地が大幅に削減され、業務の効率化や自動化が進みます。不正な取引や人的ミスを減らすこともできるため、結果的に大幅なコスト削減も期待できます。
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ブロックチェーン×AIの具体的な活用ケース
ブロックチェーン×AIの具体的な活用ケースを紹介していきます。
サプライチェーン管理
ブロックチェーンで商品の追跡情報を安全かつ透明に管理しながら、AIはサプライチェーン全体のデータを分析します。これにより、需要の予測分析や効率的なルート選定、適切な在庫管理などが実現でき、サプライチェーン全体が最適化されます。
ブロックチェーンによってデータを強固に守ることができるので、サプライチェーンの強靭化にも貢献できます。
また、サプライチェーンの透明性が高まることで、国や企業を超えた巨大なサプライチェーンであっても、児童労働などの搾取によって作られた原材料や危険な偽造品の混入を防ぐことができ、安全性と信頼性の高いサプライチェーンが構築できます。
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サプライチェーンにブロックチェーンを活用するメリットや事例を紹介
ヘルスケア
患者の健康データをブロックチェーンに記録することで、不正な改ざんが防止でき、さまざまな医療機関の間で安全にデータ活用ができます。AIがそのデータを解析することによって、病気の早期発見や最適な治療計画の選定も可能になります。
例えば、ブロックチェーンによって安全に保護された患者の膨大な画像データをAIで分析することができれば、早期発見が難しい病気も見逃してしまうリスクを減らせます。
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商取引やECサイト
個々の取引データをブロックチェーンで安全に記録することができ、スマートコントラクトによって確実に取引できるようになります。AIはデータの価値や需要を分析し、より適切な価格設定や取引を促進し、取引の活性化や人的コストの削減に貢献します。
例えば、どのような商品画像や取引条件が成約率を高められるのか、どうすれば在庫管理などのコストを削減できるのかが、自動的に分析できるようになります。
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ブロックチェーンをビジネスに活用するなら
ブロックチェーンをビジネスに活用するなら、株式会社リッカにご相談ください。ブロックチェーン開発の豊富な経験とさまざまな業界へのソリューション経験があるため、貴社に最適なご提案が可能です。
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まとめ ブロックチェーンとAIを組み合わせるメリットについて
ブロックチェーンとAIの組み合わせの実装は、計画的なアプローチと複数のステップを経て成功に導くことができます。プロジェクトの計画、パートナーとの協力、パイロットテストはその主要なステップです。これらをしっかりと行うことで、ブロックチェーンとAIの力を最大限に活用することが可能です。
一方、ブロックチェーンとAIの組み合わせは、技術的な課題、法的・倫理的な問題、そしてコストとROIについて十分に考慮する必要があります。これらのリスクを理解し、適切な対策を講じるためにも、株式会社リッカにご相談ください。
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