【2024年】ブロックチェーン×IoTの国内最新事例まとめ

ブロックチェーンとIoTを組み合わせることで、これまで実現が難しかったサプライチェーンの可視化やトレーサビリティの実現が可能になります。業務効率を飛躍的に向上させるだけでなく、商品やサービスの透明性や真正性を担保することもできます。

今回は、ブロックチェーン×IoTの国内最新事例をまとめました。

この記事を読めば、ブロックチェーンを使った最新のDXトレンドをキャッチアップできます。

ブロックチェーン開発のおすすめパートナー

株式会社リッカ

<<あわせて読みたい>>

ブロックチェーンとは?分散型台帳の基礎や仕組み、セキュリティ、活用法を図解でわかりやすく解説!

目次

ブロックチェーンとIoTによる物流データのバリューチェーン化

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター、モノコトデザイン株式会社、ビヨンドブロックチェーン株式会社は、ブロックチェーンとIoTを活用したセキュアな物流プラットフォームをリリースし、一部の機能の運用を開始しました。

ますます複雑化していく物流システムは、正確さと効率化が同時に求められます。データを改ざん不能な状態にできるブロックチェーンを活用することで、食品などの安全性の担保が必要な商品のトレーサビリティを記録できます。

ブロックチェーン物流管理プラットフォームの主なメリットは以下の4つです。

  • 商品の配送の流れを一括管理できる
  • POSやWMSなどの既存システムとの連携ができる
  • コンタミネーション(異物混入)を防止できる
  • HACCPなどに適合したトレーサビリティが実現できる

ブロックチェーン物流管理プラットフォームでは、食品衛生規格であるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などを念頭に、配送ボックスの温度・湿度・開閉データなどを含む、トレーサビリティデータをブロックチェーンに記録しています。

RFIDリーダライタ、配送ボックス、スマホアプリおよび物流サーバのシステムを開発、RFID端末で収集したデータを、物流サーバにアップロードすると同時にデータを隠蔽した状態でエビデンスサーバにも書き込みます。

  1. クリティカルポイントごとに日時や場所などの情報をIoTデータと共に記録する
  2. IoTデータの真正性をブロックチェーンで検証可能にする
  3. 温度管理と封印証明などの輸送履歴をトレース可能にする

 これにより、物流データの集積が自動化・可視化され、複数の事業者が真正性を担保したデータを共有し、セキュアでオープンな物流システムを構築できました。

今後は、コンソーシアム型ブロックチェーンを活用することで、よりコストを抑えた形でデータの真正性を担保することを検討しています。また、トレーサブルなIoTデータサービスの活用により、「成長産業としての物流」、「社会インフラとしての物流」の実現を目指しています。

https://kyodonewsprwire.jp/release/202307046871

ブロックチェーンとNFCタグとの技術融合「SHIMENAWA(しめなわ)」

「SHIMENAWA(しめなわ)」は、ブロックチェーン×IoT(NFCタグ)を活用することで、「本物」であることを証明するトレーサビリティ基盤です。SBIトレーサビリティ株式会社と株式会社Uni Tagが共同で専用のNFCタグを開発し、ブランドを保護する「真贋証明」、「正規品管理(出荷先情報の紐付け)」や「開封検知」等の機能を提供します。

日本酒界カリスマEUREKA!(ユリーカ)・千葉 麻里絵 氏と「風の森」醸造元・油長酒造株式会社の共同醸造で造られた「水端1569」に採用され、消費者に「本物」を手にできる安心感や未開封品を自分で開けたという体験を提供できます。

また、消費者が、いつ、どこで、消費された、という情報が取得できるので、メーカーは商品開発や経営にデータを活用できるようになります。

今回の取り組みでは、ブランド品の日本酒に採用されましたが、この仕組みは他の食品や飲料、工芸品などの真贋証明やトレーサビリティを実現できます。ブロックチェーン基盤のCorda(コルダ)を採用し、NFC/RFID技術を組み合わせることで、作り手、商品やブランドの”こだわり”を見える化します。

これにより、「本物」である安心感とブランドの価値を高めることが可能となります。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000100112.html

https://service.sbi-shimenawa.com/

IoTデバイスの正当性をブロックチェーン技術で担保

株式会社IIJグローバルソリューションズは、2021年11月30日よりブロックチェーン技術を活用した「IoTトラストサービス™」の提供を開始しています。「IoTトラストサービス™」は、IoTデバイス管理とファームウェア更新管理機能を提供する認証プラットフォームで、デバイスの真正性を証明し、認証されたデバイスとIoTデータ収集基盤の間で安全にデータ送受信が可能になります。

IoTデバイスは、ネットワーク上に多く存在するため、なりすまし機器によるネットワーク侵入や更新されていない古いファームウェアによるIoTデバイスの乗っ取りのリスクにさらされています。

「IoTトラストサービス™」を導入することで、ネットワーク上に存在する正規のIoTデバイスに独自のIDを発行し、秘密鍵等の暗号技術で真正性を証明します。認証用公開鍵はブロックチェーン上に格納されることで、強固なセキュリティを実現し、なりすまし等を防止します。また、IoTデバイスのファームウェアも自動で更新されるので、IoTデバイスの脆弱性を攻撃されるリスクも低減できます。

https://www.iijglobal.co.jp/service/iot-trust/

https://dcross.impress.co.jp/docs/news/002999.html

環境省が推進する「J-クレジット」の認証・発行などのデジタル化

日立製作所は、2023年11月から環境省の「J-クレジット」デジタル化の実証を本格的に開始しています。「J-クレジット」とは、再生可能エネルギーの活用などによる温室効果ガスの排出削減・吸収量をカーボン・クレジットとして国が認証することで、市場での取引や報告書への活用を可能にする制度です。

今回の実証では、太陽光発電によって作られたエネルギーをIoTセンサーで計測、その発電量をもとにCO2削減量を測定し、ブロックチェーン上に記録します。このデータをもとにJクレジットを認証・発行し、カーボンクレジット市場での売買を可能にしたり、カーボンクレジットの透明性を担保したりします。

CO2などの温室効果ガスの削減を証明するには、Jクレジットによる認証が必要ですが、計測や算定、検証が人手で行われており、その管理には膨大な時間と手間を必要としていました。IoTやブロックチェーンなどの技術を活用することで、発電量のデータ収集やJクレジットの認証・発行のデジタル化と自動化が実現でき、カーボン・クレジット市場の活性化と地球温暖化防止を促進できます。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/16248/

ブロックチェーンとIoTのメリット

ブロックチェーンとIoTを組み合わせることで、主に以下の3つのメリットを享受できます。

  • IoTのデータの信頼性を高める
  • サイバー攻撃の耐性が高まる
  • 業務効率が向上する

それぞれを解説します。

IoTのデータの信頼性を高める

ブロックチェーンとIoTを組み合わせることにより、IoTデバイスから送受信されるデータの不変性と透明性が確保され、ネットワーク全体の信頼性が向上します。ブロックチェーンの強力な暗号化技術によりセキュリティが向上し、データの信頼性と機密性が確保されます。ネットワーク全体でデータが検証され、信頼性が確認されるため、IoTデータを安全かつ効果的に利用できます。

分散型台帳技術によりデータがネットワーク全体に分散保存され、中央集権的な管理がなくなるため、コスト削減効果も期待できます。

<<あわせて読みたい>>

【IoTのメリット・デメリット】活用事例やブロックチェーンによる課題解決について

サイバー攻撃の耐性が高まる

IoTデバイスから収集したデータをブロックチェーンに保存すれば、外部からの攻撃によってデータが掻き変わってしまうことを防げます。また、IoTデバイスの管理もブロックチェーンで管理すれば、乗っ取りや不正を即座に検出できるようになります。

ブロックチェーンに保存されたデータは、ネットワーク上の複数のノードに分散されます。そのため、単一の攻撃ポイントが存在せず、攻撃者が容易にデータを書き換えることはできません。また、攻撃や不正行為が即座に検知されるため、ネットワーク全体のセキュリティが向上します。

<<あわせて読みたい>>

【IoTのセキュリティ】ブロックチェーンを活用するメリットと注意点

業務効率が向上する

ブロックチェーンとIoTを組み合わせることにより、データ収集から分析が自動化され、人的ミスの削減や業務効率化が実現できます。

スマートコントラクトを利用すれば、特定の条件を満たした場合に決められたプログラムを実行できます。これにより、サプライチェーン全体の自動化が促進されるだけでなく、不正のリスクを減らすことも可能です。

企業間の取引に必要な契約や支払いを自動化できれば、取引スピードが向上して消費者からの評価を高めることもできます。また、サプライチェーン全体の業務効率が向上することで、過剰在庫を抱えるリスクや供給不足による機会損失のリスクを低減する効果も期待できます。

<<あわせて読みたい>>

サプライチェーンにブロックチェーンを活用するメリットや事例を紹介

ブロックチェーンとIoTの注意点

ブロックチェーンとIoTを組み合わせる際には、主に以下の3つの点に注意する必要があります。

  • 処理速度が低下する可能性がある
  • 基本的なセキュリティを徹底する
  • 開発経験が豊富なパートナーを選定する

それぞれを解説します。

処理速度が低下する可能性がある

ブロックチェーンとIoTを組み合わせることによって、ネットワーク全体の処理速度が低下する可能性があります。ブロックチェーンに記録されるデータは、ネットワーク内の複数のノードで承認作業が行われるため、リアルタイムで迅速な処理が難しい場合があります。ブロックチェーンの処理速度は、中央集権的なデータベースよりも遅い場合があるため、ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムの選択やデータ容量の増加に注意が必要です。また、処理速度を早くするためにブロックチェーンネットワークの電力消費量が増大し、CO2排出量が増えてしまう場合もあります。

これらの課題は、トランザクション処理の早いブロックチェーンを採用したり、コンソーシアム型のブロックチェーンを選択したりすることで解消できる可能性があります。

<<あわせて読みたい>>

【ブロックチェーンの種類とは?】違いや特徴、活用事例をわかりやすく解説

基本的なセキュリティを徹底する

データの耐改ざん性が高いブロックチェーンを導入した場合であっても、基本的なセキュリティを徹底することは非常に重要です。基本的なセキュリティに問題があると、IoTデバイスがハッキングされるリスクやブロックチェーン以外のネットワークでやりとりされるデータが改ざんされる可能性などがあるからです。

パソコンやスマートフォンなどの管理用端末のアクセス権の管理も重要です。必要最小限のアクセス権を付与し、機密情報に対する適切なアクセス権を設定しましょう。IoTデバイスのファームウェアは常に最新の状態にアップデートし、外部から脆弱性を攻撃されないように注意してください。

<<あわせて読みたい>>

サプライチェーンセキュリティとは?重要性やブロックチェーン活用のメリットを解説

開発経験が豊富なパートナーを選定する

ブロックチェーンとIoTを組み合わせるには、高度で複雑なプロセスが必要です。そのため、開発経験が豊富なパートナーを選定しましょう。ブロックチェーン開発ができるだけでなく、さまざまな業界へのソリューション経験を持つ開発パートナーが理想的です。

株式会社リッカでは、業務システムの開発領域で培った豊富な経験を活かし、ブロックチェーン開発を行っています。エンタープライズ向け3大ブロックチェーン基盤のQuorum、Corda、HyperLedger Fabricを用いて、新規アプリケーションの開発から運用保守まで、ご要望に合わせた技術支援をご提供します。  

IoTとブロックチェーンを利用したデータ共有システムの開発実績もございますので、ブロックチェーン×IoTの導入をご検討の企業さまは、株式会社リッカまでお気軽にご相談ください。

ブロックチェーン開発のおすすめパートナー

株式会社リッカ

<<あわせて読みたい>>

【ブロックチェーン開発とは?】メリットや活用法、注意点、開発事例を紹介

まとめ ブロックチェーン×IoTの国内最新事例

今回は、ブロックチェーン×IoTの国内最新事例をまとめてご紹介しました。

ブロックチェーンとIoTを組み合わせることで、IoTのデータの信頼性やサイバー攻撃の耐性を高め、業務効率の向上が可能となります。また、サプライチェーン全体の透明性や信頼性も向上し、ブランド力を高めたり、システム開発や運用にまつわるコストを削減したりする効果も期待できます。

しかし、ブロックチェーン開発には独特なノウハウが必要となるため、豊富なブロックチェーン開発の実績とさまざまな業界に対するソリューション経験を持つパートナーを選定する必要があります。

ブロックチェーン×IoTの導入でお困りの企業さまは、株式会社リッカへご相談ください。貴社の課題を解決する最適なソリューションをご提案させていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

ブロックチェーン開発のおすすめパートナー

株式会社リッカ

<<あわせて読みたい>>

【国内のブロックチェーン企業10選】特徴や強み、開発事例を紹介

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次