2018年にWEF(世界経済フォーラム)において、地球が直面している環境問題をブロックチェーンが解決する可能性があるとして、報告書が発表されました。
ブロックチェーンを活用することで、人類が直面している環境問題を解決できるとは、いったいどういうことなのでしょうか?
この記事は、ブロックチェーンの活用と環境問題について解説していきます。
ブロックチェーンが解決する環境問題とは?
今回発表された報告書では、現在の地球が直面している6つの問題に焦点が当てられました。
- 気候変動
- 大気汚染
- 自然災害
- 生物多様性の損失
- 海洋衛生の悪化
- 水不足
この6つの問題に対して、ブロックチェーン技術を活用することで解決に導く可能性があるという見解を示しています。
温室効果ガスをブロックチェーンで抑制する
温室効果ガスとは、火力発電所や工場、自動車、家庭などから排出される二酸化炭素をはじめとした地球環境にとって有害な気体のことです。
二酸化炭素などの温室効果ガスが増えると、太陽からの熱が大気中に蓄積しやすくなります。地球が徐々に暖かくなると、南極や北極にある氷河が溶け出したり、海面が膨張することによって、大気中の水蒸気が増えていきます。水蒸気は熱を吸収しやすいため、ますます地球が温暖化していきます。この負のサイクルに陥ることによって、地球温暖化は加速していくと考えられています。
WEF(世界経済フォーラム)は、温室効果ガスを抑制するために、企業や会社の排出量をブロックチェーンを用いて管理する必要があることを提言しました。
例えば、製造業者の倉庫から店頭販売までの流通をブロックチェーン技術を用いて一括管理を行えば、ムリ・ムダなく効率的に製造・販売ができ、環境破壊やエネルギー消費を抑制できるようになります。
また、ブロックチェーン技術を活用して、二酸化炭素排出量を記録、開示することができれば、製造業者はカーボンタックスを避けるためにCO2排出量を抑えるための商品開発を積極的に行うことでしょう。
二酸化炭素の排出による地球温暖化は深刻な状況ですが、ブロックチェーンを用いることで生産や流通、消費が効率化できれば、大気汚染は抑えられ環境問題解決につながっていくのです。
日本における環境問題へのブロックチェーン技術導入事例
日本においても、森林の「二酸化炭素吸収量」や「生態系の保全状況」などを明確化するためのフォレストック認定制度を高い安全性、信頼性のもと、運営、管理している会社があります。
株式会社フォレストックのフォレストック認定制度は、二酸化炭素の吸収量や生態系の保全レベルが一定以上であると、優良な森林として認定していて、「CO2クレジット」を配布しています。このクレジットで集まった資金で、認定を受けた森林での林業機械の購入や林道の整備などをすることが可能です。
環境問題にブロックチェーンを活用するメリット
ブロックチェーン技術を使えば、コストを削減しながらスピード感を持って課題を解決することができます。
日本では「2030年までにCO2などの温室効果ガスを26パーセント(2013年度比)削減する」という目標設定をしており、目標に向けた取り組みの一つとしてこの森林保護も行われています。
ブロックチェーンを活用すれば、低コストで安全性と信頼性の高いシステムを構築することができます。
国や企業、個人が行うさまざまな取引や活動がブロックチェーンによって効率的になれば、無駄なエネルギー消費が抑えられ、温室効果ガスの排出量を抑制することができます。
世界的にも環境問題は一刻も早く解決することが望ましいため、今後はブロックチェーン技術がますます重要な役割を担っていくことでしょう。
コメント