ブロックチェーンテクノロジーをリードするConsenSysは2019年5月16日、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)、そしてマイクロソフトと共同で高級ブランド業界の成長を推進するための共同プロジェクト、AURAについてのプレスリリースを発表しました。
AURAはルイ・ヴィトンが3年以上かけて検証を重ねたトレーサビリティプログラムの結果を受けて開発されたプロダクトです。
ハイブランドなどの高級産業を活性化すべく、Ethereumブロックチェーンテクノロジーに基づいたMicrosoft Azureを使用して開発されました。
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ERC721のテクノロジーを活用するAURAは、原材料やそこから作られた商品の流れのみならず、一度販売されたあとにどのように中古市場へと到達しているのかを追跡可能にします。
そのため、悪質な偽造品を排除し、高級品への信頼性を保護することが可能となります。
Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンの規格の一つ。NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を扱うための規格。代替可能とは、例えば複数枚の1円玉のように、それぞれ別物であるにもかかわらず基本的には同じ価値しか持たず、代替できるものをいいます。一方で、資産やアートなど他のものと代替できない唯一性を持つものをNFTと表現します。版画作品などは同じ版から複数枚刷られますが、その出来や刷られた時期などによってそれぞれ値段が異なることがあります。ERC721では「版画作品A」として価値を担保するのではなく、「版画作品Aの全25版あるうちの1番目に刷られた作品」としての価値を担保することが可能です。
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OEM (original equipment manufacturing)の同義語。自社で作成した製品を他社が名前やパッケージを変更した上で自社ブランドとして販売する事のできる権利をいいます。
プレスリリースの内容は以下のとおりです。
「本日、ConsenSysは、ルイ・ヴィトンとマイクロソフトとの提携により、Ethereumブロックチェーンテクノロジをベースにし、強力な商品追跡および高級ブランド業界全体にサービスを提供することを目的としたプラットフォームAURAを発表しました。AURAは、消費者が原材料から販売履歴、そして中古市場での流通状況まで、製品の歴史と高級品の信頼性の証明にアクセスすることを可能にします。
ルイ・ヴィトンやパルファム・クリスチャン・ディオールなど、LVMHグループやその他の高級グループからの追加のブランドを世界中で導入するための先進的な議論が進行中です。
ルイ・ヴィトンにとって、AURAプロジェクトの開発は3年以上前に開始されたトレーサビリティプログラム(Track&Trace)の集大成です。
高級ブランド業界には、デザイン、原材料、製造、流通といった多くの専門家が関与しています。 LVMH製品は、製品ライフサイクル全体を通してユニークなストーリーを持っています。それは、ブロックチェーン技術を使用することによって明らかにされます。
製造中、各製品は共有元帳に記録され、再現不可能な固有の情報を含みます。購入時に、消費者はブランドのアプリケーションを使用して、すべての製品情報を含むAURA証明書を受け取ることができます。
分散化された不変のブロックチェーンテクノロジーは、消費者に透明性と単一の真実の源を提供します。それは製品の信頼性を保証し、製品の起源と構成要素に関する詳細(倫理的および環境的情報を含む)、製品の手入れのための指示、そして利用可能なアフターサービスと保証サービスを提供します。」
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まとめ ルイ・ヴィトンの価値をブロックチェーンが守る
今回は、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の価値を守るためのブロックチェーン導入事例を紹介しました。
ハイブランドの信頼性を担保するために世界ではすでにブロックチェーンを積極的に導入する流れにあります。
誕生して間もないERC721規格ですが、美術品を始めとして多くの応用可能性を秘めており、これからも実用事例が増えていくことが予想されます。
ブロックチェーンは、非代替性のあるものの価値を守り、高めていくというソリューションが可能です。
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コメント
コメント一覧 (1件)
メルカリなどのフリマアプリでの売買をする若者が増えた現在、ハイブランドの信頼性を担保するためのブロックチェーン導入は良いですね。
最近話題のシェアリングエコノミーなど、CtoC市場はさらに成長していくので、期待したいと思います!