ノルウェーのサーモン養殖場は差別化のためにブロックチェーンを導入する

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ノルウェーのサーモン養殖場は差別化のためにブロックチェーンを導入する

漁業イメージ画像

ヨーロッパのビジネスニュースサイトFood&Drink Technologyで、2020年6月5日にノルウェーの養殖鮭を生産している Kvarøy Arctic は、サーモンのトレーサビリティを強化し、サプライチェーン全体の透明性を高めることで消費者の信頼を促進させるためにIBM Food Trustへ参加したことが明らかになりました。

 

サプライヤー向けブロックチェーンニュースメディアのLedger InsightsでもKvarøy Arcticの取り組みは取り上げられており、全世界の魚の生産は養殖が半分を占めている中で、添加物や化学物質、ホルモンを使用して魚を飼育しているなど問題が存在していることを指摘しました。また、魚の飼育で消毒剤としてホルムアルデヒドも使用されることがあるそうです。

そのため、魚の養殖場は養殖の過程において有害物質が含まれていないことや、環境に配慮した取り組みを行っていることはライバル企業との差別化となりますが、環境への配慮や、養殖過程の取り組みなどは魚(自体)を見てもわかることではありません。

 

このような普段では見えにくいという課題は、ブロックチェーンを用いることで解決することができます。

ブロックチェーンを用いることで、第三者はトレーサビリティを確認できる手段を得ることができ、企業側も自社商品・製品の透明性の担保に繋げることができます。

 

KvarøyArcticは、IBM Food Trustだけではなく、世界的高性能飼料メーカーのBioMarと協力して、サプライチェーンデータをブロックチェーンにアップロードしています。

ブロックチェーン上にアップロードされるデータは、使用される飼料の品質の証明、サーモンが育った生息地の人口と密度、サーモンの年齢、収穫日などで、これらは不変の記録として保存されます。

こうして記録されたデータは、米国とカナダの一部のフードマーケットの店舗やレストランなどの企業のバイヤーが、Kvarøy Arcticで生産されたサーモンの出生や育てられた飼料などトレーサビリティに関連する情報をQRコードをスキャンすることで確認できるようになります。

 

また、バイヤーはサーモンに関するトレーサビリティ情報だけではなく、Kvarøy Arcticの養殖場の画像や、動画を閲覧することができたり、どのように養殖しているのかなどを確認することができます。

 

トレーサビリティの透明化により、従来よりもバイヤーにKvarøy Arcticの品質や持続可能性に対する取り組みを知ってもらうこともできます。

 

現在、トレーサビリティを確認できるのは法人のみとなっていますが、Kvarøy Arcticは、将来的にシーフードの品質と持続可能性についての情報を提供する消費者向けのアプリも導入する予定であることを明らかにしています。

 

IBM Food Trust は昨今、様々な企業が導入を進めています。

消費者の消費トレンドや嗜好は、環境への配慮や持続可能性を持っているかどうかなど、世界的に変わりつつあります。
この環境への配慮等を証明する手段として、ブロックチェーンは大いに活躍する可能性を秘めています。

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