DNV GL、上海5つ星ホテルで公衆衛生の認証にブロックチェーンを活用
ブロックチェーンに関連する話題を取り扱うニュースサイトledgerinsightsによると、認定および認証機関DNV GLは、同社のブロックチェーンソリューションを使用しているインターコンチネンタル上海虹橋NECCホテル(以下:インターコンチネンタル)を、COVID-19パンデミックの中で、公衆衛生保護のための安全衛生プロトコルに準拠していると、認定しました。
同ホテルではMy Careと呼ばれるブロックチェーンベースの感染リスク管理ソリューションを利用しています。このブロックチェーンには、第三者機関によるホテルの衛生管理の評価が記録されます。そのデータをもとに、インターコンチネンタルに公衆衛生コンプライアンス証明書が発行されます。
証明書にはエアコンの清掃やプールの消毒、さらには部屋の清掃に使用した雑巾の一枚一枚まで、ホテルの特定のプロセスに関わる全てが正確に記録されるため、より清潔で感染リスクの低い環境作りを促進します。
ホテル業界を取り巻く環境
現在も世界中で流行している新型コロナウイルスの対策としては、マスクの着用や距離の確保、除菌・消毒などウイルスを根絶するものではなく、蔓延するのを抑制させる動きが広がっています。
それに対し、各企業がどのような対策をしているか公開したり、利用者が対策を確認したりする機会が増えています。
感染リスク管理システム
DNV GLによって開発された新型コロナウイルス感染リスク管理のためのプラットフォームMyCareは、企業の管理システム、ビジネスプロセス、業務における感染リスクの評価、管理、軽減を支援するために開発されました。顧客やその他のステークホルダーが、My Careの信頼マークに埋め込まれたQRコードをスキャンすると、評価ページにアクセスできます。そこには、企業の業務再開に必要な感染防止対策がすべて採用され、実施されているかどうか、感染予防と感染軽減を管理するためのプロセスと管理システムの状態が第三者機関によって評価されている内容を確認することができます。これらの評価はVeChainThorブロックチェーンに記録されます。感染対策を講じている証明書により利用者への信頼性を向上させることにつながります。ブロックチェーンを使用すると、感染リスク管理を徹底していることを効果的に利用者へ伝達されることを企業に保証できます。
MyCareはBMW等の有名企業が取り入れている、VeChain ToolChain Baasプラットフォームを使用して開発されています。ToolChainは、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた完全機能型ブロックチェーンソリューションです。このソリューションは、ソフトウェアアプリケーションプラットフォーム、モバイルアプリ、IoTチップやセンサー、ブロックチェーンサービスVeChainThorなどで構成されています。さらに、高いネットワークセキュリティ保護と運用・保守能力を備え、データの保存・伝送の全過程を暗号化して提供することができます。
このシステムについてDNV GL管理サービスグループ(中華圏)のカン・ウェンユ社長はこう述べています。
これが単なる証明書ではないことがわかります。これは専門的な管理システムであり、強力な仕事の記録です。病院レベルの基準やシステムを採用しており、企業のリスク管理能力を向上させ、職場復帰のリスクを軽減するとともに、ユーザーに信頼感を伝えることができます。」
第三者機関と顧客の評価がブロックチェーン上に記録されることで、企業が行う新型コロナウイルス感染防止策を可視化することができます。さらに、企業が行った新型コロナウイルス感染防止策の有効性について利用客に安全を保証をできるようになります。それゆえに、今後、ホテルだけでなくライブ会場や劇場、映画館など多くの利用客が集まる施設において活用が見込めます。
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