【ドバイの銀行】ブロックチェーンで本人確認データを安全に共有し口座開設を迅速化する

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ブロックチェーン関連のニュースサイトledgerinsightsによると、ドバイ経済開発(以下:DED)と国営銀行のエミレーツNBDは、「UAE KYC ブロックチェーンプラットフォーム」と呼ばれるKYC(Know Your Customer:本人確認)済みユーザーデータを交換できるプラットフォームの稼働を始めたと発表しました。

これにより、銀行口座の開設がスムーズになり、行政やビジネスの効率化とスピードアップが期待できます。

目次

UAE KYC ブロックチェーンプラットフォームとは?

UAE KYC ブロックチェーンプラットフォームとは?

「UAE KYC ブロックチェーンプラットフォーム」は、デジタル上で顧客情報の管理や銀行口座機能などを有し、金融機関間の本人確認済みデータを共有するものです。ドバイ国内では、すでに120の企業が加盟しています。

このプラットフォームを利用することで、リアルタイムで更新されていく顧客データを引き出すことが可能になり、銀行口座の開設が即座にできるようになります。

銀行口座を開設する場合、銀行ごとに本人データを登録したり、確認したりする手間が従来は必要です。本人も銀行も口座開設に時間がかかる上、手間やコストもかかってしまいます。

しかし、「UAE KYC ブロックチェーンプラットフォーム」で本人確認が済んでいれば、そのデータを銀行が共有することで、口座開設の時間や手間を大幅に削減できるのです。

他にもドバイ商業銀行やアブダビ商業銀行、HSBC、ラック銀行なども参加予定だと発表されました。

DEDの事業者登録・ライセンス部門の最高責任者であるオマル・ブシャハブ氏は「このプロジェクトは、金融機関によるKYCデータの共有と企業のデジタル化促進というUAE全体のエコシステムを確立する上で重要なマイルストーンとなる。デジタル化とペーパーレス化を進めるという政府のビジョンと一致している」と述べました。

ドバイは政府主導でデジタル化を推進している

ドバイは政府主導でデジタル化を推進している

ドバイでは現在、政府がデジタル化の推進を強化しています。

「UAE KYC ブロックチェーンプラットフォーム」は、UAE中央銀行や政府が支援するイノベーションプロジェクト「スマートドバイ」などの協力で進められています。

スマートドバイ」は、2021年までにドバイをスマートシティ化するロードマップです。これを実現するために、ブロックチェーンを活用した暗号資産戦略、電子政府化による行政サービスの効率化、エネルギーの最適活用など多岐にわたって検討を進めています。

今回のシステムはブロックチェーンを使ったKYC技術を開発し、スリランカ中央銀行が運営する同様のシステムにも関与しているnorblocが協力しています。

このシステムにおいてブロックチェーンはデータを安全に保管し、P2Pプロトコルを使用して当事者間で共有されます。norbloc社CEOのアスチャナックス・カナカキス氏は「UAEは、データ共有のために国を挙げてブロックチェーンベースのエコシステムを導入した世界で最初の国」と先進性を強調しました。

norblocとは

norblocとはKYCに準拠したデータ管理のための安全なプラットフォームを構築するためのシステムです。「SANCUS」、「ATLAS」、「FIDES」という3つのプラットフォームを組み合わせて、KYCデータ管理を行います。

  • 「SANCUS」は顧客の機密KYCデータをシームレスに導入、評価、管理するためのプラットフォームです。
  • 「ATLAS」は組織内で機密性の高いKYCデータを追跡・共有するためのプラットフォームです。
  • 「FIDES」は複数の組織間での外部KYCデータ共有に対応したプラットフォームです。

これらを組み合わせることで上記のようなサービスが展開できるようになるのです。元帳はHyperledger Fabricですが、EthereumおよびR3のCordaでもテストされています。

 

まとめ ドバイの銀行口座開設を迅速化するブロックチェーン活用事例について

まとめ ドバイの銀行口座開設を迅速化するブロックチェーン活用事例について

今回は、ドバイの銀行口座開設を迅速化するブロックチェーン活用事例を紹介しました。

ブロックチェーンを活用すれば、安全に顧客データを共有することができます。銀行口座の開設がスムーズになることで、ドバイのビジネススピードがますますアップしていくことでしょう。

今後は世界中でドバイのようにブロックチェーンを活用し、行政やビジネスの効率化が多岐にわたる分野で促進されていくでしょう。

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