油田関係各社が参画するブロックチェーンを活用した商業契約の条件検証プラットフォームがPoCに成功
2020年6月3日Business Wireによるリリースで、OOCオイル&ガスブロックチェーンコンソーシアムは、ブロックチェーン技術を活用したノースダコタ州とモンタナ州に位置するバッケン油田で、水の運搬に焦点を当てた最初のブロックチェーン油田パイロットの結果を発表しました。
OOC Oil & Gas Blockchain Consortiumは、Chevron、ConocoPhillips、Equinor、ExxonMobil、Hess、Marathon、Noble Energy、Pioneer Natural Resources、Repsol、Shellの10社の石油・ガス会社が加盟している団体です。
共通の問題点を解決するために、業界のバリューチェーン全体でブロックチェーンのユースケースを研究・定義しています。
ブロックチェーン油田パイロット・テストでは、産業用ブロックチェーンネットワークに特化している開発会社Data Gumboのブロックチェーン(BAAS)プラットフォーム「GumboNet™」が活用されました。
現場の情報の読み取りから、請求書の支払いまで、生産水の運搬を自動化するためのプラットフォームが実証されました。
また、油田の複数の関係者間同士で商業契約の条件を検証するためのプラットフォームが初めて使用され、大幅なコスト削減を実現しました。
従来の油田処理による、生産水および運搬の請求書発行と調整は、通常当事者間のみでしか情報は共有されず、共有手段は郵送であったり、相互運用不可能なサイロ状に格納されていることが多くありました。ブロックチェーン開発会社のData GumboによるGumboNet™は、単一のプラットフォーム上に、不変の記録方法を提供することで、当事者間のデータ共有をシームレスなものにし、透明性を高めます。
複数の関係者間のやり取りを改善するコンソーシアム型ブロックチェーンは透明性を維持しながら、リアルタイムの現金管理・正確な財務管理、契約支払いの自動化を実現し、コンソーシアムに参加した企業のコスト削減と価値の還元が期待されています。
OOCオイル&ガス・ブロックチェーンコンソーシアムの副会長であるJD Franke氏は以下のようにコメントしています。
「このパイロット・テストから得られた知見は、ブロックチェーンが石油・ガス業界のコラボレーションのための技術であり、接続されたすべての関係者に利益をもたらすことを示しています。これらの洞察を活用して、さらなる採用を促し、ブロックチェーンの重要なフレームワークとガイドラインを確立することを楽しみにしています」
コンソーシアム型のプラットフォームは、企業間のやり取りを簡潔にするだけではなく、業界全体の課題解決に役立つことが期待されています。
国内においてもコンソーシアム型のブロックチェーンは注目されており、ブロックチェーンを取り扱う企業と様々な分野の企業による業務提携が続々と増えてきています。
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