教師に支払われる年金制度をブロックチェーンで運営するPoC

教師に支払われる年金制度をブロックチェーンで運営するPoC

教育イメージ画像

6月12日バングラデシュ政府の情報通信技術省の下にあるバングラデシュでのICT関連の活動を奨励し、支援する法的機関の Bangladesh Computer Council(BCC)とIBMはブロックチェーンテクノロジーを活用して小学校の教師の電子年金システムの効率を高める概念実証(PoC)を発表しました。

このプロジェクトは、ブロックチェーン技術を活用したPoCを通じて、バングラデシュの学校の年金制度に透明性と安全性をもたらすことを目指しています。

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教師が退職をした際には、年金が支払われる仕組みが存在しています。

しかし既存の支払いシステムでは、人為的なミスや、サイバー犯罪により教員に関する個人情報が漏洩される危険がありました。

BCCは、学校の教師の年金システムの透明性とセキュリティを向上させるために、年金情報の保存と管理にIBM CloudのIBM Blockchain Platformを使用するPoCを導入しました。

電子年金システムをブロックチェーンベースで構築し、分散型台帳技術(DLT)上で情報の管理をおこなうことにより、データの透明性、セキュリティ強化、耐改ざん性が望めます。さらにブロックチェーンのスマートコントラクトで支払い処理を自動化することも可能になることも考えれます。

電子年金システムでは、サイバー攻撃から情報を守るために、対象の教師や、その他の利害関係者など特定の人しか確認できないように許可制のプラットフォームを構築することで年金情報を保護します。

今回のPoCの目的は、教員の年金情報をDLTへ記録、管理を行い、台帳を確認できる権限範囲についての設定を行った上で、不正アクセスを防ぎ、登録された教師が正しく年金の支払いを受け取ることができるかどうかを確認します。

電子年金システムのセキュリティを保護するDLTは、教師の個人データ(勤務時間、給与、生年月日など)を不正アクセスから守るだけではなく、年金支給に関する情報に透明性を持たせることで、教師に対して正しく支払いが行われているかどうかの真正性も保証します。

将来的に年金を受け取る側の教師が利用する際には、WEBまたはモバイルアプリを介して、自らの年金記録へのアクセスを実現する予定です。

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電子システムについて

電子年金システムのPoCは、バングラデシュ国立デジタルアーキテクチャ(BNDA)チームの開発者によって提案されました。

現在、電子年金システムチームは、元BNDA開発者、教育の専門家、およびいくつかのIBMブロックチェーンエンジニアで構成されています。

BCCのチームは、IBMブロックチェーンプラットフォームの豊富な開発環境を活用して、約3か月でPoCを作成しました。エンジニアチームは、IBMブロックチェーン環境を引き続き使用して、ソリューションを更にバージョンアップさせる予定です。

BCCのエグゼクティブディレクターであるParthapratim Debは次のように述べています。

「ソリューションが公開されると、教師はウェブまたはモバイルアプリを介してプロフィールと年金記録にアクセスできます。分散型台帳は、BNDAチームが管理する共有ミドルウェアプラットフォームであるNational e-Service Busを通じて他の政府システムにリンクします。」

(National e-Service Busはソフトウェア駆動型のミドルウェアプラットフォームであり、オンラインサービス、省庁、部局の情報とデータの共有を可能にするための規定を維持しながら開発されており、相互運用性とエンドユーザーが簡単にアクセスできるようになっています。)

電子年金システムのPoCが順調に進めば、今後は政府機関などでもそれに追随する動きが見られる可能性が大いにあります。

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