プラスチックリサイクルの持続可能性を証明するためにブロックチェーンを活用【RecycleGOの事例】

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2020年8月10日、リサイクル企業のRecycleGOがブロックチェーンテクノロジーを利用して、リサイクルサプライチェーンに透明性と信頼性をもたらすことに成功したことを発表しました

目次

リサイクルソリューションが注目されている

リサイクルソリューションが注目されている

SDGs(持続可能な開発目標)の関心度の高まりによって、リサイクルソリューションに対するニーズが高まっています。

持続可能性やリサイクルソリューションが注目されている理由は、プラスチックの生産量が増加していることと、そして生産されたプラスチックがゴミとなり自然環境に流出してしまっているからです。

世界では年間4億トンのプラスチックが生産されており、2050年までに倍増すると予測されています(UNEP. SINGLE-USE PLASTICS: A Roadmap for Sustainability. 2018.)。日本では、1,100万トンに達していると言われています(国立研究開発法人化学技術振興機構

さらに、世界経済フォーラムによると、プラスチックの40%は埋めたてられ、さらに32%が自然環境に流出していると言われてます。

このままでは地球がプラスチックゴミで埋もれてしまうことになります。実際に海洋に流れ出たプラスチックゴミは、既に1億5,000万トン、そしてさらに少なくとも年間800万トンのプラスチックゴミが、新たに流入していると推定されています。

今、世界で起きている「海洋プラスチック」の問題(WWFジャパン)
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html

プラスチックを削減したり、効率的にリサイクルすることが、SDGsを達成するために必要となっています。

リサイクルのサプライチェーンをブロックチェーンで明らかにする

RecycleGOは、リサイクルサプライチェーンと物流管理システムの融合によりSDGsの達成を支援します。

RecycleGOは、リサイクルプロセスにおける商用車用のルートの可視化やGPS追跡を使用したリアルタイムの追跡、地図ダッシュボード、自動請求システムなどの機能が含まれているモバイルツールです。このプラットフォームは、ブロックチェーンがベースとなっています。

このプロジェクトでは、ビジネス向けのブロックチェーンプラットフォームを展開しているDeepDive Technology Groupのテクノロジーが使われています。

DeepDive Technology Groupは分散型台帳技術、ID管理システム、人工知能、デジタルビジネスモデルやスマート分析を専門としています。その中でも、ビジネス向けのブロックチェーンプラットフォームに特化しており、医療現場における健康管理やスマートシティ、政府へのサービス、サプライチェーンなどに対してサービスを提供しています。

RecycleGOは、DeepDive Technology Groupと提携し、サプライチェーンに透明性をもたらします。サービスプロバイダー側の資産計画に対してリサイクルの状況がより具体的に把握でき、SDGsに対して取り組みを証明する手段としても有効に活用できます。

消費者に対しては、商品のサプライチェーンへの透明性を高め、可視化することで、リサイクルに貢献している商品であることをアピールできます。環境意識の高い消費者の購買決定に影響を与えることも可能です。

 

RecycleGOのCEOである Stan Chenは以下のように説明しています。「サプライチェーンの可視性が高まれば、価格決定や購買決定、在庫管理など、企業の資産計画に携わることが可能になり、それが利幅の保護、ひいては全体としての価値創造に直接的な影響を与えます」

 

RecycleGOの活用方法

RecycleGOの活用方法

リサイクルサプライチェーンと物流管理システムの機能を持つRecycleGOプラットフォームは、企業が持続可能性に貢献していることを証明できます。

RecycleGOは、企業が出すリサイクル可能な廃棄物の運搬フローや運転しているドライバーの移動に関する情報をリアルタイムにブロックチェーン台帳に記録します。さらに収集された廃棄物が新たなリサイクル商品となった場合、その過程はすべてブロックチェーン上に記録され、RecycleGOのアプリケーションを通じてリサイクル過程を確認することが可能となります。

また、廃棄物をリサイクルに出した企業は、廃棄物がどのくらいリサイクルできたか、廃棄物ゼロへの取り組みについての進捗についてなど、様々なリサイクルに関することを証明するデータをRecycleGOのプラットフォームから利用することができます。

RecycleGOのデータを活用すれば、SDGsの取り組みをどのくらい行っているのかを第三者に証明することができます。

まとめ ブロックチェーンを活用してプラスチックリサイクルの持続可能性を証明する

まとめ ブロックチェーンを活用してプラスチックリサイクルの持続可能性を証明する

今回はプラスチックリサイクルの持続可能性をブロックチェーンで証明するRecycleGOの事例を紹介しました。

このプロジェクトの第1段階では、特定のプラスチックボトルの作成、収集、原材料の形態への変換、製造元への出荷から、別のプラスチックを製造するまでの全履歴を特定できます。

 

第1段階だけでもサプライチェーンの最適化により15~20%の節約ができると期待されています。同時に、有名ブランドの生産者はRecycleGOのデータを利用すれば、SDGsへの貢献度合いを証明できるので企業のブランドイメージを高めることができます。

SDGsへの世界的取り組みが求められている今、リサイクルのサプライチェーンを見える化するサービスは、有名ブランドを中心に注目される可能性が非常に高いと考えられます。国内においてもリサイクルに関する取り組みをブロックチェーンで可視化するプロジェクトは増えてくるかもしれません。

 

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