液化天然ガスをブロックチェーンでワンストップ管理するプロジェクトを実施

Shanghai GasとVechainが液化天然ガスをブロックチェーンでワンストップ管理するプロジェクトを実施

エネルギー業イメージ画像

中国の国有企業であるShenergy Group Company Limitedの完全子会社で、天然ガスや液体ガスを製造、流通販売をしているShanghai Gas Group Co.Ltdは、ブロックチェーン開発会社Vechainとブロックチェーンを活用したエネルギープロジェクトを開発しています。

 

Shanghai Gas Group Co.Ltd(以下Shanghai Gas )とVechainは、2018年からパートナーシップを締結しています。

このパートナーシップの目的はビジネスプロセスの最適化、運用コストを削減、サプライチェーンの効率を向上させ、トラストレスなEnergy-As-a-Serviceエコシステムを構築することです。

 

液化天然ガス(LNG)を管理するソリューションのパイロット実施成功

以下 液化天然ガスはLNGと表記

Shanghai Gasは、Vecahinと、中国で最大のエネルギー販売業者の一つENN Energy Holdings Limitedの3社が共同計画した、LNG貯蔵・流通センターのLNG管理ソリューションのパイロット運用を2018年に実施しています。

このパイロットプロジェクトが成功した結果から、ブロックチェーン技術の高いコスト削減率を鑑みて、提携をより一層強化することが決定されました。

天然ガス市場の需要の増加に潜む課題

 

LNGは、費用対効果の高さと環境への優しさからエネルギー市場において、需要が高まっています。国際エネルギー機関(IEA)が発表した2019年レポートによれば、天然ガスの世界的な需要に関して、中国は主要国の1つとされています。

こうした天然ガス市場の需要増加を背景として、中国の国家発展改革委員会(NDRC)は、20171月、天然ガス市場の改革と国際的なエネルギーネットワークの構築の促進を強化するエネルギー開発に関する135か年計画を発表しました。

 

 しかし、天然ガス業界のステークホルダー間の情報共有の欠如から、価格管理の規制緩和、第三者からの公正なアクセス、販売チャネルからのエネルギーインフラストラクチャの分離が困難となっていました。

 

そのため、取引プロセス、セキュリティ上の問題、需給の不均衡の問題を解決するための、透明性のある価格決定メカニズムが、必要不可欠となっています。

ブロックチェーンの採用が追い風の中国で天然ガス市場の透明性を高める

 

中国政府は、20191024日にエネルギー産業におけるブロックチェーン技術の重要性を強調し、「イノベーションから実アプリケーションへ」という流れを加速させています。政府の要請という追い風を受け、中国のビジネス、企業、政府間でブロックチェーンの採用に対しての関心が高まっています。

 

Shanghai Gasも追い風を受け、上海エネルギー市場の90%以上を占めるプレイヤーとして、ブロックチェーンテクノロジーを活用することで、市場の革新を目指します。 

 

パイロットから次の段階へ

Shanghai GasはVeChainとのパイロットが成功したことを機に、次の段階に移行しています。

プロジェクトの第一段階では、ワンストップのBaaSデータプラットフォームであるVeChain ToolChain™を利用してLNG配送情報と品質を示す貯蔵タンクのコンポーネント情報が収集され、VeChainThorブロックチェーンにデータがアップロードされます。

このプロジェクトにおいてVeChain ToolChain™は、サプライチェーンにおけるステークホルダー同士の情報共有の障壁を大幅に排除し、製品プロセスに透明性を持たせ、液化天然ガスのリスク管理を実現するデータベースを提供します。

 

 将来的には、サプライチェーンのすべてのステークホルダーを巻き込み、ブロックチェーンベースのエネルギーエコシステム構築を最大限活かしていく予定です。

COVID-19の流行でも進行中、求められるDX

 

リモート下で業務を遂行できるようにするために、クラウドやブロックチェーンベースのサービスなどの新しいテクノロジーを統合する、デジタルトランスフォーメーション(DX)に対する需要が高くなっています。Shanghai GasはこのCOVID-19による影響がある期間中もブロックチェーンプラットフォームによりオンラインで事業活動を維持できるようになり、完全なデジタルトランスフォーメーション・ロードマップの基盤として機能しています。

 

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