トライベッカ映画祭で上映され、数々の映画祭で受賞した心理ホラー映画『BRAID』 は、暗号資産から資金提供を受けた初の長編映画です。
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暗号資産によって資金提供された最初の長編映画
資金調達や資金繰りはインディースやインデペンデント系の映画の製作において必ず衝突する壁です。
近年ではKickstarterに代表されるようなクラウド・ファンディングなどを用いて出資を募ることも一般的になってきましたが、クラウド・ファンディングの場合には寄付と同様、見返りを得ることができません。
もちろん出資者は納得した上で出資をし、純粋に映画製作を応援しますが、善意に頼るだけのビジネスモデルで多額の金額を調達し続けることは困難です。
また、伝統的なスタジオシステムに倣ってスタジオに売り込みをかけた場合にはもう一つの壁があります。
創造的な自由を奪われることです。
投資家や出資者、スタジオなどの意向によりおこる著名人の出演の強要や脚本の切り刻み、編集への介入などがこれにあたります。
BRAIDの監督であるMitzi Peirone氏はこの問題を解決するために立ち上がりました。
クラウド・ファンディングで資金を調達した映画は後に何億円もの収益を上げることもありますが、その収益の一部が資金提供者に分配されるのであれば提供者もより前向きに資金提供を行える時代がやってくるでしょう。
BRAIDのチームはブロックチェーンプラットフォームの一つであるEthereumを活用し、140万ドルの資金調達を目標に独自のトークンを発行しました。トークンは映画が収益を上げた際の分配金を受け取るためのチケットの役目を果たし、興行による将来の利益の30%を比例配分する権利を付与しました。
この新しい試みによってチームは目標金額を2週間で達成し、最終的には1,250万ドルの調達に成功し、映画製作だけでなく様々な映画祭への出品やロードショーのための費用や、渡航費を捻出することができました。
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またBRAIDの投資家は今後も、劇場公開、テレビ放送、およびビデオオンデマンド/ペイパービュー、インターネット(SVODストリーミング(Netflix/Hulu/Amazon等)のあらゆる形態の配給、展覧会などを含む、BRAIDによって生み出される利益の公平な分配を得ていきます。
BRAIDチームは今後の展開について以下のようにコメントを寄せています。
プロジェクトチームは今後、収益性と芸術性の高いインディーズ映画制作業界を創設することを考えています。
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