質の高い教育と学びの機会をブロックチェーンが創出する!

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誰もが簡単に教育を受けられるように

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載されたSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標の中の一つとして発表されたのが「教育」です。
「誰もが質の高い教育を受けられること」という目標はたしかに人類の継続的発展のために大切な要素ですが、教育に関する機会均等化には現在でも様々な障害が存在する現実があります。
質の高い教育とその機会を提供するために各所多くの努力がされていますが、ブロックチェーン技術を用いてこの問題に取り組むプロジェクトがEDNです。

プロジェクトを進めるのは教育分野でのイノベーションに挑戦する株式会社ソニー・グローバルエデュケーションです。
ソニー・グローバルエデュケーションは「誰もが簡単に教育を受けられるように、誰もが競い合い、学び合えるように、従来のアプリケーションやサービスの枠組みを超えたグローバル仕様の教育サービスを提供して、新たなインフラを創造すること」をそのミッションとして2015年に設立した後、2016年にブロックチェーンによる学習到達・活動記録のオープン化技術を発表しました。
このプロジェクトの目的は、個人の学習到達度や学習活動記録などのデータを特定の二者間で暗号化された形で安全に利用することを可能することです。
個人が試験機関で受けた試験の結果を、希望に応じて別の評価機関に安全に提供したり、同じ試験結果を異なる複数の機関が評価できるようになります。

2017年には、ブロックチェーン技術による教育データの認証、共有、権限管理システムを開発し、世界規模で算数の思考力を測定するコンテストである「GLOBAL MATH CHALLENGE」(世界算数)試験結果をブロックチェーンに記録し、成績証明書として発行しました。

2018年10月には、ソニー、ソニー・ミュージックエンタテイメント、ソニー・グローバルエデュケーションの3社で、ブロックチェーン基盤を活用したデジタルコンテンツの権利情報処理システムを開発したと発表することで、教科書や問題集などの教材、学習者が作った教育コンテンツなどをブロックチェーンで保護を視野に入れています。

ブロックチェーンを活用した教育データネットワークEDN

EDNの特徴は「教育データの非中央集権化」「教育データの信頼性向上」で、学習データの管理を特定のベンダーに依存しない設計であることや、学習者が学習データの公開先をアクセスコントロールで選択可能な点です。

ベンダーとは?
ブロックチェーンのサービスを提供する運営者や企業などのことを指す。
ブロックチェーンの特徴の一つとして開発者や運営者以外にも多くのノード(ネットワークを構成する端末や機器)が存在することで、特定ベンダーの独自技術に大きく依存した製品(ベンダーロックイン)を回避することができる。

EDNの3機能

EDNが提供するのは以下の3機能です。

  • ①学位・成績証明書など貴重な学籍情報を記録するデータサービス
  • ②学習に関するあらゆる情報が格納されるユニバーサルデータストア
  • ③教材などのコンテンツの権利情報を保証するプラットフォーム

つまりEDNでは、試験結果がブロックチェーンに管理され、第三者はアプリケーションを通して試験結果を確認する事ができますが、点数などの実データをアクセス権を付与されたものに限って確認することのできるブロックチェーンで管理するため個人情報の厳格な取扱が可能になります。
また、教材を作成する人やコンテンツを保護するために、教材などの著作権に関して重要になる作成日をタイムスタンプを管理するサーバーと連携することでブロックチェーンに保存する機能も実装されています。

EDNは生涯に渡って教育を受ける人々と、教育の場を提供する人々をつなぎ合わせて保護し、継続的な発展に寄与するためのプロジェクトです。
教育は双方が継続的に続けてゆく事のできる環境を育まなければ継続しません。
提供する側と受け取る側双方の発展を支え、それが世界規模にまで拡大していくことで、多くの人々に教育の機会を創出することのできる可能性があります。

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