2020年8月25日、ブロックチェーン開発会社のEverledgerは、中国最大のECサイトであるJD.com、および米国宝石学会(GIA)と提携したことを発表しました。
この提携の目的は、ダイヤモンドの真正性を証明できるブロックチェーンソリューションをECサイトで実装することで、オンライン上で購入するダイヤモンドの信頼性を高めることとなっています。
コロナ禍によるダイヤモンド市場の変化
コロナ禍以前は、ダイヤモンドは対面での販売が主流でした。しかし、COVID-19による影響で対面での販売が激減し、ダイヤモンドをオンラインを通じて買うという転換が余儀なくされています。
ところが、オンラインを使った購入は、ダイヤモンドが本物かどうか確認することが、対面で購入する時よりも困難となります。
今回の提携で、ダイヤモンドの真正性をオンライン上で証明できるようになります。
ダイヤモンド業界に強いEverledger
Everledgerは様々な業界にブロックチェーンソリューションを提供しています。ダイヤモンド業界においては、世界第2位のダイヤモンド採掘業者であるALROSAなどと強いパートナー関係を結んでいます。
今回の提携先である米国宝石学会(GIA)は、ダイヤモンド認証の世界的権威とされています。
このパートナー関係により、Everledgerのダイヤモンドに関するブロックチェーンソリューションは確固たるものとなっています。
EverledgerJC.comとGIAの提携
この提携により、GIAダイヤモンドの持つグレーディングレポート(ダイヤモンドの鑑定書)情報を記録管理するEverledgerのブロックチェーンプラットフォームと、JD.com独自の偽造防止・追跡ブロックチェーンプラットフォームJDchainの2つをつなぐシステムが共同開発されました。
この共同開発により、ダイヤモンドが本物かどうか消費者が確認できるようになります。
スマートフォンのアプリケーションやWEBのサイトを使うことで、ダイヤモンドの鑑定証明書と出所情報が消費者に提供されます。
オンラインで買うダイヤモンドの真正性を証明する
JD.comとの協力により、ダイヤモンド鑑定書の詐欺を抑制することが期待されています。JD.comのプラットフォームではサプライチェーン上の製品を追跡することで偽造を防止する機能を持っており、同じダイヤモンドのレポートが重複して使用されていることを特定し、不正な製品を確実に排除することが可能となります。
また、JD.comは消費者に対して不正行為や詐欺行為を回避する方法などについて解説するライブストリームの公開も計画しており、消費者側の教育も行うことが予定されています。
Everledgerの最高執行責任者であるChris Taylor氏は次のように述べています。
「Eコマースの成長を考えると、ダイヤモンド市場においての詐欺行為は悪影響が及びます。最先端のブロックチェーンをもたらすことでテクノロジー、オンライン・ラグジュアリー・ショッピング、そしてGIAのゴールド・スタンダード・グレーディングの専門知識が一緒になることで、JD.comは、安全で信頼できる情報にアクセスすることができます。」
まとめ ブロックチェーンによる真正性を証明について
今回は、ブロックチェーンによるダイヤモンドの真正性証明について解説しました。
Everledgerは偽造品を抑制するためのソリューションの提供を様々な業界に対して行っています。以前、当サイトでもEverledgerのワインについての事例を紹介しました。
コロナ禍による影響で、高級品の対面販売機会が減少してくる可能性がある現代では、Everledgerのダイヤモンドに関するソリューションや、ECサイトの真正性の証明が重要になってくると考えられます。
ブロックチェーンは真正性の証明により、ビジネスの安全・安心を守りながら、新しい時代への変化を加速させていきます。
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