航空業界がブロックチェーンベースのヘルスアプリケーションを提供開始

航空業界がブロックチェーンベースのヘルスアプリケーションを提供開始

空港イメージ画像

COVID-19の影響で、外出の自粛や連休でも旅行を控えたり、企業が出張を自粛する動きが続いているため、全日空・日本航空の国内線は需要の低下で減便を余儀なくされています。

 

このような状況下で、2020年6月に航空機用のシステムを提供するGE Aviationは、COVID-19の影響を受け、航空業界向けのヘルスアプリケーションIDを提供開始しました。

 

世界最大級の総合電機メーカーのGeneral Electric Company(GE)のインストラクチャー事業部門であるGE Aviationは、航空機用の統合システムを提供する世界有数のプロバイダーです。

ヘルスアプリケーションIDはブロックチェーン技術を応用して安全な航空機を使った旅行を実現し、乗客の信頼回復を目的としています。

ヘルスアプリケーションIDには、Microsoft Azureが使われており、航空会社、空港、業界団体との間でPoCが行われています。

このアプリケーションは、Microsoft Azure Blockchain Serviceと関連技術を使用して、安全性の高い環境で乗客の身元情報、チケット情報、健康状態の結果などを搭乗プロセスに埋め込むためのプロトコルを作成しています。これにより、従業員、乗客双方の健康状態を明らかに、航空機の安全性を確かなものにすることができます。

Azure Blockchain Serviceは、コンソーシアム ブロックチェーン ネットワークの形成、管理を簡略化することができる、ブロックチェーンベースのサービスです。
コンソーシアムに関して、フルノードの管理を実現し、メンバーの追加等により、コンソーシアムが大規模化になった場合でも、容易に管理することができます。
また、ブロックチェーン データ マネージャーを使用してエンドツーエンドのソリューションを作成することができ、柔軟性のあるアプリケーションの統合も可能としています。

GE Aviationのデジタルグループの最高商業責任者 Andrew Coleman氏は次のように述べています。
「このアプリケーションは、航空会社や空港の従業員がCOVID-19のスクリーニングを受け、同乗者がチェックされていることを確認するのに役立ち、我々の業界における緊急のニーズに対応しています。」

ヘルスアプリケーションID

ヘルスアプリケーションIDの特徴は3つです。

  • 従業員管理:安全な職場復帰を促進するためにスクリーニングする。
  • 旅客管理:責任を持って安全に航空機に搭乗できるように乗客をスクリーニングする。
  • オブジェクトコントロール:航空機内の物を消毒した状態にすることで、利用者からの信頼性高めることができる。

このソリューションにより、航空会社や空港、関連する輸送オペレーションエリアに対して、COVID-19の影響下に合う検査体制を設けることで顧客や従業員の健康状態を確認することが可能になります。

個人情報と検査結果はブロックチェーン上で暗号化されて保護され、コンソーシアム機能によりアクセスは指定された航空会社の従業員と乗客のみが可能です。

さらに、このアプリケーションは柔軟性を持っており科学の発展や規制が強化した際に、その発展に合わせてプロトコルを構築することができるようになっているため、航空会社が瞬時に状況に適応できるように作られています。このアプリケーションを航空会社に提供することで、より多くの人が飛行機に乗り始めることができ、業界は再構築を始めることができます。

 

航空業界は世界的にも厳しい状況に立たされていますが、今回の従業員と乗客の健康に関する管理サービスのような取り組みは、国内でも必要とされているかもしれません。

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