ブロックチェーンとセキュリティ強度を高めた、IoT機器のデータ活用
2021年2月5日に、台湾のブロックチェーンソリューション提供会社のInternational Trust Machines Corporation(ITM)は、Microsoft及び、台湾の半導体メーカーMediaTekと協力し、エンタープライズ向けのソリューションを開発しました。
概要
ITMは、MicrosoftおよびMediaTekと協力して、台湾最大の電力会社であるTaiPowerのために、スマートメーターにより計測された太陽光発電データを記録するためのソリューションを開発しました。
スマートメーター;電力の計測機能と通信機能を持つ電子電量計
ITMは、IoTデバイスにブロックチェーン機能を導入することで、あらゆるものに接続されたIoTデバイスによって計測された大量のデータに対して、耐改ざん性をもたらします。
IoTデバイスと紐づくデータの耐改ざん性を強化し、真正性を確保、データのやり取りを自動化することで、企業やその企業のクライアントからの信頼を確保し、業務効率を改善します。
IoTのセキュリティを維持し、ブロックチェーンでデータを検証する
共同開発されたソリューションは、Microsoft Azure Sphereと互換性のあるMediaTekのIoT用のセキュリティを向上させるメモリコントロールユニットを利用し、TaiPowerのスマートメーターによって収集されたデータをブロックチェーン上に記録、保管します。
スマートメーターは、Azure Sphereセキュリティクラウドサービスに自動的に接続され、非常に高いレベルのセキュリティを維持しながら、真正性のある再生可能エネルギーデータをブロックチェーン上に記録、管理することができます。
また、企業間でデータの検証や確認を行う際には、各企業とデータの往復が必要となり、時間と手間が掛かってしまう場合がありました。
ITMによるソリューションの提供する、セキュリティ上保護されたIoTデバイスによって生成されたデータを耐改ざん性のあるブロックチェーンの共通台帳に送信し、データの検証、認証を自動で行うメカニズムを組み込むことで時間と手間を削減しています。
ITMのCEO、Julian Chen氏は次のように述べています。
「現在のCOVID-19による世界的感染拡大により、オフィスで働く人々の移動やコミュニケーションに混乱が広がっています。ITMはブロックチェーンテクノロジーを使用して、データの説明責任を確保し、サードパーティによる検証の必要性を減らします。監査プロセスは機械によって自動的に実行されるため、サプライチェーン参加者間のデータ交換をスピードアップします。」
Microsoft IoTアジアのGeneral managerのNicoleDenil氏は次のように述べています。
「ITMのエッジコンピューティングソリューションは、接続されたデバイスをより安全で信頼性の高いものにします。ブロックチェーン上では、データは単一のhash関数を用いて記録、検証が行われ、数百万のデータトランザクションを登録することができます。ITMのテクノロジーはIoTデバイスに特化しており、遅延の問題を引き起こすことなく、大量のデータを処理できます。」
最後に
IoTにブロックチェーンを活用してセキュリティを高めることで、IoT機器から収集するデータに対してのセキュリティを高い状態で維持したまま、安全に真正性のあるデータを蓄積し、事業に活用することが可能となります。
ブロックチェーン上の分散台帳機能を利用し、1つの台帳を共有、検証することでデータのやり取りをシームレスなものとして効率化することに繋がります。
IoTを使ったブロックチェーン事例
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