『ブロックチェーンによってマーケティングが変わるの?』
『マーケティングにブロックチェーンを活用するメリットは?』
ブロックチェーンの活用は、ビットコインなどの金融部門に限定されません。あらゆる業界のボトルネックを解消する可能性に満ちています。その中でも、マーケティングにおけるブロックチェーンの活用は、今後のビジネスに大きな変革をもたらすと考えられます。
そこで今回は、ブロックチェーンによってマーケティングがどのような影響を受け、どのように変化していくのか、メリットや注意点などを解説していきます。
この記事を読めば、ブロックチェーンによって変化するマーケティングの未来が理解できます。
株式会社リッカ
<<あわせて読みたい>>
【ブロックチェーンの7つのメリット】デメリットもわかりやすく解説
ブロックチェーンを活用したマーケティングとは?
ブロックチェーンは、新しいインターネットの概念であるWeb3を構成する技術です。ブロックチェーンを活用することで、高い耐改ざん性や透明性を実現したり、利便性の向上やコスト削減が期待できます。
企業のマーケティングにブロックチェーンを活用すれば、顧客に新しい価値や体験を提供することができたり、集客や売上を向上させたりすることができます。
例えば、製品やサービスが正規品であることを証明するトレーサビリティを提供できれば、顧客の安心感や信頼感をさらに高めることができます。
これにより、ブランドの価値をより高め、顧客との信頼関係が強化され、新たなファンの創出や既存客の囲い込みができます。
トレーサビリティによるブランド価値の向上事例
トレードログ、ザ・ギンザ向けにIoT連携ブロックチェーンツール「YUBIKIRI」の本番提供を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000059080.html
<<あわせて読みたい>>
【トレーサビリティとは?】わかりやすく簡単に解説!その意味や必要性、メリットについて
ブロックチェーンを活用したマーケティングによって、顧客に対して新たなアプローチができるようになります。それが企業への信頼感や評価を高めることに繋がり、結果的に売上の向上にも寄与します。
ブロックチェーンがマーケティングに活用されるようになったのには理由があります。現在のマーケティングには、解決しなければならない課題があるからです。
次に現代のマーケティングにおける課題について解説していきます。
<<あわせて読みたい>>
【ブロックチェーンの仕組みとは?】特徴や基礎をわかりやすく解説
現代のマーケティングにどんな課題があるのか?
現代のマーケティングにはさまざまな課題があります。現在のインターネットはWeb2.0といわれるプラットフォーマーが中央集権的なサービスを提供する形態となっています。中央集権的であるがゆえに発生している主な課題は以下の通りです。
- 顧客の個人情報や行動情報が不正に利用される可能性
- 情報が歪曲されたり、不正に操作される可能性
- 中間業者が入ることによるコストアップ
それぞれを解説します。
顧客の個人情報や行動情報が不正に利用される可能性
現代のマーケティングでは、顧客の個人情報や行動情報が不正に利用される可能性があります。大企業やプラットフォーマーが大量の個人情報を抱えているからです。
インターネットの登場以来、マーケティングは大きな変化を遂げてきました。インターネットのアクセス解析によって、顧客の個人情報や行動情報をもとにした根拠のある戦略の立案ができるようになったからです。
従来のテレビや新聞、雑誌といったマスメディアを使うことなく、インターネットを活用すれば、企業のアイディアや努力次第で効率的な顧客へのアプローチが可能になりました。年齢や性別、住所、過去の購買履歴をもとに広告を配信すれば、広告を無駄打ちすることなく効率的な集客ができるようになります。
また、顧客の閲覧履歴をもとに関連商品をアピールすれば、購入率を大きくアップさせることも可能となります。顧客からアンケートや口コミを集め、それをレポートやレビューとして活用すれば、顧客への有益な情報提供も可能です。
一方、顧客は自身の個人情報や行動情報が企業のマーケティングに利用されているという不安を抱えています。個人情報の流出事件が起きてしまったり、見知らぬ企業から突然ダイレクトメールが来たりして不安を感じたことがある顧客も多いのではないでしょうか。
総務省が実施したアンケートによれば、インターネット利用時には、『個人情報やインターネット閲覧履歴の漏えい』に不安を感じる人がもっとも多いという結果になっています。
インターネット利用時に感じる不安の内容(複数回答)
大企業やプラットフォーマーは大量の個人情報や行動情報を保有しています。そのデータを活用することで、新しいサービスを開発したり、顧客ごとに最適化された精度の高い広告を配信したりしています。
こうして大企業やプラットフォーマーが巨万の富を築いたとしても、その根源となるデータを提供した顧客にはほとんど見返りはありません。むしろ、個人情報が流出したり、不正に横流しできる状態です。
こうした売り手と買い手との間の「情報の非対称性」を「ブランディング」と誇る時代が長らく続きましたが、近年はそういった手法は「不正の温床」や「不透明」であると顧客から敬遠されるようになっています。
情報が歪曲されたり、不正に操作される可能性
現代のマーケティングでは、情報が歪曲されたり、不正に操作される可能性があります。企業やプラットフォーマーがデータを保有しているため、情報を改ざんしたりコントロールしたりできる立場にあるからです。
インターネットの発展により顧客の利便性は大きく向上しました。いまはスマートフォンがあれば、あらゆる情報を閲覧したり、買い物をしたり、コミュニケーションを楽しんだりできます。顧客にとっては非常にメリットが大きい側面もありますが、情報が操作されたり歪曲されるリスクをもたらしています。
実際にFacebookでは「ケンブリッジ・アナリティカ問題」が起きており、米国の大統領選挙の結果やイギリスのEU離脱に大きな影響を与えた可能性が指摘されています。
ケンブリッジ・アナリティカ問題とは?
2016年6月に実施されたイギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票や、2016年11月に実施されたアメリカ合衆国大統領選挙において、いずれも勝者側が利用した選挙コンサルティング会社として注目された。しかし一方で効果を疑問視する声があり、さらにデータ収集や広告の手法についてプライバシーや情報操作の懸念も指摘されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AB
中央集権的な大企業やプラットフォーマーは、情報を意図的に歪曲したり改ざんしたりできる可能性を秘めているという実態があります。
例えば、実際にはあまり評判の良くないお店やホテルであっても、それらを紹介するポータルサイトで上位表示されていれば、人気や評判が高いサービスであるかのように思えてしまうかもしれません。
また、特定の国や文化、人物に対するネガティブな情報がSNSなどで優先的に表示されていた場合、ユーザーの印象が実際とは異なるものへと塗り替えられてしまうかもしれません。
現代のマーケティングにおいても、顧客の印象を操作したり、誤解を与えたりする可能性があります。このような可能性があるため、不安を抱え続けている顧客も多いようです。
総務省が実施したアンケートによれば、インターネット利用時に『不安を感じる』、『どちらかといえば不安を感じる』と回答した割合が71.8%にも達しています。現代においては、多くの人がインターネットの利用時に何らかの不安を感じるようになっています。
インターネット利用時に不安を感じる人の割合
インターネットの登場によって、企業や顧客は利便性や収益などの多くの恩恵を受けてきました。一方で、情報を意のままにコントロールできる可能性を持った大企業やプラットフォーマーの存在によって、私たちの生活やビジネスは大きな影響を受けることにもなっています。
情報の不正利用や改ざんが意図しない形で行われ、それがマーケティングに活用され、その結果として私たちの行動や未来が誰かの意のままに操られるとしたら、そこはかとない怖さを感じる方も多いのではないでしょうか。
そのため、よりオープンで公正な新しいインターネットの仕組みや信頼できるマーケティングが求められつつあります。
中間業者が入ることによるコストアップ
現代のマーケティングでは、中間業者が入ることによるコストアップが課題となっています。
インターネットを活用した集客や広告では、プラットフォーマーや広告代理店を経由して施策を行うことが多いです。中間業者が入ることにより、信頼性の高いサービスを受けることができたり、確実に契約を実行できたりするというメリットがあります。利便性やコストパフォーマンスが高い場合も多いですが、中間業者に支払うマージンも高くなりがちです。
中央集権的であるがゆえに、中間業者がどんなに莫大な利益を確保しようとも、市場原理によって適正な価格に調整されることはほとんどありません。本来であれば顧客が享受すべき利益を、中間業者が搾取できてしまう状況にあります。
中間業者を使わずに、より多くの顧客と企業が直接アプローチできれば、さらなるコストダウンが実現できます。サービスを提供する企業の利益を押し上げたり、顧客への還元を増やせる可能性も高まります。
以上のような理由から、現代のマーケティングに課題を感じる人が増えているのです。こうした課題を解決できるのが、ブロックチェーンを活用したマーケティングです。次にマーケティングにブロックチェーンを活用するメリットを解説します。
<<あわせて読みたい>>
ブロックチェーンとは?分散型台帳の基礎や仕組み、セキュリティ、活用法を図解でわかりやすく解説!
マーケティングにブロックチェーンを活用するメリット
マーケティングにブロックチェーンを活用する主なメリットは以下の3つです。
- 企業と顧客がダイレクトに繋がりを持てる
- コストが削減し、業務効率が向上する
- 世界に向けてマネタイズできる
それぞれを解説します。
企業と顧客がダイレクトに繋がりを持てる
マーケティングにブロックチェーンを活用する1つ目のメリットは、企業と顧客がダイレクトに繋がりを持てるということです。
ブロックチェーンは中央サーバーを持たない分散型のネットワークです。ネットワークの参加者はP2P通信で繋がる対等な関係性であり、個人情報を明らかにせずともデジタルウォレットを活用することでさまざまなサービスを利用できます。
顧客は個人を特定される心配がなく、また自分が提供する情報も自分で選ぶことができるため、自身の情報を不正に利用されたり改ざんされたりする心配がありません。また、企業が発行するトークンを通じてコミュニティに参加し、企業の活動やブランドを応援することもできます。
マーケティングにブロックチェーンを活用すれば、従来よりも顧客の秘匿性を保ったり、より深い関係性を安全に構築することが可能になります。信頼性や安全性の高さから、企業と顧客はダイレクトな繋がりを持ちやすくなるのです。
<<あわせて読みたい>>
【中央集権型のデメリット/分散型のメリット】ブロックチェーンの活用事例をわかりやすく解説
コストが削減し、業務効率が向上する
マーケティングにブロックチェーンを活用する2つ目のメリットは、コストが削減し、業務効率が向上するということです。
マーケティングにブロックチェーンを活用すれば、スマートコントラクトによって確実な契約の実行ができます。中間業者に手数料を支払ったり、クレジットカード会社の決済システムを利用する必要がないため、手数料などのコストを削減できます。顧客の利便性も高まるため、これまで以上に高い満足度を提供することもできます。
従来であれば商品やサービスの購入には中間業者が間に入ったり、クレジット会社に決済を代行してもらう必要がありました。不特定多数の顧客から直接お金をやり取りするのはリスクが高く、銀行振り込みなどを利用すれば決済スピードも遅くなるため、全体的なビジネスのパフォーマンスが低下してしまうからです。
しかし、中間業者や決済会社を挟むことで手数料が発生します。販売価格が高くなってしまったり、企業の利益が減ってしまったりします。
ブロックチェーンを活用すれば、企業と顧客の決済はスマートコントラクトによって自動化できます。企業と顧客の間はトラストレスで繋がることができるため、顧客が購入を決めると同時にブロックチェーンによって決済が処理され、所定のサービスが確実に提供されます。
企業は支払いの遅延を心配する必要がなく、顧客はすぐさま商品やサービスを手にすることができます。中間業者に支払っていた手数料が必要無くなるため、販売価格が下がったり企業の利益が増えたりします。
顧客の満足度を高めることができるため、評判が高まったりリピート購入が増えたりして、マーケティングにも良い影響を与えることができます。
<<あわせて読みたい>>
スマートコントラクトとは?メリットや活用事例、注意点をわかりやすく解説
世界に向けてマネタイズできる
マーケティングにブロックチェーンを活用する3つ目のメリットは、世界に向けてマネタイズができるということです。
ブロックチェーンのトークンを活用すれば、世界中で自社の商品やサービスを決済することができます。世界共通で使えるトークンなら、外貨を両替したり、高いコストを支払って海外に送金することなく、世界中の人々を顧客にすることができます。
従来であれば、進出する国や地域にあわせて決済サービスを提供する必要がありました。そのため海外に対応するための手間やコストが膨大になり、採算が合わなかったり、維持が難しかったりしました。
しかし、ブロックチェーンを活用すれば世界共通で使えるブロックチェーンのトークンで一本化できます。これにより、低いコストと少ない手間で世界に向けてビジネスを展開しやすくなります。
マーケティングにブロックチェーンを活用すれば、世界を相手にビジネスを展開でき、非常に大きなチャンスを掴める可能性があります。
マーケティングにブロックチェーンを活用するメリットは非常に大きいです。一方、注意すべき点もあるため、次にブロックチェーン活用時の注意点を解説していきます。
<<あわせて読みたい>>
【ブロックチェーンのトークンとは?】種類や違いをわかりやすく解説
マーケティングにブロックチェーンを活用する際の注意点
マーケティングにブロックチェーンを活用するための注意点は以下の3つです。
- 基本的なセキュリティ対策を万全にする
- 環境負荷へ配慮する
- ブロックチェーンの特性を理解する
それぞれを解説します。
基本的なセキュリティ対策を万全にする
ブロックチェーンは耐改ざん性が高く、セキュリティに強いシステムです。しかし、マーケティングの業務は幅が広いため、ブロックチェーン周辺で動くアプリケーションやブロックチェーンとは関係のない部分でのセキュリティ対策は極めて重要です。
ID・パスワードやユーザー権限の管理、ウイルス対策などの一般的なセキュリティ対策を万全にするとともに、特に秘密鍵については厳重な管理が求められます。
<<あわせて読みたい>>
【ブロックチェーンのセキュリティ】安全性や弱点、対策を徹底解説
環境負荷へ配慮する
ブロックチェーンは環境負荷が高いというイメージが強いです。実際にビットコインのブロックチェーンでは、マイニングに膨大な電力を消費するため、CO2の排出量がたびたび問題視されています。
米国の暗号資産の活動は、約25~50 Mt CO2/yを発生させていると推定され、米国の温室効果ガス総排出量の0.4~0.8%に相当する。これは、米国の鉄道で使用されているディーゼル燃料からの排出量とほぼ同じである。
国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
すべてのブロックチェーンネットワークが膨大なCO2を発生させるわけではありませんが、環境への影響を配慮した企業の取り組みをしっかりとアピールしたり、ブロックチェーン活用前後の環境への影響をベンチマークしたりすることも大切です。
<<あわせて読みたい>>
ブロックチェーンのマイニングとは?仕組みや必要性、マイニングの種類を徹底解説
ブロックチェーンの特性を理解する
ブロックチェーンをマーケティング業務に活用するには、独特のノウハウやシステム開発のスキルが必要です。自社単体でこの特性を理解するよりも、優れたパートナーと協業する方が効率的なビジネス展開が実現できます。
しかし、マーケティングとブロックチェーン開発の両方に知見のあるベンダーは多くありません。トレードログ株式会社と株式会社リッカは、多くのブロックチェーン開発を手掛けつつ、企業のマーケティングにも精通しています。
マーケティングにおけるブロックチェーン活用を検討してみたいという方は、ぜひトレードログ株式会社または株式会社リッカにお問い合わせください。
株式会社リッカ
<<あわせて読みたい>>
【ブロックチェーン開発とは?】メリットや活用法、注意点、開発事例を紹介
まとめ マーケティングにブロックチェーンを活用するメリットや注意点について
今回はマーケティングにおけるブロックチェーン活用について解説しました。
マーケティングにブロックチェーンを活用することで、現在の課題の多くが解決されます。特に企業と顧客の関係性が強化されることで、より大きな集客や売上が期待できる点は注目です。
一方、ブロックチェーン活用には独特のノウハウがあり、マーケティングとブロックチェーン開発の両方に精通したベンダーはまだまだ多くありません。
マーケティングにブロックチェーンを活用し、ライバル企業よりも一歩先行く施策を打ちたいとお考えの方は、トレードログ株式会社または株式会社リッカにご相談ください。
ブロックチェーン開発とマーケティング支援の高い実績がありますので、貴社に最適なプランや戦略をご提案いたします。
株式会社リッカ
コメント