コンパニオンアニマルカルチャーに求められるアニマルID、登録は鼻?

犬の本人確認 イメージ画像

中国では、ペットを家族の一員とみなす家庭が増えています。

一人っ子政策や兄弟の代わりとしてペットを飼う家庭、独身の間に寂しさを埋める役割として飼う人などが増えてきているためと言われています。

<<あわせて読みたい>>

【ブロックチェーンの7つのメリット】デメリットもわかりやすく解説

目次

広がり続けるコンパニオンアニマルカルチャー

中国のペット市場は、約2兆3千億円の巨大市場となっています。隣国の韓国でもペット市場の人気は高まっており、コンパニオンアニマル関連の産業は、食品、グッズ、健康、医療、保険と拡大し非常に活気にあふれています。

コンパニオンアニマルカルチャーの拡大により、中国では飼い犬に対してのしつけの状態を判断し、飼い主を格付けする「信用スコアシステム」が導入されている地域も存在します。また、韓国では犬を食用とする文化がありましたが、今日では犬を食べる人は減少傾向にあり、ペットとして飼う人が増えています。

コンパニオンアニマル市場の発展で懸念されていること

コンパニオンアニマル市場の発展の裏で、問題視されている点がいくつか存在します。

  • 狂犬病予防注射の未接種

日本では、狂犬病予防注射の義務がありますが、中国では未だ狂犬病のワクチンを摂取していない犬が多く存在します。犬に噛まれた子供が、狂犬病で死んでしまう事件もありました。

  • 犬の盗難

「犬泥棒」が中国国内では社会問題になっており、血統犬は大変人気なため、盗みの対象となってしまうことが多いです。盗まれた血統犬は、闇市場で高額転売されてしまうこともあります。

  • インターネット販売

犬を違法に売買する業者も増えています。着色して珍しい犬種として、偽の情報で売られていることもあります。

  • 犬の放棄

飼いきれなくなったり、長期休暇のために飼い主が犬を捨ててしまうケースがあったりと、野良犬の増加、飼い主のモラル意識低下等の問題が増えています。

今後も広がり続けるであろうコンパニオンアニマル市場では、こうした問題の解決が求められています。

<<あわせて読みたい>>

【ブロックチェーンのセキュリティ】安全性や弱点、対策を徹底解説

個体識別管理することで、様々な問題を解決する

アメリカやイギリス、日本ではペットを登録する制度が存在しており、韓国でも2014年から義務登録制を実施していますが登録率は10%程度と登録率が非常に低いことが問題視されています。登録率の低さは、登録手続きの手間や維持費用の負担が要因となっています。

ペットを識別管理することで、コンパニオンアニマルに関連する課題の解決を目指すプロジェクトが存在しています。AIIPETはペットの登録手続きを簡易化させとペットを傷つけること無く個体識別管理する方法をブロックチェーンプラットホームを用いて実現させています。

AIIPETは、ブロックチェーンベースの「オールペットプラットホーム」と、ペットの生体情報を利用した個体認識技術を採用しており、犬の個体を識別したペットIDデータ、血統、犬種等の情報を登録管理することで、ペットの健康的な生活を支えるプロジェクトです。

AIIPETのオールペットプラットホームに記録された犬の出生に関してなどの様々なデータは、ブロックチェーンの特徴上、偽造が不可能となっています。

そのため、ALLPETで動物を登録管理することで、コンパニオンアニマル市場に以下のメリットをもたらします。

  • ペット流通市場の透明化を促進
  • 国際公認血統書情報の検索管理
  • 個体識別により捨て犬の発生を最小限に抑え、
  • 里親への養子縁組を活性化

生体情報を利用した鼻紋個体認識技術

人間の指紋のように動物の鼻のシワ模様は、一匹一匹異なっているため、鼻のシワ模様で個体を識別することが可能です。個体を管理するための手法の1つである、マイクロチップを埋める場合は、動物を傷つけてしまう可能性がありますが、鼻のシワ模様を利用した鼻紋個体認識技術は動物を傷つけず、個体識別を正確に行うことができます。
また、犬だけでなく猫、牛、豚など様々な動物に活用することができます。

<<あわせて読みたい>>

【中央集権型のデメリット/分散型のメリット】ブロックチェーンの活用事例をわかりやすく解説

ペットIDで何ができるようになる?

ブロックチェーン上に、ペットIDやその他ペットに関わる情報を登録することにより、個体の識別、情報の偽造防止ができるようになります。具体的には、下記のことが可能になります。

  • 行方不明の犬や捨て犬などを鼻紋個体識別での管理
  • ペットIDで病院の診断記録の管理
  • 偽造が不可能なペットIDと健康記録で保険や信託、葬儀などへの加入
  • ペットのフードレコードの記録

ペット医療×保険×ブロックチェーン

ペットの医療費は高額なため先進国を始めとした国々では、保険の加入率は15%~20%と高い水準となっています。しかし、韓国では保険に加入しているペットは0.1%と加入率が低い状況です。加入率の低い理由の1つは、個別ごとの健康情報が標準化されていないからとされています。
AIIPETは、ペットIDによる個別情報診断記録等の健康情報データベース上で管理することができるため、保険や金融機関が必要とするデータの提供を可能にしました。
ALLPETにより、ペットを保険に登録させることが容易になります。

「オールペットペイ」 オールペットプラットホームで使えるトークン

オールペットプラットホームでは、O2O事業者と連携して、オン・オフライン決済システム、ターゲット広告サービス、リワード広告も行う予定となっています。

事業者は、オールペットコインを使って希望するターゲットへ広告を打つことができます。広告を受けた消費者は、リワードとしてコインを受け取ることができます。受け取ったコインはすべての加盟店で使用することができ、コインがプラットホームの関係者内で循環するようなシステムを構築しています。

また消費者は、広告の受信可否を設定することができ、自身のニーズに合った広告のみ受信することも可能です。さらに、獲得したコインを再びオン・オフラインの加盟店で使用できるため、好循環構造を通じてコインの活性化と価値の上昇を実現することができます。

ALLPETは社会問題の解決のみならず、ブロックチェーン技術を用いることにより、永続的でアクティブなサービス構造を実現させています。


ブロックチェーン上に記録されたデータは、改ざん不可能です。事業者同士が情報共有できるプラットホームが確立していれば、証明がしにくい物やサービスを保険適応にすることを可能にする方法として、ブロックチェーン技術は最適と言えるでしょう。

ブロックチェーンを法的証拠として認める事例もすでに存在しているため、今後もブロックチェーン技術を使ったデータ記録方法は様々な分野で採用されると考えられます。

<<あわせて読みたい>>

【ブロックチェーンのトークンとは?】種類や違いをわかりやすく解説

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次