廃棄物処理の管理は、多くの国や地域に共通する課題の1つです。
ビットコインから始まったブロックチェーン技術は、その影響力の範囲を金融から他の分野に移行し始めています。
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廃棄物問題をリサイクルで改善するブロックチェーンプロジェクト
ブロックチェーン技術が非金融部門でも活用されている事例として『廃棄物の管理』があげられます。
カナダで設立された世界規模のリサイクルベンチャーであるPlastic Bankは、発展途上国におけるプラスチック廃棄物削減のためにブロックチェーン技術を活用しています。
Plastic Bankは、海からプラスチックごみを取り除くための活動としてブロックチェーン技術を活用したエコシステムを確立させました。
2021年3月17日時点で、Plastic Bankの活動により20,187,379キログラムの海洋廃棄物が収集されています。
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Plastic Bankと提携し、再生可能プラスチックでSDGsに取り組む企業
Plastic Bankのエコシステムは、参加者が海岸でプラスチックを拾い、集めたプラスチックをPlastic Bankと提携するリサイクルセンターに預けることで、携帯端末の専用アプリケーション上で専用のトークンとプラスチックを交換することができます。
収集されたプラスチックは、再生可能なプラスチック素材SocialPlastic®としてリサイクルされます。そして、Plastic Bankと提携しているグローバル企業が再生可能プラスチックを買い取り、新製品の製造に使用されます。
2021年現在で提携している主な企業はHenkel、ADVANSA、SC Johnsonなどです。
Plastic Bankの活動に賛同し、リサイクルされたプラスチックを利用して製品を製造することで、持続可能性のある活動としてSDGsへの取り組みの1つとなります。
これは、企業価値、消費者への信頼獲得などに繋がる活動です。
2021年2月にも、 P&GブランドのGilletteがPlastic Bankと提携し、再生可能プラスチックを利用した新しい持続可能なブランドを発表しています。
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【ブロックチェーンのトークンとは?】種類や違いをわかりやすく解説
貧困を抱える人々の新たな収入源となるエコシステム
Plastic Bankでは、ハイチやペルー、コロンビア、フィリピンなどの国々において、プラスチックゴミをリサイクルセンターに持ち込む人たちに報酬(トークン)を支払っています。これらの地域で深刻化する廃棄物問題と貧困を改善する取り組みを始めています。
Plastic Bankへの参加者は、海岸で拾い集めたプラスチックゴミをトークンに換えることができます。こうして手に入れたトークンは、アプリケーション内のアイテムと交換できるようになっています。
トークンと交換できるアイテムは、現金、食料、水、日用品の引換券などとなっています。
このソリューションは、銀行口座を持つことができない人々の収入源、通貨となることが期待されています。
アプリケーション内で使われるトークン機能はブロックチェーン技術が使われており、IBMおよびCognitionFoundryと協力して開発されています。ブロックチェーン技術を使い、個人のデジタルウォレットを作成、取引履歴などのトランザクションを追跡し安全に保存することができます。
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最新リサイクル×ブロックチェーン事例
ブロックチェーンがリサイクルなどに活用される例は他にもあります。
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まとめ ブロックチェーンは廃棄物のトレーサビリティにも最適
ブロックチェーンは、投資したものがどこに行くのかを監視できるという面でも魅力的です。
廃棄物の管理に対しては、伝統的な方法だけで考えるのではなく、率先して新しい技術を取り入れてゆくことが求められています。ブロックチェーンはすでにこの分野で恩恵をもたらし始めており、まだまだ成長の可能性があると考えられます。
昨今、世界的に活発な取り組みがされているSDGsに対しても、ブロックチェーンは様々な分野で活用されています。
ブロックチェーンは、廃棄物のトレーサビリティにおいても最適なソリューションなのです。
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