【ブロックチェーンを使ってコンテナを管理】ヨーロッパ最大ロッテルダム港の活用事例

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ヨーロッパ最大の港湾でコンテナ取扱量が世界でも12位(国土交通省によるランキング2018年)のロッテルダム港は、運送会社からエンドユーザーまでのサプライチェーン全体の安全性を高めるために、ブロックチェーンを使ったパイロットテストを行っています。

ロッテルダム港による2020年7月9日のプレスリリースでは、今回のパイロットテストの内容が明らかにされております。

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目次

世界有数の港湾ではブロックチェーンを使ってコンテナを管理

コンテナの集荷作業を行うドライバーが、正しい集荷の権利を持っているかどうかを確認するための手段として、ブロックチェーンを試験的に利用しています。

パイロットテストでは、ライセンスの確認作業がブロックチェーンべースのアプリケーションを用いて行われます。
パイロットテストの期間は3カ月間で、CMA-CGMなどの10数社のコンテナ輸送会社や港湾会社とアプリケーション開発者のT-Miningが参加しています。

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輸出会社から依頼されたコンテナを運送会社が港で回収し、エンドユーザーに届けるまでには、船会社、フォワーダー、運送会社、ターミナルの連携が必要となります。

フォワーダー(貨物利用運送業者のことで、貨物を預り、様々な輸送手段を利用して運送を引き受ける業者のこと)

貨物の輸出会社は、運送会社にコンテナの回収命令を出し、運送会社がドライバーに集荷命令を行う構造になっています。

この過程では、港でコンテナを集荷するドライバーは、運送会社から委託された正式なドライバーであることを証明するために、ライセンスを持っている必要があります。

このラインセンスには、PINコードが用いられており、港のターミナルでPINコードを確認する作業を行うことで、集荷が認められたドライバーであることが証明されます。

しかし、このPINコードは複数の異なる事業者による手続きを経由してドライバーまで連絡されるため、PINコードが届くまでの過程で人為的なエラー、遅延、不正行為、情報の漏洩等の様々なリスクが存在しています。

今回のロッテルダム港によるパイロットテストでは、このPINコードを用いたライセンスの確認作業を、ブロックチェーンで代用し、安全性の向上を図っています。

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ロッテルダム港の新しい取り組みでは、従来使われていたPINコードの代わりに、ブロックチェーンのトークンを用います。

このコンテナ輸送に使われるトークンは、トークンの所有権を移行できる性質のものを使います。そのため、ライセンスを当事者から次の担当者へとスムーズに移行できます。移行の記録はブロックチェーン上に暗号化された状態で記録されるため、偽造や漏洩を防ぐことができます。

さらに各事業者により、手続き等はスマートコントラクトで行われるため、安全性の向上だけではなく効率化にもつながります。

また、複数の異なる事業者とのやり取りを実現させるために、トークンの権利移行で発生したトランザクションは、当事者以外は見れないようになっています。

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ブロックチェーン技術を活用することにより、安全にコンテナに関する情報のやり取りが可能となります。

ロッテルダム港湾局のエミール・ホーグステデン商務部長は、ロッテルダム港のプレスリリースで以下のように述べています。

「新しい技術を活用することで、港湾業務をよりスマートに、より迅速に、より効率的に、より安全に行うことができます。現在のパイロット・プロジェクトはその良い例です。このプロジェクトでは、ブロックチェーン上で様々な参加者同士が行うリリース手順を安全かつ効率的に整理することができるアプリケーションを使用しています。」

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まとめ ブロックチェーンを使ってコンテナを管理

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ブロックチェーンを活用したコンテナ輸送の効率化や安全性強化の事例を紹介しました。

ブロックチェーンは物流サプライチェーンの管理と非常に相性が良いため、世界各国様々な分野で取り入れられています。国内においても、コロナ禍でDX化が推進されている今、サプライチェーンをブロックチェーンで管理する動きが増える可能性は非常に高いでしょう。

今後もあらゆるビジネスにおいて、ブロックチェーンの活用から目が離せません。

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