ブロックチェーンベースの土地管理システムで発展途上国の不動産取引を活性化

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ブロックチェーンベースの土地管理システムで発展途上国の不動産取引を活性化

不動産イメージ画像

Ledger Insightsは2021年4月29日に、Medici Land Governance (MLG) がルワンダ政府と提携し、土地移転をペーパーレスで行うことを目的としたパイロットテストを開始したことを明らかにしました。

MLGは、ブロックチェーンやAIを使い土地の所有権を管理するシステムを提供する開発会社です。今回のこのパイロットプロジェクトのために、MLGはUbutakaというブロックチェーンベースの土地取引プラットフォームを構築し、ルワンダですでに使われている土地登記インフラと統合します。

発展途上国の課題-土地登記システム

多くの発展途上国の土地登記システムは、書類の紛失や、土地の所有者が所有権利を証明できない等の問題を抱えており、この問題は、新たに不動産へ開発・投資を行おうとする人々の妨げとなっていました。

また、土地登記システムに関連する土地管理の監査や調査は標準化されておらず、汚職や不正が働いてしまう可能性まで存在しています。

土地登記システムのパイオニアMLG

MLGは、すでにメキシコやリベリアなど複数の国で、ブロックチェーンを用いたソリューションを活用し、土地登記に関する課題を解決するためのプロジェクトを進めています。

2020年4月13日には、MLGがアメリカ合衆国,ワイオミング州カーボン郡で使う土地情報を記録するブロックチェーンプラットフォームの開発を発表しています。

ブロックチェーンプラットフォームを利用することで体系的な土地の傾斜、土地管理、土地評価と課税額等をブロックチェーン上に公的記録として残すことができます。
ブロックチェーンプラットフォームによって土地に関する記録をデジタル上で安全に追跡記録、公開することができ、さらに不動産の取引記録においても透明性を高く維持した状態で行うことができます。

ルワンダのパイロットテスト

MLGの土地管理システムでは、土地の所有者が自分の所有権を証明できるような改ざん不可能なシステムを作ることで、不動産への投資や開発のインセンティブを高めようとしています。
このプロジェクトは、ルワンダのガサボ地区で3ヶ月間実施され、その後、MLGとルワンダ政府は、この技術を他の地区への拡大を予定しています。

パイロット版では、ブロックチェーンプラットフォームのUbutakaで不動産の取引を管理し、取引の売り手と買い手の身元を国民認証機関のデータベースと照合して確認を行います。
さらに、取引の当事者の署名と指紋を公証人が収集し、二重販売を防止するためにPKI(Public Key Infrastructure)を用いたデジタル署名を行います。デジタル上に記録された不動産取引に関する文書は、審査後、承認されればデジタル証明としてパブリック・ブロックチェーンに公開されます。

ブロックチェーン上に記録されたデータは、記録された後に書き換えることは事実上困難であるため、耐改ざん性を維持することができますが、ブロックチェーン上に記録する前の情報が正しいものである必要があります。

ブロックチェーン上に記録する情報が確かなものであるという確証を得るための審査は必ず必須となるため、Ubutakaではデジタル文書の審査後にブロックチェーン上に記録する流れが取られています。

 

最後に

土地管理システムに関して、既存のシステムが整備されていない場合や、不正な取引が横行している対策としてブロックチェーンを用いると、ブロックチェーンの情報を追跡して記録することができる機能、記録された情報に対して耐改ざん性を持つ特徴から既存システムにおける情報の真正性と透明性を高めることができます。

今回のような発展途上国に対して、ブロックチェーンが用いられ、土地管理システムの性能や効率が向上することで、土地取引が活性化することで経済を活性化させることに繋がります。
今後は、土地管理システムが普及していない地域へのブロックチェーンの活用が進んでいくことでしょう。

 

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