【ブロックチェーンのPoC事例5選】ビジネス分野で行われた概念実証を解説

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ブロックチェーンをビジネス分野にへ実装するケースが増えています。

ブロックチェーンをビジネスに実装するためには、国内外ともにPoC(概念実証)が行われることがほとんどです。

今回は、世界で導入事例が増えている【ブロックチェーンを用いたPoC】についてご紹介します。

目次

PoC(概念実装)とは?

PoC(概念実装)とは?

ブロックチェーンを用いたソリューションに限らず、ビジネスにおける新たな取り組みや、これまでにないプロジェクトをビジネスへ実装するためには、PoCを実施する企業が多く存在しています。

PoC(Proof of Concept)とは、「概念実証」という意味です。新しいアイディアの概念などを試験的にリリースし、実用性や活用性を検証します。

PoCを通して、経営陣やプロジェクトメンバーはアイディアの検証を行ったり、検証結果を基にプロジェクトへの投資判断を行うことが可能です。

PoCには、ビジネスへの実装を前提とした試作の開発や、簡易版のシステムを作った上で試験的にワークフローの検証を行う場合もあります。

システムの試作開発を行うことで、アイディアの実現可能性を検証することができます。さらには、システムを実際に利用をしてみることで、利用者視点の新たな発見やプロジェクトに対するより具体的なフィードバックを得ることにも繋がります。

ブロックチェーン活用におけるPoCの重要性とは?

ブロックチェーン活用におけるPoCの重要性とは?

ブロックチェーンを使ったPoCにおいては、プロジェクト全体の検証だけではなく、システムの動作を確認する意味も含みます。

PoCを行うことで、システムにおけるブロックチェーンの動作確認や、動作に関わる所要時間や処理速度の確認、必要要件の追加検討を行うことができます。

ブロックチェーンは耐改ざん性が高く、一度ブロックチェーン上に書き込んだ情報は消えないという特徴を持っています。そのため、ブロックチェーンにどのような情報を入れるべきなのか等、ブロックチェーン独自の特徴を踏まえた要件をリリース前に吟味・検討しなければいけません。

ブロックチェーンを使ったプロジェクトのPoCにおいては、ブロックチェーン特有のシステム面の検討項目を考慮し、開発実現性や開発コストとの兼ね合いなどをクリアし、PoCをスタートさせることが必要です。

また、PoC中はPDCAを回しながら、ビジネス検証を重ね、事業化や本番のビジネス実装に向けた課題や改善点を特定することが重要となります。

ブロックチェーンを用いたPoC事例5選

ブロックチェーンを用いたPoC事例5選

ブロックチェーンを用いたPoCの事例を5つご紹介します。

教師に支払われる年金制度をブロックチェーンで運営するPoC

教師に支払われる年金制度をブロックチェーンで運営するPoC

2020年には、バングラデッシュの法的機関の Bangladesh Computer Council(BCC)とIBMは協力して小学校教師に対する電子年金システムの効率化を高めるPoCを発表しました。

教師の退職後に支払われる年金制度のシステムにブロックチェーンを導入する計画です。

ブロックチェーン上に年金情報や教師の個人情報を記録、管理することで情報の透明性と真正性、セキュリティの強化を高めるために行われます。この発表においてのPoCの目的は、年金、教師に関する情報をブロックチェーン上の台帳に記録し、情報の管理権限を設定することで不正アクセスを防止し、正しく年金処理がされるかどうか確認するために実施されました。

ブロックチェーンで航空貨物コンテナを追跡すると4億ドルのコスト削減ができる?

ブロックチェーンで航空貨物コンテナを追跡すると4億ドルのコスト削減ができる?

航空輸送業界向けの多国籍ITプロバイダーであるSITAは、カナダの非営利企業体ULD Careと提携し、航空貨物業界で年間4億ドルのコスト削減をするために、ブロックチェーンを用いたソリューションのPoCを行いました。

ULDと呼ばれる航空機の貨物室に搭載するためのコンテナはSITAで90万個も稼働しており、SITAは、UDLの稼働中の非効率性、貨物の紛失や、ULDまたは航空機への損傷などを鑑みると、結果として約4億ドルの不要な年間費用が発生する可能性があると推定しています。

このUDLの効率、セキュリティを向上させるためにブロックチェーンベースのプラットフォームを用いて、全てのUDLをプラットフォーム上で管理するPoCを行い、大幅なコストの削減を目指しています。

保険証券の真正性を検証するソリューションのPoCをブロックチェーンコンソーシアムが取り組む

保険証券の真正性を検証するソリューションのPoCをブロックチェーンコンソーシアムが取り組む

2021年には、保険証券を使った不正行為に関する問題を軽減するために、保険証券の検証ソリューションのPoCが実施されました。

保険証券は通常、紙のものが使用されており、保険の適応範囲を確認・証明するために、複数の期間や企業・個人と往復のやり取りを行う必要が有り非常に手間が掛かっていました。

この状態を改善するために、保険証券をデジタル化、リアルタイムで契約状況が確認することができるソリューションを開発し、PoCで保険の適応範囲の検証効率の確認と、手動によるミスの防止ができるかどうかが検証されます。

油田関係各社が参画するブロックチェーンを活用した商業契約の条件検証プラットフォームがPoCに成功

油田関係各社が参画するブロックチェーンを活用した商業契約の条件検証プラットフォームがPoCに成功

油田開発に関わる現場の情報の読み取りから、請求書の支払いまで、生産水の運搬を自動化するためのブロックチェーンベースのプラットフォームが実証されました。

また、油田の複数の関係者間同士で商業契約の条件を検証するためのプラットフォームが初めて使用され、大幅なコスト削減を実現しました。

【スイス連邦鉄道】ブロックチェーンベースの情報管理システムで安全性の向上と業務の効率化を実現

【スイス連邦鉄道】ブロックチェーンベースの情報管理システムで安全性の向上と業務の効率化を実現

スイス連邦鉄道には、3万人の従業員と数千の建設現場があり、そこでは様々なライセンスを持っている企業・人々が存在しています。

どの現場に、どのライセンスを所有している人がいるのか、労働時間を毎回紙ベースで記録していたため、管理のためのコストがかかり、効率も非常に悪い状態でした。

現場で働く人々がどのようなライセンスを持っているのかを確認し、労働時間の管理を効率化するために、スイス鉄道はuPortのオープンソーステクノロジを使用して、ブロックチェーンベースの情報管理システムを構築しました。

 

まとめ ブロックチェーンのPoC事例5選について

まとめ ブロックチェーンのPoC事例5選について

ブロックチェーンをビジネスに活用するためには、概念実証を行い設定した目標や概念に対して、本当に達成できるのか、効果が得られるかどうかを確認します。

事業化やビジネス実装にあたり、事業計画や投資判断等の判断材料にすることができるからです。

効果が得られた場合は、新たな協業先や顧客への協力を仰ぎやすくなるなどの効果も期待できます。もちろん、得たい結果が得られなかった場合は、方向転換や改善を行うこともできます。

国内においても、ブロックチェーンを使った取り組みが徐々に増えています。ブロックチェーンを使ったソリューションをご検討されている場合は、海外でどのようなPoCが行われているのか、ぜひ参考にしてください。

 

 

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