ブロックチェーンで穀物のアレルゲンや油糧種子の純度を追跡管理する
トレーサビリティ等のコンテンツ管理プラットフォームをブロックチェーンを活用して展開するYaliyomoは、2021年1月27日に農業大手企業のAgrariusとともに穀物と油糧種子について、ブロックチェーンベースの追跡ソリューションを用いてトレーサビリティ強化するプロジェクトを発表しました。
今回のプロジェクトは、Agrariusの拠点があるルーマニアの6400ヘクタールの土地で栽培されている栽培された穀物と油糧種子を対象に、ブロックチェーンベースの追跡ソリューションを活用します。
Yaliyomoが提供するコンテンツ管理プラットフォームは、ブロックチェーンを活用し、製造拠点から、消費者の手に渡るまでのバリューチェーンを追跡し明らかにした上で、ステークホルダーからのアクセスを可能にすることができます。
Yaliyomoの持つプラットフォームを用いてAgrariusとともに穀物と油糧種子の収穫から保管、卸売り、小売店まで追跡を行い、穀物の純度やアレルゲンの残留物がないか等の品質指標を穀物と油糧種子の全行程に沿って測定が行われる予定です。
このプラットフォームを活用することで、セキュリティを維持しつつステークホルダー同士のやり取りを効率化し無駄の削減や、ビジネスの成長を促進させることが期待されています。
Agrarius AGのCEOであるOttmar Lotz氏は次のように述べています。
「私たちは、商品の品質が証明された証拠を顧客に提供したいと考えています。
また、商品を追跡する義務が生じるのではないかと考えており、品質の証明においてYaliyomoのブロックチェーン技術は最適です。」
Yaliyomo共同創業者兼COOであるBjörn Bayardは次のように述べています。
「Agrariusがブロックチェーンベースのコンテンツ管理プラットフォームとして当社を選んでくれたことを大変嬉しく思っています。食に対する信頼は不可欠ですが、原材料の生産者が農場からフォークまでの透明性とトレーサビリティを提供しなければ、長期的には改善することはできません。」
このプロジェクトは、昨今ドイツ国内で議論されている「サプライチェーン法」を先取りしたものとなっており消費者の信頼をこれまで以上に獲得することが期待されています。
現在連邦議会で提案されているサプライチェーン法案は、ドイツのすべての企業に対して、労働規制、環境規制を遵守しているのかどうかを明らかにすることが求められています。Yaliyomoはブロックチェーン対応のコンテンツ管理プラットフォームとして、適切で安全なソリューションの提供を目指しています。
穀物のサプライチェーン管理にブロックチェーンが使われた例が2020年にもあり、国際貿易におけるコンプライアンスを遵守するために、サプライチェーン上で農作物に農薬や遺伝子組み換えが行われていないかを正確に追跡、確認することができるトレーサビリティプラットフォームも開発されています。
国際的な規制に遵守していることを確認、証明するためにステークホルダーとともにサプライチェーンを追跡、管理することができるブロックチェーンは、解決の手段の1つとして有効です。今後もこのようなプロジェクトの開発は進められていくことでしょう。
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