【スマートシティの実現で車の渋滞を無くす】ブロックチェーンとAIの活用事例

駐車場イメージ画像

2020年11月12日に、ケンブリッジに本社を置く人工知能ラボであるFetch.aiと、エンタープライズブロックチェーンソリューションを提供するDatarella GmbHが提携し、年間34,000トンのCO2排出量削減を可能にする駐車場のスマートシティの実証実験をドイツのミュンヘンで開始することを発表しました。

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ブロックチェーンとAIを使ったスマートシティで車の渋滞を無くす

fetch.aiよると、2018年米国で最も渋滞していた都市において、渋滞の原因のうち30%が駐車場を探していたためでした。そして、その経済的損失は870億ドルとなることが判明しました。

Fetch.aiとDatarella GmbHは協力して、渋滞の原因となる駐車場を探す手間を省き、利用者がより効率的に駐車場を見つけられるソリューションを開発し、スマートシティの実証実験を開始しました。

ブロックチェーンベースのAI技術を利用した渋滞解消の実証実験

スマートシティの実証実験はブロックチェーンベースのAI技術を利用して、ドイツミュンヘンのConnex Buildingsビジネスセンター付近で行われます。

今後は市内中心部の商業用不動産施設にスマートモビリティソリューションが提供される予定です。

この実証実験では、分散型ネットワークを介して駐車場の所有者と駐車場を必要とする利用者をマッチングします。

利用可能な駐車場を検索し事前に予約をすることができるため、運転して駐車場を探す手間がなく目的地まで安心して運転することができます。

この駐車場の検索時に、利用者が需要の低い駐車場を選び駐車した場合には、利用者はデジタル通貨(トークン)を獲得することができる仕組みとなっています。

付与されるトークン量は、駐車場の使用率によって異なります。

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実際に、需要の低い駐車場に利用者の車が駐車されると、車両等と紐づけられたウォレットアドレスにトークンが自動で付与されます。

このスマートモビリティソリューションにより、混雑時に駐車場にアクセスしようとする人が減り、交通渋滞を解消することが期待されています。

Fetch.aiは自律型AIエージェント AEA(Autonomous Economic Agents)が用いられています。

Fetch.ai AEAとは自立経済主体を作成することができ、所有者に経済的価値を生み出すことを目標として、所有者に変わり人工知能機能で独立してタスクを機能的に処理を行うことができるツールです。

Fetch.ai によるリリースでは、Fetch.aiの最高経営責任者であるHumayun Sheikh氏は以下のように述べています。
「Fetch.aiは、複雑な調整タスクを実行するための自律型AIエージェント(AEA)を構築およびカスタマイズするための分散型フレームワークを提供します。私たちのビジョンは、分散型ネットワークを介した自動化を可能にするために、デジタル経済と現実の経済を接続し、従来のデータの使用方法を変えます。」

Datarellaの最高経営責任者であるMichael Reuter氏は、次のように述べています。
「家主と市議会は、駐車スペースの管理を最適化して、交通の流れを整理し、通勤者の渋滞を防ぎながら、企業テナントのすべての従業員が駐車できるようにすることに関心を持っています。私たちのシステムは、ミュンヘンのCO2排出量の大部分を占める渋滞を減らしながら、トークン配布システムを通じて公共交通機関の使用を奨励しています」

このシステムを通じて、Fetch.aiとDatarellaは、ミュンヘン市内のCO2排出を削減し、2021年以降の排出目標を達成できるよう支援したいと考えています。

Humayun Sheikh氏は加えて以下のように述べています。
「自動車の使用量が10%削減されると仮定すると、ミュンヘンでは年間34,000トンのCO2排出量が削減されます。」
「ドイツ全土をカバーするようにスケールアップされると、年間170万トンのCO2削減に相当します。このスマートシティソリューションは、不活用データを活用して、巨大な市場に浸透する可能性があります。」

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まとめ スマートシティの実現で渋滞のない社会へ

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今回の実証実験では、ただ便利になるだけではなくより需要の低い駐車場を選ぶと特典を得られるようにしました。こうすることで、需要が低い駐車場を選ぶ時の動機を「近い駐車場が満車だったから」というだけではなく、「トークンを得ることができるから」という新しい動機付けを実現しています。

需要の低い駐車場の利用がより活性化され、渋滞を減らしCO2排出の削減に繋げることができています。付与されたトークンをどのように使えるかによって、利用者の需要も大きく変化していくことでしょう。

スマートシティを実現するために、ブロックチェーンのトークン機能を用いることで新しい付加価値をつけることが可能となっています。

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