ブロックチェーンでウールのトレーサビリティを管理

羊イメージ画像

ブロックチェーン開発会社のEverledgerは2021年1月に、オーストラリアのウールについて研究開発、マーケティングを行う非営利団体のAUSTRALIAN Wool Innovation(AWI)が、農場から消費者に届くまでのウールのサプライチェーンの管理過程を追跡するためにEverledger Platformを活用することを明らかにしました。

<<あわせて読みたい>>

【ブロックチェーンの7つのメリット】デメリットもわかりやすく解説

目次

ブロックチェーンでウールのトレーサビリティを管理

Everledgerの発表によると、メリノ種の羊は、世界で最も上質で柔らかく、最も美しいウールを生産することで世界的に知られており、自然の奇跡の繊維として知られるメリノウールは、合成素材に比べてエコロジカルフットプリントを大幅に削減しています。

世界の高級衣料用ウールの約90%を生産するオーストラリアの代名詞ともいえるメリノウールですが、特に輸出においては、遠距離を移動する群れから取れたウールが主に取引されており、国民経済に36億オーストラリアドルの貢献をしています。

エコロジカル・フットプリント
人間の生活がどれほど自然環境に依存しているかを、わかりやすく伝える指標

<<あわせて読みたい>>

【トレーサビリティとは?】わかりやすく簡単に解説!その意味や必要性、メリットについて

ウールのサプライチェーンの課題

ウールのサプライチェーンは農場から消費者へ多くの人の手を介して届けられます。

サプライチェーンには、メリノウールの栽培、加工、製造、出荷、小売、そして購入、再販、リサイクルなど非常に多くの工程が発生し、産地から離れていく過程ではファッション業界の競争が激化している中、品質と真正性が非常に求められています。

そこでAWIは、オーストラリアの22,000人のウール生産者と7,000万頭の羊を守るための1つの手段として、製品の価値を従来よりも向上させるためにEverledgerのブロックチェーン技術を活用しサプライチェーンのトレーサビリティの促進させようとしています。

保管の連鎖

Everledgerのブロックチェーン技術を利用した透明性の高いプラットフォームは、出荷されたウールの所有権の移転を農場から海外での加工、最終製品までのサプライチェーンを追跡、検証することを可能にします。

最終的に小売業者や消費者は、元々のウールがどのように調達され、どのように加工されたかについて、証明するデータにアクセスができるようになる予定です。

サプライチェーン上の企業などは、Everledgerのプラットフォームに参加することで、サプライチェーンの過程の記録を証拠として利用することができるため、アパレル業界で求められている説明責任や透明性を確立させることが可能となります。
また、素材の持続可能性やコンプライアンスについても実証することができ、製品の真正性と信頼性を高めることに繋がります。

AWIの最高執行責任者であるJohn Roberts氏は、同社がこのような取り組みを行った理由を次のように説明しています。
「私たちのステークホルダーは近年、産地証明の重要性、企業の社会的責任、そしてサプライチェーンの効率性とバイオセキュリティに対して、関心が高まっていることを認識しています。」
「トレーサビリティと透明性は、オーストラリアのウールの世界的な評判を守るために非常に重要です。Everledgerとのパートナーシップは、サプライチェーンの上流下流を問わず、すべての関係者との情報のやり取りを容易にし、ウールの利点をより多くの人に伝えるのに役立ちます。最終的には、メリノウールに頼って生計を立てている農家や関連する中小企業にとっても朗報であると言えます。」
「メリノウールはオーストラリアの高く評価されている輸出品です。オーストラリアの重要な機関と提携し、最先端の透明性でサポートできることを、Everledgerは当然のことながら嬉しく思っています。AWIの価値観である透明性の高い出所と、ファッションにおける公正な社会的・環境的影響は、私たちが心を込めて支持する理想です。ウールの生産とテクノロジー、透明性によって織り成されたこの2つの世界を橋渡しすることは、とてもエキサイティングなことです。」

Everledgerは、当ブログでも度々取り上げているトレーサビリティに非常に強いブロックチェーン開発会社です。

過去にはダイヤモンドやワインについて取り上げました。ダイヤモンドやワインは偽造防止という観点でブロックチェーンを活用しており、Everledgerのブロックチェーン技術は高級品やアート作品にも応用されています。SDGsへの取り組みが世界的に重要視されている昨今では、Everledgerのようなブロックチェーンプラットフォームが求められており、国内でもこの動きが活発化されていく可能性があります。

あわせて読みたい
ダイヤモンドの真正性をブロックチェーンで証明するEverledgerのソリューションとは? 2020年8月25日、ブロックチェーン開発会社のEverledgerは、中国最大のECサイトであるJD.com、および米国宝石学会(GIA)と提携したことを発表しました。 Everledger, JD...
あわせて読みたい
NFCタグとブロックチェーン技術でワインのブランドを守るトレーサビリティを実現 ブロックチェーン開発会社のEverledgerは、ブロックチェーンテクノロジーで不正開封防止ができるボトルキャップを発明しました。 Everledgerは、ワインやスピリッツ(蒸...

<<あわせて読みたい>>

【ブロックチェーン開発とは?】メリットや活用法、注意点、開発事例を紹介

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次