ブロックチェーンベースのCOVID-19検査記録アプリで航空業界に安全性をもたらす
2021年2月17日にAir Franceは、COVID-19検査結果を記録することができるブロックチェーンべースのモバイルアプリケーションであるICCAOKPASを利用したテストを3月11日からパリCDG-ポワンタ-ピートル線とパリCDG-フォール・ド・フランス線で4週間行うことを発表しました。
今回のテストは、実際の現場でのアプリケーションの操作性をテストし、利用者の意見を参考にするために実施されます。
Air Franceは、このテストで得ることができるフィードバックを、現在、デジタルヘルスに関する様々なソリューションをテストしている他の航空会社と共有する予定です。
テストの実施背景
COVID-19の世界的感染が拡大して以降、旅行関連の規制は日々厳しくなり、現在では、ほとんどの国際線でCOVID-19検査の陰性判定の提出が義務付けられています。
しかし、COVID-19検査の検証にはほとんどの場合、紙での提示が求められています。
Air Franceは、顧客満足度の向上と、空港での滞在時間を効率化するために、MedAire/International SOSのサポートのもと、ICC AOKpassの試験運用を開始することを発表しました。
ICC AOKpassについて
ICC AOKpassは、MedAire / International SOS、国際商業会議所、および認証企業であるSGSによって開発されたモバイルアプリケーションです。提携している研究所で実施されたCOVID-19の検査結果をICC AOKpass上に安全に記録、携帯することができます。
ICC AOKpassは、国際商業会議所(ICC)と、健康および認証サービスの世界的な業界リーダーであるInternationalSOSおよびSGSGroupによって共同設立され、開発されたソリューションです。ICC AOKpassは、80,000を超える認定クリニック、医療提供者による国際ネットワークが整備されています。
ICC AOKpassを用いることで、個人のCOVID-19検査結果をアプリケーションを使い、空港関係者へ提示することができるようになります。そして、このアプリケーションはブロックチェーン技術で保護されたネットワークを介して各国の規制に則って安全に検査結果を提供することを可能にしています。
ICC AOKpassはブロックチェーンベースのソリューションで、データは分散して保管され、個人の情報は電話番号と紐づいてデバイスのみに記録されます。
検査結果に関する情報は、Hashアルゴリズムによって保護され、他者から読み取れない状態で記録されます。第三者へ表示する際は、固有のコードが生成され、コードを提示しスキャンしてもらうことで、第三者が記録を読み取ることを可能にします。
また、第三者へ検査結果を提示する際は、検査結果に関するデジタル署名を検証し、個人情報や医療情報を表示せずに結果のみを共有することができます。情報をどこで誰に共有するかどうかは、情報の所有者のみが選択することができます。
紙による提示の場合、偽造されているか検証する必要がありますが、今回のようにブロックチェーンベースのアプリケーションを介して行うことでデジタル署名の検証をスキャン行為だけで行うことができるため、手間を省き、結果に関する真正性を高めることができるようになります。
航空・海運業界へのセキュリティソリューションなどを提供しているMedAireのプロダクトマネージャー、Sébastien Bedu氏は続けて次のように述べています。
「Air FranceのICC AOKpassのテストをサポートできたことを大変嬉しく思います。再び安全に空を開くという業界全体の目標を達成するために、このソリューションが成功裏に導入されることを楽しみにしています。」
ブロックチェーンを利用することで個人情報を不用意に相手に共有せず、必要な情報のみを安全に提供することができます。航空関連だけではなく、今後幅広い業界でこのような技術が普及することでしょう。
COVID-19の感染低減などをブロックチェーンソリューションを利用して取り組んでいる事例をいくつか紹介しています。
【事例7選】ブロックチェーンを使ったCOVID-19対策
コメント
コメント一覧 (1件)
ブロックチェーンと医療は非常に関係性が良いですね。
この様な事実を多くの方に知って頂きたい!