大手半導体企業がブロックチェーンのハードウェアセキュリティソリューションを発表
ドイツに本社を置く半導体ブランドのInfineon Technologiesは2020年11月10日に自身のプレスリリースサイト上で、ブランド力を向上させ、消費者を偽造品から守るブロックチェーンセキュリティソリューションの「SECORA」を発表しました。
SECORAは、Infineonが製造する商品にNFC技術を用いて、製品と製品情報をブロックチェーン上で紐づけることができるソリューションです。
NFC技術が用いられたとても小さなチップを使うことで、製品のラベル裏や製品自体に目立たずに取り付けることができます。
SECORAは、ブロックチェーンに製品情報を保存することで、偽造品ではなく正規品であることの真正性をデジタル上で確認できるようにしたり、そのほかにも製品が限定版であること、環境基準に準拠していることなど様々な証明ができるようになります。
SECORAはファッションやフットウェアから電子機器、ヘルスケアまで、幅広い製品に利用されることが期待されています。
消費者は、携帯端末のアプリケーションを介してブロックチェーンに保存されている情報を閲覧することができます。
これにより、消費者は製品に関する情報を簡単に確認できるようになります。
ブロックチェーンを使った分散台帳技術により、ブロックチェーン上のデータを誰でもどこからでもアクセスできるような仕組みを実現しています。
また、様々な人からアクセスができても、ブロックチェーン上で管理されており、記録されている情報は偽造することができないため、消費者は安心して自身の携帯端末から製品情報に触れることができます。
さらにメーカーや製品に関する情報は、生産状況に関わる情報以外にも、製品の変更履歴、オリジナルのスペアパーツの使用履歴や、限定品のコレクターズアイテムの所有権の変更なども継続的にデジタル上で管理することも可能となります。
ハードウェアセキュリティソリューション
SECORA ブロックチェーンは、ウォレットや、ブロックチェーンやビジネスアプリケーション追加、構築に関する秘密鍵等の重要度の高い情報をオンライン上ではなく、オフライン上でも保存できるようにしています。
オフラインでの管理を実現させるために、マイクロチップが組み込まれた物理的なNFCカードが使われており、重要な情報をカードとしてオフライン上で管理することで、オンライン上のみで管理するリスクを軽減しています。
(携帯端末などを置き忘れた際に不正に第三者が接続するという脅威を無くしています。)
このSECORAブロックチェーンを使ってアプリケーション等を開発したい人向けに開発キットが用意されています。
開発者は開発キットを購入し、キットに含まれているNFCカードとInfineonのオンカードソフトウェアを使用してアプリケーションをプログラムすることができるようになっています。
様々なブロックチェーンソリューションが次々と発表されていますが、偽造防止を目的としているソリューションは、ブロックチェーンの特性と相性が良いことから多く存在しています。
当ブログでは、偽造防止に関連するブロックチェーンソリューションの事例を他にも紹介しています。
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